Angling Net / Story of Great Topwater Plugs
ザラファミリーの長兄
Heddon Zara Spook
![](jpg/b-1stzara.jpg)
Heddon "Zara Spook No.9250"
Yellow Shore, 110mm, 5/8oz
先日、松江の友人(今は東京都在住)、プレスマン高砂から古いヘドンを一本もろた。ザラスプークの第一世代、いわゆる「ファーストザラ」と呼ばれるペンシルベイト。
ヘドンのペンシルベイトの元祖は、1921年に登場した"Zara Gossa Minnow" やけど、その18年後の1939年にヘドン社はザラゴッサに代わるプラスチック製のプラグを発売した。それが"Zara Spook" であり、写真のザラスプークがその第1号製品ということらしい。
ザラゴッサにピンチヒッターが送られた形やけど、決してザラゴッサが売れへんかったわけやない。なにしろ木製プラグでは生産が追いつかへんかった。当時のヘドン社はプラスチック成型技術が向上して量産体制に入ってた頃で、ザラスプークは満を持して登場したというわけ。
以来、ザラスプークはヘドン社の金看板として、世界中のトップウォータープラッッガーに愛され続けた。つまり、発売以来60年過ぎた今もなおベストセラーであり続けてる‥‥‥それだけでもこのプラグがいかに非凡であるかがわかる。まさに驚異と言うしかない。
トップウォータープラッガーのみならず、すべての釣り人が一度はこのプラグを投げてると思うよ。
で、この第一世代のザラスプーク、現行のザラと比べると違いは一目瞭然。‥‥‥タイイングアイの位置が先端にある。なかなかスマートでカッコええ。
ところがこのタイイングアイがどういう理由で今の位置に変更されたのか‥‥‥きっと思い通りに動かへんかったんやと推察する。見てくれは悪いけど、顎の下に取り付けてみるとこれが素晴らしく動いた‥‥‥と、これはあくまでも私の推測やけど。(事実はまったく別のところにあるかも‥‥‥)
そこで実際に水に浮かべてみる‥‥‥旧ザラは現行ザラに比べて、やや深い角度で立つ。どれぐらい深い角度かというと、ほんのわずか(テールを5〜6ミリ下げる)。けど、これによってタイイングアイと水面の間隔がかなり違うてくる。
現行ザラは、顎の位置にタイイングアイがある上に立ち角度が浅いので水面との間隔は極わずか‥‥‥実際にノギスで計ってみると約5ミリ。これが旧ザラでは12ミリ。この7ミリの差がこのふたつのプラグを似て非なるものにしてる原因なんやね。力点位置が違うとルアーはすっかり別の動きをするから。
今度はキャストしてアクションを見てみる‥‥‥と、旧ザラはドッグウォーカーキングが得意でスライドは下手なことがわかる。逆に現行ザラはドッグウォーキングはまずまずこなし、スケーティングは非常にうまい‥‥‥と、こうなる。
現行ザラがドッグウォーキングを苦手としていることは周知の事実らしいけど、私は今まで不便を感じたことはない。
ヘドン社はその後、それを補うために「ザラ2」という強烈なドッグウォーカーを登場させてることからも、現行ザラのドッグウォ−キングに難あることがうなずける。
と、まあ、細かいことをウダウダ書いたけど、要するにこれは今のザラとは別のプラグやということが言いたかっただけ‥‥‥やね。
![](gif/return.gif)
|