Angling Net / Fishing Reports

晩秋のパラダイスでバスを釣る
「一匹だけでええからええバスを出したい」

秋の終わりにでかいバスが釣れると信じて20年目の‥‥‥秋
独りでパラダイスへやってきた。

「もうそろそろええかな」‥‥‥毎年この時期が来るとなぜかそわそわしてしまう。

やっぱりトップで集中できるんは晩秋に限る。朝の気温が10℃を軽く下回ると釣り人の数もぐんと減って、うまくいけば平日のバスポンドはオールクリア。独り占め。いやもう、きょうびのバス釣り事情を考えたらこれは最高の贅沢ちゃうかな。

この季節、釣れる数はたいしたことない。
ほんまに、ぜんぜん釣れへん言うても過言やないぐらい釣れへん。それでも少しは美味しい部分もある。で、ついつい出かけてしまう。

美味しい部分‥‥‥つまりサイズがひと回り、いやふた回りぐらいええわけ。水温下がると小さいバスから動かんようになるから。で、トップウォーターバス釣りは大きさはモンダイではないと言いつつ、大きいバスだけを選って釣るわけ。
そんなわけで、やっぱりここまで季節を引っ張ってしまう。たしかに寒い。けど、毎年同じことをやってる‥‥‥。飽きひんかって? まあ‥‥‥。

ヘタするとボーズも覚悟、勿論それが当たり前のトップウォーターバス釣りやから誰にも文句は言えんよ。悪いんはぜんぶ自分。読みちがい、勘ちがいてなこともざらにある。ウデの悪さも多分にある。しかし、当たったときの「してやったり!」というあの満足感。それだけが頼りでここまでやってくる。アホやなあ‥‥‥。

この日も、夜明けから釣り始めて3時間。案の定、1ozクラスのプラグには「音」も「沙汰」もない。ハズしたかな‥‥‥?
水温12℃。冷え込みのきつい朝とはいえ、あまりにも静かすぎる。読み違えたかも‥‥‥いや、そんなハズはないハズ。
午前9時、すっかり日が昇って朝日が目に痛い。あ、偏光サングラス忘れてきた。気温も上昇、焦ることはない。どうやら今日は夕方勝負かも。

気分転換に、モブスのラインをカットして、ダイイングフラッターに換えてみる。と、途端に「凹っ」と出た。‥‥‥あかん、あかん。納得いかん。どうも気に入らん。だいいち余所見してたから出るとこ見てない!

その後も1オンス超級のプラグは完全に無視されて、1/2オンス以下にはポツリポツリと出る。いったい何が気に入らんのやろ?

アクションを控えめにしても結果は同じ。活性が低いとゆう事はないはずで、昼には水温も13℃に上昇。これで出えへんのはウデが悪いと言うしか‥‥‥。

またも気分転換に投げたダルトンに‥‥‥凹っ。
あ、もしかして、これは「迷い」いうやつか‥‥‥あかん。釣りに迷いは禁物。気合いを入れ直そう。
しかし、昼をピークに水温は下降し始める。急に風が出てくる。夕まずめのベストタイムが近づくにつれ、さらに風は強くなる。

このままやと夕方勝負どころか、早仕舞いせんとあかんかも‥‥‥。極力風裏を選んで1オンスペンシルを投げ続ける。1オンスオーバーのダブルスィッシャーをヤケクソで投げまくる。

風裏を選んでじっくりプラグに演技させたけど‥‥‥

風はますます強くなる。この日、近畿地方は「木枯らし1号」が吹き荒れた。

ラスト1時間。モブスをピックアップしたときに、ボート際で「ガッボン!」と出たやつはまちがいなく50cm楽超級。しかし乗らず。いや乗ってたら右手首骨折してたかも。追い食いをと投げたけど出ず。常に単発。

ラスト15分。空気がガラリと変わる。急にひんやりとしてくる。リールのハンドルを回す指が、体温を失って空回りする。と、そのとき、後方で「ガボッ」とゆう音。振り返ると30mほど先に大きな波紋が。この日始めてみるバスのライズ。

狙いを定めてその波紋のど真ん中にヴァンガードを落とす‥‥‥絶対に出ると確信する。これで出んかったらもう止めようと。何を止めるかって、漠然と「止めよう」と思たわけで‥‥‥。で、首を左右に1回づつ振ったところで‥‥‥「ドカン」

Vanguard にどかんと出た小さいけど元気のええバス。

「よっしゃ」
これで納得。
「こうゆうバスが釣りたかったんや!」

ははは、釣れたバスは、この日ミニマムの34cm。それでもこれで納得。

これで年が越せる。これで来年もトップウォータープラッギングができるわ。ん?‥‥‥ちょっと大袈裟か?


Return to Topwater Bassin'