Angling Net / Story of Great Topwater Plugs

暴れん坊将軍が行く
Fred Arbogast Spatter Bug


スパターバグ。「水面をバシャバシャ引っかき回す虫」の意。最近すっかり見かけなくなったけど、昔はだれでも持っていたオールドトップウォータープラグの定番のひとつ。

このプラグ、ボディの前に巨大なペラが装着されている。しかもよく見るとこれが左右不対象になっている。片方のブレードが大きく、片方が小さい。これは音を大きくするためなのか、回転をよくするためなのか、理由はわからないがわざとそういうふうに作られている。

左右不対象のペラが功を奏して、次から次へとバスを誘い出す。スパット(唾を吐く音)という感じではない。「バラバラバラ」と、トーンはやや低めだがヴォリュームが大きいので池中ひびきわたる。
アクションを加えていないときはダラリと頭を下げて、フラッシング効果も考慮されている‥‥‥のかな?

小刻みなチップアクションを加えると首を振りながら水面を暴れ回る。その迫力はダブルスイッシャーの比ではない。かなりエラそうである。まるで暴れん坊将軍。

直線的に引くと、ペラの先端からテールのラバースカートの先までの長さが19cmになる。見た目以上に長い。尺バスが襲いかかるにはシルエットが長すぎるはずだが、何故か30cmクラスのバスもよく出る。これまた理由はよくわからないが、この低くうなるような音に小バスを怒らせる何かがあるのかもしれない。

実はこのプラグ、つい最近四国のショップで買って20年ぶりに使っている。ヘドンに比べるとさらに雑な造りだが、丈夫で長持ち(ラバースカートの寿命は短いが)。それに安くてよく釣れる。文句なしのトップウォータープラグである。