Angling Net / The Grotesque Night

ビワコオオナマズをトップで釣る
Topwater Biwanamazing

hym "Hoochie Coochie"に出た琵琶湖大鯰

ナマズをトップで釣るのは今や「ジョーシキ」だが、これがビワコオオナマズとなると、なかなか一筋縄ではいかない。
なにしろ一匹釣れるかどうかという釣りだけに、そうそうチャンスは回ってこないないからだ。したがって、釣りたいという気持ちの方が勝ってしまい、ついつい釣れる可能性の高いルアーを結んでしまうのである。いささか男らしくない気がしないでもない。

私も何度か挑戦してきたが、フローティングミノーを浮かべている時にズボッと吸い込まれたとか、1/2オンスクラスのポッパーに凹ッと出たとか‥‥‥おおよそトップウォータープラッギングとは呼べない、とても男らしいとは言いがたい状況でしかなかった。

今から十年ほど前、S川の釣りを同時期に始めた旧友ヨコヤマが、フーチーで釣ったと聞いたとき、ある種の羨望と言葉に表しがたい焦燥感が私の胸に去来した。

「シテヤラレタ‥‥‥」

この日、ヨコヤマは釣り始めてすぐに1匹目をミノープラグで釣った。早い時間帯に1匹目が釣れると、いわゆる満腹感を覚えてしまって集中力が鈍る釣りである。
当然、ヨコヤマにも気持ちに余裕があったのだろう。しかし、ここでフルサイズのペンシルを投げようと思った勇気には感服する。素直に賞賛する。私なら2匹目もミノープラグだったのではないか‥‥‥と。

オレンジフィールドのフーチークーチーといえば、泣く子も黙る滅多に釣れないオンスオーバーペンシルである。
こういう男らしくて骨っぽくて愛すべきプラグで琵琶湖大鯰を釣ることが出来たらどれほど気分がいいだろう‥‥‥。

たぶん向こう一年は甘い酒が飲めるに違いない。


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