Angling Net / Story of Great Topwater Plugs
腰を振らないフラダンサー
Fred Arbogast "Hula Popper"
フラポッパー‥‥‥
ジッターバグと並ぶアーボガストの顔。かわいい目とずんぐりしたスタイル。
実はアーボガストには別に「フラダンサー」というそのまんまのネーミングのルアーもある。しかしトップウォータープラッガーにはフラポッパーの方が断然馴染深い。オールドアングラーなら誰もが一度はは手にしたことあるはずの愛嬌者。
このプラグ、これは「フロッグである」という意見と、いや「小鳥ですよ」という意見がある。小鳥ねぇ‥‥‥蛙なら何となくわかるけど。小鳥派に言わせると浅場で小鳥が水浴びをしてる姿であるらしい。そう言われれ‥‥‥。
変わったとこでは亀、さらにはツチノコという意見もある。しかしアメリカにツチノコはおらんやろ。
何に見えるかはさておき、このプラグ、果たして実用的かどうか?
実はそこがモンダイ。使う場所にもよるけれど、やっぱり「非実用的」と言うしかない。理由はテールに施されてるラバー製のスカート(腰簑)。これがあるためにアクションが死んでしまう。トレードマークのコシミノのせいで腰を振らなくなった‥‥‥何という皮肉。アイデアは素晴らしいのに残念無念。
そこで「コシミノ」を外してみる‥‥‥と、なかなか軽快でいい動きになる。最初から面倒なコシミノなんか付けなければよいのにと思うが、そうはいかない。コシミノを外したフラポッパーはフラポッパーでなくなるからね。
じゃ、このアイデア倒れのファンキープラグは使わないのかいうと「使う」‥‥‥矛盾しているが、チャガースプーク、チャグバグ、ポップアールなどなど、数ある名作を押しのけてでもこいつを使いたい理由がある。
バス釣りはアメリカからきた遊びであるから、どこかでアメリカを感じたいという気持ちがある。これはアメリカかぶれでもなんでもなく文化の尊重と言いたい。
アメリカがハワイを併合した経緯はどうあれ、ハワイの文化がアメリカに及ぼした影響は実に大きかった。音楽の世界は言うに及ばず、釣りの世界でも大きな影響を受けている。
フラポッパーを投げるとき、アメリカ人は憧れのハワイを思い浮かべて恍惚となる‥‥‥のだろう。素朴で単純でアホ丸だしのアメリカ人が、ない知恵しぼって考えたカタチやネーミング。これはこれで丸ごと楽しんでしまおうと思うのである。
上 50mm,12g 下40mm,6g
ラバー製のコシミノは暦年の使用に耐えられない。いずれ朽ちて溶け始める。で、その前にフラッシャブーで作り直しておく。
作り方は簡単。ラバースカートを外して、フライタイイングの要領でフラッシャーブー(光る科学素材)を巻き付ける。スレッドをヘッドセメントで固着する‥‥‥それだけ。
こうすると、よりコシミノらしく見えるだけでなくラバーのときより動きが軽快になる。理由は素材の張りが水の抵抗を少なくするからで、上手にフラダンスを踊ってくれるようになる。是非お試しを。
つまり、フラポッパーというのはそういうプラグである、ということを言いたかったわけで、説明がヘタ過ぎてはたして解ってもらえたかどうか‥‥‥。
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