Angling Net / The Grotesque Night

■グロテスクフィッシュ概論
グロテスク(Grotesuque)とは‥‥‥?
「奇怪」な、あるいは「異様」な‥‥‥という意味であり、概ね日頃見慣れないモノ、一般的な概念を逸脱するモノを指してグロテスクと呼ぶ。ただし、固定概念を持つものではなく、味覚や美感と同様千差万別である。
グロテスクフィッシュ(Grotesuque Fish)とは‥‥‥?
一般的概念から逸脱した姿態をもつ魚を「グロテスクフィッシュ」と呼ぶ。
例えば「アマゴ」「イワシ」「アジ」などの流線型をした魚は日頃見慣れた一般的な形態の魚であり、また「フナ」「タナゴ」「タイ」などの扁平した魚も同様である。
しかしながら、流線型でありながら、魚体の一部に奇異な特徴を持つ魚、例えば「ボラ」の平らな頭部、「ニゴイ」の間の抜けた顔と豚の鼻のような唇など、部分的にグロテスクなモノをグロテスクフィッシュに含めることができる。
同様に扁平型の魚であっても「カレイ」や「ヒラメ」のように水平に泳ぐ魚は、片側に顔が集中しており、見れば見るほど異様であり、また同種の「シタビラメ(ウシノシタ)」に至っては、姿形そのものがゾウリムシに似てグロテスクであると言える。
また姿形が魚類よりも他の脊椎動物(例えば爬虫類)の特徴に近似するモノもグロテスクフィッシュに含むことができる。例えば「アナゴ」「ハモ」「ウナギ」「ウツボ」「タイワンドジョウ」など、限りなく爬虫類(蛇)に近い魚類と言える。
このように水中には奇怪な魚類が大挙し棲息遊泳しており、いつなんどき釣り人の垂れた鈎にかかるやも知れない。とても素手では触れない魚が鈎に掛かるかも知れないのである。
ただし、人が何をグロテスクと感じるかは千差万別であり、その意味でグロテスクフィッシュの分類とは、学術的根拠によるものではなく、極主観的分類をするのが妥当であると思料する。
2001.1.27
Ikasas "Grotesque" Ikuy
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