Angling Net / Topwater Bass Fishing
Fred Arbogast
MUSKY JITTERBUG
いまマスキージッターバグが熱い‥‥‥ホンマか?
今年の春、ジャンキー内藤と944をやったときに初めてマスキージッターバグでデカいのを出した(バラしたけど)。この大きさのプラグを使うことがどれほどばかばかしくて面白いかということを再認識した。
ウッドとプラスチックの違い
このプラグ、ちょっと前まではウッド製だった。しかし今はプラスチック製になりさがっている。しかもアルミ製のマウスカップの取り付けに均一性がない 。プラドコの仕業らしい。
左のマスキージッターバグなどは、真正面から見れば右下がりにねじれていることがすぐにわかる。しかもタイイングアイがボデーのセンターからかなりズレている。これではいい音が出るわけない。
そればかりか、このプラグはウッドの時代から引き継いできた悪いところがある。「出ても乗らない」ということ。これはフックの位置に原因がある。
まずフック位置を改良する。ボデー中央の両サイドにあるフックを取り外し、ボデー下部(腹部)に1本取り付ける。これを巷では「タムラチューン」と呼んでいる。かの田村大介氏が普段使用しているチューンである。ただしそれはウッドの場合で、プラスチック製をそのままタムラチューンにすることは出来ない。
そこでプラスチックボデーを取り除き、木製のボデーを作ってリグ等を取り付けようと考えたが、それではあまりにも芸が無さ過ぎる‥‥‥。
のこぎりで縦に切ってみる
改良を施す前に、ボデーの中がどうなっているかを調べておく必要がある。レントゲン写真を撮れば非破壊検査が出来るのだが、その費用を考えたら破壊するほうがはるかに安い。
そこで少々手荒いが、金切り鋸で胴体を縦に真っ二つに切る。(分かりやすいように黒く塗ってあるところが切断部)
開けてみると中は完全な空洞。予想通りウエイトも何もない。プラスチックの厚みはわずか2mm。これでは腹部にヒートンをねじ込んでもまったく効かない。バスがかかった瞬間にフックごとすっぽ抜けるか、ボデーが割れるのは明白である。
ところどころ分厚くなっているところは、ヒートンやサーフェースリグ、マウスカップ等をねじ込むために補強されている部分。ボデー中央の黒い○は両サイドのフック用ヒートンをねじ込むための補強部で左右合体している。少なくともこれぐらいの補強が必要だということがわかる。
何度も失敗を繰り返す
浮力を落とさずヒートン等をねじ込むために、とっておきの方法を考えた。中空部に発泡樹脂を流し込む方法だ。さっそくボデーに小さな穴を開け、そこから補強材を流そうと試みるが、予想以上に流し込みにくい。そのうえボデーが熱で変形を起こしてしまう。
それならばと、ホットグルー、ウッドエポキシ等の接着硬化剤を注入しようとしたが、いずれもうまく流し込めず失敗に終わる。どうもボトルシップを作るようでまどろっこしい。
最終的に、腹部のヒートンをねじ込む部分だけ穴を大きく開け、木製補強材を埋め込む(接着する)方法を考えているうちに、「それならいっそ全体を木で作れ」となり、当初まるで芸がないと馬鹿にした方法でやることに決定。‥‥‥なんのことはない。
桐のボデーを削る
ハードウッドでボデーを削るのは簡単だが、それではやはり芸がない。ここはひとつバルサか桐でやってみることにする。とりあえず今回は桐でやることにした。
ノギスをあてながらディテールを削っていく。難しいのは浮き角度で、プラスチックより軽い材料を使っているのでウエイト調整をする必要がある。腹部に少量ずつ鉛を埋め込みながらオリジナルの角度になるよう調整していく。これで背泳ぎになるおそれもない。
これはどちらかというと専門分野なので何の問題もないが‥‥‥。
あとは塗装してリグを取り付けるだけである。
なお本編はこれで完結ではない。完成した桐製マスキージタバグでデカバスを釣るまで続く。
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