Angling Net / Story of Great Topwater Plugs
Golden Eye "Blabber Mouth"
Blabber Mouth 75mm 10.2g
別にナニがどうということはないけれど
■ブラバーマウス
まだバス釣り初心者の頃、ブラバーマウスはお手頃なプラグだった。もちろん値段もお手頃だが、野池で30cmぐらいのバスを釣るのに、サイズといい音といいピッタリシだった。
つまり、お手頃スイシャーということではヘドンのベビートーピードゥと双璧である。いずれも浮き角度は45度ぐらい。スィッシュ音がブラバーマウスの方がやや硬いのと、サイズもブラバーマウスの方がやや細いぶん長い、という程度の違い。小バスを釣ることに関して言えばまったくイーブンなプラグだと言える。
しかし、どちらかと言うと私はブラバーマウスの方が好きである。理由はデザイン。鼻先から下顎にかけての見事なライン、そしてテールへ流れる紡錘形はウットリするほど美しい。そしてゴールドに縁取られたくっきりした目。ホログラムを埋め込んだ重厚なボディ。非の打ち所がない。ヘドンの粗雑な造りとは比べものにならない。
ところが当時私が最も多用したのはベビートーピードゥの方。なぜかと言うと、ブラバーマウスを扱う店が少なかったから。たまに見つけても気に入った色がなかったり‥‥‥。その点トーピードゥはどこのショップでもいつでも好きな色を好きなだけ買えた。そうこうしているうちに、ブラバーマウスは市場から消えていった。
久しぶりに投げてみたいなと思ったときには、ブラバーマウスはすでタックルボックスの中にも、釣具屋の店先にもなかったというわけ。
数年前、アメリカのある中古ルアーオークションサイトの管理人に「ブラバーマウスを探している日本人だが在庫はないか」とメールを送ったが、「ない」という返事。付け加えて「価値がない」とのこと。コレクターズアイテムとしては「取るに足らない」ということなのだろう。
ところが最近、活況を呈している日本のオークションサイトをのぞいていると、意外にも新古品が2つも出品されていた。しかも、入札してみると競合する相手もなく、思いのほか安く買うことが出来た。十数年ぶりに見るブラバーマウスは、「こんなに小さかったかな」と思わせられるほど小振りで、華奢なルアーだった。
ところで、ゴールデンアイというブランド名、目の縁取りの金色(山吹色)に由来すると思っていたが、落札したうちの一つは下の写真のようなプリズムシートが貼られていた。目の黒目の凸部が削られてシールが貼られている。しかもフックがワンサイズ大きい。たしかに金色だが‥‥‥オリジナルなのだろうか?
昔を思い出しながら、次の休日にはこいつをぶら下げて、近所の小さな池で小さなバスと戯れてみたい衝動に駆られている。
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