Angling Net / The Grotesque Night![]() ![]() ■ 青いピン川で突然ボートのエンジンが壊れること 赤いナン川(右)と 青いピン川(左)は ナコンサワンの中心部で合流する 赤と青が混じり合いつつ チャオピャヤ川となって延々と流れ続ける 川はやがてバンコク市内を突き抜けタイ湾へ注ぐ その 青いピン川の上流のポイントで 突然サンダルオヤジのボートが止まった エンジンの故障だ 燃料パイプが詰まったのか 冷却水の吸入口に何かが詰まったのか エンジンはまったく吹きあがらなくなった まだ午後の釣りが始まったばかりだ サンダルオヤジは 仕方がないのでパドリングでやるという しかし この先何キロもパドルを漕ぎ続けるというのか ボクは釣りができることよりも サンダルオヤジの体力が心配になる ![]() 黙々とパドルを漕ぎ続けるサンダルオヤジの分厚い背中 ゆっくりとしたスピードで釣り下る ポイント移動もトロトロだ たしかに もっと広範囲に攻めるという予定は狂ったが ボクは これも「タイの釣り」のひとつと受け止めていた それに 今日の釣りは午前中ですでに完結していた 念願のプラビヤウを釣ったのだ その紛れもない事実が ボクに大きな悦びとゆとり与えてくれていた あとはゆっくりと この美しい風景の中で時間の過ぎるのを楽しむだけだ ![]() ピン川の渡し(バイクフェリー) それでも サンダルオヤジは必死に漕いでいた イープンから来たヘタクソな釣り人に なんとか魚を釣らせてやろうという意気込みだ そんなにがんばってくれなくてもいいのに マペンライ マペンライ ボクは十分満足しているのだよ と 突然アタリが来た プラビヤウだ ボート際でロッドチップを絞り込んだ しかしそれは一瞬の出来事だった 次の瞬間 竿は元の真っ直ぐな棒に戻った バラしたボクよりも サンダルオヤジの方が悔しがっているのが面白かった ![]() 戦時中日本人が架けたという橋 その後 アタリはまったくなかった 今朝 プラビヤウが釣れたポイントまで漕ぎ下ったが アタリはなかった 日が大きく西の傾き 一日が終わろうとしていた 素敵な一日だった 日本ではとても経験できない一日だ たしかに 充実はしていたが 引き締まっていたわけでもないし 緊迫感もなにもない一日だった あえて言葉にすれば "How a wonderful day !" ![]() |