Angling Net / Story of Great Topwater Plugs

Heddon Dying Flutter
こいつがだんだん大きく見える今日此頃

上/現役を引退したAmbassadeur 5001-C
下/まだまだ現役の Wood Dying Flutter


青野ダムの駐車場で親しくなった青年、いまどき珍しく礼儀正しい。『横に停めさせてもろてもいいですか?』って、わざわざ了解を得ることもないのに、しかし悪い気はせえへんよ。
『どっからきたん?』『神戸です』『近所やん』
話聞いてたら『夏場はほとんどトップで釣ってます』と言う。思わずこっちも身を乗りす。しかし途中で話がかみ合わんようになる。『ノーシンカーがどうのこうの‥‥‥水面でどうのこうの‥‥‥』

近所のバッスンボーイ達も『トップ大好き』と言う。そのくせ彼らがトップウォータープラグ投げてるとこを見たことがない。だいいち、タックルボックスにはワームしか入ってへんやないか‥‥‥。

モンダイはトップとは何かということ。
たしかにトップは水面のことなんやけどね。それだけじゃあオジサン達は「トップ」とは言わんのよ。ややこしいからこれからは「トップウォータープラッギング」とフルネームで言うことにしよう。

しかし考えてみたら不憫なことやね。昔は半日トップウォータープラッギングやったら2〜30匹は楽勝やった青野ダムで、今、彼らは1匹を釣るために必死になってロッドを振り回してるんやから。昔と違うて競争相手は格段に多いんやから。バスと戦う前に人と戦わんなん。プレッシャーがかかりまくった池でスレきったバスを1匹‥‥‥手段なんか選んでる余裕はないやろ。道具も進化したし、技術も向上してる。そんな中で、こんなごっついトップウォータープラグ投げてバスを釣れとは‥‥‥言えんよなあ実際。

それでも彼らはなんとか1匹を手にしよる。あらゆるテクニックを使うて。うまくいけば2匹、3匹釣りよる。

少年達が目を輝かせて言いあってる。『木の枝にな、ワーム引っかけたら下からでかいバスがドッカーンや』『へーっ、釣れたん』『切れたわ』『ははははは』

不憫や‥‥‥。ほんまに不憫や。もっと自由に釣りができる場所があって、もっとぎょうさん魚がおったら、この子らももっと面白い釣りができるのになあ‥‥‥。

しかしこの子らの目には、ダイイングフラッターぶら下げてまる一日ノーバイトのオッサンの方が不憫に映ってるんやろなあ‥‥‥。