Angling Net / The Grotesque Night ■ ブンボラペッという大きな湖でプラカスープを釣ること タイには獰猛なコイがいる その名をプラカスープという 正式にはプラー・クラスープらしい しかしこれも例によってタイ人は 「パーカスープ」 と呼ぶ ニッポンのコイなら 水面にあるルアーはお上品に食う たとえば超スローモーションで 「モッコ」 と出るとか あるいは口だけを水面に出して 「チョボッ」 と吸い込むとかだ ところが タイのコイはとてもそんな生やさしいものではない 全力でリトリーブするプラシャドー用のペラ付きルアーに 轟音を立てて 高々と水柱を上げて 「バシッ」と食らいつく 「ズバッ」と捕らえる そして猛烈なスピードとパワーで一気に竿を伸す それはプラシャドーにも決してヒケを取らない迫力だ とてもコイとは思えない しかも美しい朱色のヒレを持っている 強くて美しい見事な魚である ボクはプラシャドーを狙いつつ いつもこいつの存在が気になっている 突然現れるプラカスープにドキドキしている そしてラッキーなことに あこがれのブンボラペッで 釣り味十分の1.2kg(45cm)級が釣れた 言うことなしである アベレージは尺(500g)前後だが これでもかなり強烈なファイトをする プラカスープのバイトサウンドは プラシャドーやプラチョンのそれより高音が混じる フィッシングガイドのシゲちゃんは 目をつぶっていても何が出たかがほぼ100%分かるようだ ガイドとしては当然のことかもしれないが 修得するにはかなりの経験がいるに違いない 滞在後半になると ボクにもその違いが少し分かるようになってきた いや‥‥‥そんな気がするだけだ back |