Angling Net / The Grotesque Night

岩床鯰

イワトコナマズ(61cm) 釣り人:イカザスイクイ

日本にはナマズ、ビワコオオナマズのほかにイワトコナマズという琵琶湖・余呉湖の固有種のナマズが棲息している。いったいどんなナマズなんやろ?

昭和36年に友田淑郎氏が新種として発表するまでは一般には知られていなかったが、地元の漁師の間では古くから知られていたらしい。江戸時代の彦根の学者藤居重啓(ふじいじゅうけい)が書いた「湖中産物図正證」という本でも「緋ナマズ」として紹介されている。

■特徴
他のナマズとの判別法は次の二点
(1) 体色:褐色の地肌に黄褐色のモザイク(まだら)模様がある
(2) 眼球:体の真横に飛び出している


左は普通のナマズ、右がイワトコナマズ

つまり、ふつうのナマズは体をひっくり返して腹側から見ると眼球は見えへんけど、イワトコナマズでははっきりと見える。もし黄色っぽいまだら模様のナマズが釣れたら、ひっくり返して腹側から眼球が見えるかどうか確認してみよう。

さて、イワトコナマズを専門に釣るとなるとこれは至難の技。絶対数が少ないし、生息場所も限られるからね。むしろビワコオオナマズの方が釣りやすい。ナマズの年間水揚げ量日本一を自負する私も過去に3匹しか釣ったことがない。

釣り方はビワコオオナマズと同じ。というよりビワコオオナマズを狙うてたらイワトコナマズが釣れてくるというのが適切。ルアーは小魚をイメージできるものならなんでもオッケイ。サイズは60cm前後に成長すると図鑑に書いてあることから、概ね70cmぐらいにはなると推測する。

やや赤っぽいイワトコナマズ
釣り人:エンドレス森下


聞くところによるとこのイワトコナマズ、日本の3種類のナマズ中で最も美味しいらしい。私はまだ食べたことがない。今度釣れたらどれぐらい美味いのか、いっぺん食べてみたい気もするけど‥‥‥いやいや、稀少な魚だけにやっぱりリリースやな。


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