Angling Net / The Grotesque Night![]() main subject (1/3) ![]() 2004年9月 それから半年後 ボクは再び函館空港に降り立った 初心者マークがまぶしい真っ黒なクルマが出迎えていた カジカガイドのヨシダコウキだ ガイドをしてもらうのは実は本意ではない お膳立てが整いすぎると意気消沈するタイプなのだ 他人の力を借りず自力で釣りたい‥‥‥ しかしコウキならいいか あいつなら ボクの気持ちを分かってくれているにちがいない 手取り足取りなどということは決してないはずだ 向かったのはM漁港 コウキが初めてカジカを釣った場所だ 夕刻‥‥‥ それは釣り始めてすぐのことだった コウキがいきなりカジカを釣りあげた やや小振りだが それはまさしくカジカだった ![]() 衝撃が脳天を突き抜けた やられた‥‥‥ さらに‥‥‥ 日が落ちて辺りが闇に包まれ始めたころ またしてもコウキがグッドコンディションのカジカを釣った ![]() 申し訳なさげに喜びをかみしめるヨシダコウキ 焦ってはイケナイ ゲームは始まったばかりだ しかし‥‥‥焦る ジグヘッドリグは根に取られてばかりだ 焦る 焦る ようやくアタリが来たと思ったら ![]() こんなのだったり ![]() こんなのだったり‥‥‥ ソイ釣りなら文句なしのサイズだ しかし ボクはソイなんか釣りに来たんじゃないぞ! 知らずのうちに魚を睨みつけているではないか! 釣り初めて3時間 さらにコウキはカジカを連発する すでに4匹目を釣っている コウキ自身も 「一度にこんなに釣ったのは初めてです」 と言う それにしても‥‥‥ ボクの竿はいっこうに曲がらないではないか 焦る 焦る 北大釣りサークルのポールさんが札幌から駆けつけた ついでにコウキの後輩横山くんも来てくれた みんなとってもいいやつだ 挨拶もそこそこにボクは釣りに専念する それにしても根が荒い ジグヘッドでは釣りにならない 痺れを切らしたように ボクはコウキからワームとシンカーをもらった 不本意ながらテキサスリグに変更した 些かきまりが悪いがこれで釣れるはずだ まちがいない ところが‥‥‥ ![]() いきなり良型のカジカを釣るポール氏 「すみません釣れちゃいました〜」 「おいおい、ちょっとまってくれよ」 焦る 焦る焦る 焦る焦る焦る これはドツボではないか! これで横山くんが釣ったら ドツボにはまってとっぴんしゃんではないか! そして 釣り始めて5時間が過ぎた‥‥‥ ![]() |