Angling Net / Topwater Bass Fishing 雨ニモ負ケズ‥‥‥ きっと一生 死ぬまでこんなことやってるんやろなあ‥‥‥ ジャンキー内藤とミキスケ中村 "MOB'S" と"Devil's Swish"‥‥‥似て非なるもの 釣り始めてすぐに、鉛色の空から雨がパラパラ降りだした。曇天、湿っぽい空気、トップ屋にとっては絶好のコンディションだ。 ■黄色い竿にモブス、赤い竿にデビス‥‥‥ ふたつを投げ比べつつ、かわりべんたんに岸沿いをタイトに撃ち続けていたら‥‥‥突然、赤い方に「ドッカーン!」と水柱が上がった。 「おおお!すごい出方!」 ペナッペナのソリッドグラスが極限まで曲がる。 「今までにこの竿をここまで曲げたバスはいてへんかったよなあ‥‥‥もしかしてこれ50cmいったか?」 赤い竿を伸すだけ伸して上がってきたのは45cmのグッドコンディション。若い頃に一度釣られた痕跡が鰓蓋に残っているが、元気いっぱいのナイスボディだ。うれしはずかし、今シーズンの最長寸バス。 「この時期にこれが最長寸ではハナシにならんよなあ‥‥‥」 と言いつつも顔は緩んでいる。 デビスのバラバラバラというかん高いスィッシュサウンドに魅了されたオカパラバスの、ズシッと手にくるその重みを堪能する。 モブスとデビス‥‥‥ いずれも前ペラがローリング軸より上にある。これが180度ターンをこなす大きな要因になっている。 違いはスィッシュサウンド。デビス(デビルズスゥィッシュ)の圧倒的に大きな高音に対して、モブスの音はボロボロボロというやや水中にこもる重低音。これはステンレスと真鍮の違いなのか‥‥‥この日はステンレスに分があったようだ。 ■フーチーかモーリーか‥‥‥ エンドレス森下は梅雨以来のフロートチューブバシングだと言う。夏の間、海で重いメタルジグばかりをしゃくっていたので、こういう繊細な釣りは久しぶりとのこと。 「今日は何で釣ったろかなぁ‥‥‥」 と、のんびりこぎ出した。ロッドの先にはフーチークーチーがぶら下がっている。最後に釣ったのがフーチーらしい。しばらくして携帯電話が鳴った。 「釣れたでー、写真撮ってんか」 見に行くと小さいバスをぶら下げていた。 「メジャーないねん。フロータについてるメジャーで計ったら15インチや。15インチは何センチや? 50cmか?」 ‥‥‥どう見ても40cm無い。しかもプラグはエンドレスモーリー1oz。 「フーチー出えへんかってん。やっぱりオリジナルが最高やな。写真もうええか、もっと撮ってもかめへんで」 相変わらずマイペースを崩さないエンドレス森下。この日はこのワンバイトワンフィッシュだけだったようだ。 ■雨はますます激しさを増して‥‥‥ 夕方のベストタイムになったが、雨は一段と激しく降り続く。エンドレス森下に借りた合羽にはフードがない。首を伝って背中がぬれてくる。寒い。やる気と根気が消失しはじめる。 橋の下に避難した。雨宿りをしながらマグナムポッポを黄色い竿に結び換えた3投目。 「バッコーン!」 という大音響がコンクリートの橋脚に響いた。 わずか2時間あまりで今季最長寸記録を塗り替えた。 ベルリンで出した高橋尚子の女子マラソン世界最高記録が、わずか一週間で塗り替えられたのとはレベルが違いすぎるけれど‥‥‥ 9 october 2001 Ikasas Ikuy return to topwater bassin' |