Angling Net / The Grotesque Night The Biwako-Ohnamazu ざ・びわこおおなまず 琵琶湖大鯰を狙うて18年になる。ごっつ長いことやっとるわけで‥‥‥。はじめた頃はいっこも釣れへんかった。居る場所も釣り方も、何もかもぜんぜんわからへんかった。ほんまに幻の魚やと思てた。で、1匹目釣るんに7年かかってしもた。もうちょっとで「こんな釣れへん魚」‥‥‥と、あきらめてしまうとこやった。 クラブのメンバーの松下と宇治川へケタバス釣りに行ったとき、偶然、彼のルアーに琵琶湖大鯰がヒットしたのが事の始まりやった。それは65cmほどの小物やったけど、初めてナマで見る琵琶湖大鯰やった。偶然釣れたとは言えものすごい羨ましかったことを覚えてる。 で、その時「オレもぜったい釣ったるぞ」と思た。くさい言い方をすると、「闘争心に火がついた」ちゅうやつやね。 その後、何べんも何べんも琵琶湖大鯰に挑戦した。しかし琵琶湖大鯰はぜんぜん釣れへんかった。どこでどうやったら釣れるんか、教科書も参考書もは何にもなかった。釣れる場所、時期、釣り方‥‥‥いっさいが不明で、闇雲にルアーを投げては途方に暮れる毎日やった。 なにしろ琵琶湖大鯰に関しては、夜行性の魚食魚で梅雨の時期に産卵するという、図鑑で仕入れた乏しい知識以外なんにもわかってへんかった。 安曇川の河口で夜通しルアーを投げ続けたこともあった。特に梅雨どきはチャンスやということで、産卵に接岸してくる琵琶湖大鯰を狙いに石田川、知内川、姉川、愛知川と転戦した。 しかし釣れるのはマナマズばっかりで、琵琶湖大鯰は皆目釣れへんかった。そのうち、やっぱりこれは幻の魚やったんかいな‥‥‥と思うようになった。 ところがあるとき、クラブの横山から「ええポイント見つけたよ」とゆう情報が入った。さっそく二人で出かけてみたら、その場所で私にいきなり91cmの琵琶湖大鯰が釣れた。ものすごいエポックメイキングな出来事やった。琵琶湖大鯰を追いかけはじめて7年目の夏の夜のことやった。 1匹釣ると不思議なもんで、急に自信めいたものが芽生えてくる。突然わかったような気分になってくる。人間て単純やねほんまに。 で、この1匹目というのが実は魚釣りではものすごい大事なことで、苦労して釣り上げたあとはウソみたいに簡単に釣れるようになる。いわゆる「マスター」ちゅうやつやね。子供の頃のフナ釣りがそうやった。チヌしかり、バスしかり、スズキしかり。 かの開高健師が『一匹釣るのも十匹釣るも大差はないが、一匹とゼロでは大違いである』と言っておられる。まさに。 これを機に琵琶湖大鯰は劇的に釣れだす。今まで幻の魚と思てたのが、釣れる場所や釣り方がわかると、幻の魚どころかごく簡単に釣れる魚になってた。もちろん簡単に釣れると言うてもバスみたいにガンガン数が釣れるわけやない。しかしボーズで帰ることは滅多にないようになった。 その頃、こんな気色悪い魚釣る人なんかまずほとんどおらんかった。友達に『メーター級のナマズ釣りに行かへんか』と誘うても、誰もついて来るもんはおらんかった。私の闘争心に火をつけてくれた松下でさえ、その後何年も鯰釣りには行ってない。 そんなわけで、いつも釣り場は貸し切り状態やった。こういう状況はその後4年ほど続いた。その間に200匹ほどのビワコオオナマズを釣った。おかげで琵琶湖大鯰を釣るテクニックを磨くことができたし、そのワイルドな引き味を十分堪能することができた。 しかしここ数年、琵琶湖大鯰を狙う釣り人が急激に増えはじめた。もう目に見えて多くなった。理由は、釣り雑誌に紹介されたこともあるけれど、やっぱりテレビの釣り番組の影響やろか。あの放送見た人はきっとびっくりしたと思うよ。都会に近いこんな川でマンサイズの巨大ナマズが釣れるんやからね。 今まで「気色悪いなあ」と思てた人でも、あのファイトと魚体を映像で見たら、いっぺんは釣ってみたいと思うはずやね。テレビは釣りっぱなしで何のフォローもないから気楽でええけれど、その後に起こる現実は厳しいもんがあるからねえ西山さん。いやはや、テレビの力は良くも悪くも大きい。 以来、日毎に釣り人が増えて、ゴミが増えて‥‥‥それに反比例するように琵琶湖大鯰は釣れんようになった。いつでもどこでもおんなじで、もう見飽きたお決まりの悪循環がここでも繰り返されるようになった。マスメディアだけのせいやない、細々とやってるこのホームページですら、悪循環の手助けをしてへんとは言い切れんしね。 そんなわけでだんだん足が遠のきだした。嫌気が差したとも言えるし、飽きてきたとも言える。年間数十回の釣行が、数回になった‥‥‥。しかしまだ、あの強烈なファイトを味わいたいという気持ちもある。正直なところ心は揺れてる。 最近思うことは、できるだけ多くの釣り人に琵琶湖大鯰のあの素晴らしさを知ってもらいたいということ。それにはどうしたらええんやろ? 私の琵琶湖大鯰釣りに共鳴して一緒に遊んでくれた奇特な仲間を紹介しておく。 Masayuki "Markey" Yokoyama Tsunetaka "Doctor" Yamamoto Makoto "Domingo" Kawakami Hisashi "Be-yan" Horibe Fukui "Zonbi" Masato Kinoshita "Ohzumou" Takatomo Toshiaki "Pressman" Takasago Hiroyoshi "Dekkan" Yamashita McKenzi "Mac" Matsushita Katsuhiro "Children" Nakano Katsuyoshi "Kushikatsu" Fukui Kachihiro "Kachinkochin" Mizuhashi Katsumi "ACB" Ashibe Takanobu "Gakki" Masago junji "Poke" Noda Naritoshi "Seinen" Oka Nobuhiko "Nobby" Nakagawa Katsumi "Saru" Morita Tetsuya "Kotetsu" Tsutsumi Sousaku "Mankichi" Kubota Ryuichi "Gillman" Sonoda Tetsuo "Hoochie" Hayama 2002.5.31 Ohkini verrry much ! Ikasas "Biwako-Ohnamazu" Ikuy back |