Angling Net / Story of Great Topwater Plugs

Heddon "210 Surface"
奇妙な金属製エリマキ

プラノ5630に収まりにくい「エリマキトカゲくん」

「奇妙なルアー」
というのが最初にこのプラグを釣具屋で見たときの印象。誰がこんなん買うねん? いつ行っても埃をかぶって売れ残ってた。
しかしこの金属製のエリマキはいったい何なんやろ‥‥‥ディープダイバーか? それにしては角度がおかしい。これでは潜られへん。だいいちこんな不っ細工なもん付いてたらプラノ5630のコンパートメントに収らへんがな。

サーフェースということは水面で使うルアーか‥‥‥と、とりあえず1個だけ買う。買うてはみたが、こういうカタチのルアーは好きやない。パッケージに入ったままプラノの底で数カ月が過ぎる。どんな動きをするかぐらいは確かめとかんと‥‥‥と、西の湖でパッケージを破る。

クビはほとんど振らへん。無理に動かすと跳ね上がる。ポップサウンドはもちろん出ない。ただ浮いてるだけのプラスチックの固まりにすぎひん。で、浮かべてたら突然「どかん」と出た。結構ええバスが‥‥‥。

西の湖で「どかん」と出たバス(44.0cm )

わざわざダブルフックにしてあるところを見ると、ウィードレスということか? ヒシのポケットに投げてみるが‥‥‥が、それほど効果はない。どうもこれはヘドンの失敗作ではないかと疑る。それも当初はダイビングルアー(実際にこの襟巻を逆にしたようなクラブウィグラーというダイビングプラグがある)を作っていて、偶然エリマキの角度を逆にしたらサーフェースルアーができあがったと‥‥‥。ま、どうでもええか、釣れるんなら。

それから十年ほど経ってから聞いた話では、テーブルターンをさせるらしい‥‥‥で、やってみたけどどうもうまくない。当時いっしょにバス釣りをやってたメンバーは、みんなエリマキを外して使てたらしい。で、外したエリマキはどうしたかと聞くと、捨てたと言う。やはり失敗作と思わざるを得ない。こんなものを珍重して蒐集している御仁がいるらしい。信じがたい。