Angling Net / Topwater Bass Fishing

Topwater Plug Builders Tournament

本日のイカザスのお弁当箱(緑の野菜が少ない)

ハンドメイドプラグ歴20年。しかしいまだに納得のいくプラグができない。これはいったいどういうことなのか‥‥‥と、ない知恵しぼってよーく考えてみよう。

先日、徳島県の一級ポイント「944」でハンドメイドプラグビルダーが集まってトーナメントを開催した。
トーナメントといってもたわいのないもので、勝ち負けにこだわることは一切ない。市販品や友人作のプラグに頼らず、たまには自分で作ったプラグオンリーの釣りをしてみるのもいろんな反省になっていいかな‥‥‥というのが趣旨であり狙いである。

参加者は
Builder Brand Main Plug Category
内藤賢二 Top Watre Junky Bubble Muzzle Popper
上原徹也 Ray Tune Hokkogener Noizy
羽山哲雄 OrangeFields Hoochie Koochie Pencil Bait
森田勝己 Shallow Trick American Dog Pencil Bait
戸口和也 まんまベイト まんまベイト Manma Bait
イカザス Muddy Waters Banana-2001 Turn Bait

プロ、アマ交えて全部で6人。勿論これは「選ばれた人」ではない。ただ単に私の親しい友人が一堂に会したというだけのこと。

まだ明けやったばかりの944の川面を、朝もやをついて3艇のアルミボートがスタートした。気温19℃、水温20℃、快晴、北寄りの風がやや強い。コンディションはまずまず‥‥‥とは言うものの、最近とみにスレている944のバスは一筋縄ではいかない。一匹長寸。優勝ラインは40cm台の後半か‥‥‥。

別に秘策があったわけではないが、今回は新作プラグを2種類引っさげて944に挑んだ。
いきなりそのひとつ「バナナ2001」に出た。コンクリの護岸が直角のコーナーになっている、いわゆる着き場。ジャンキー内藤なら必ず一投するハードストラクチャー。出方はいまいちだが魚体は超美形の42cm。とりあえず納得サイズが出て一安心。文句を言ったらバチがあたるが、今年はどこで釣ってもこのサイズがやたら多い。

このバナナ2001というプラグ。実はいままでのよりサイズが随分小ぶり(7.5cm、5/8oz)になっている。世間一般ではごく普通のサイズだが、このメンバーでは「ショボイ」ルアーと呼ばれてしまう。しかし動き、いわゆるテーブルターンの小気味よさが気に入っている。史上最強のターンベイトを目指しているのだが‥‥‥。

続いてクジ引きで同船になった羽山テツオのフーチークーチーが炸裂する。
こちらはフルサイズの1オンスプラグにでっぷり太った44cmの944バス。
プラグがデカイと出方が違うとばかりの余裕の笑顔。さすがに和歌山の釣師はうまい。脱帽。

早朝は風もほどほどで釣りやすかったが、日が上がると北寄りの風が強まる。十年ぶりの操船に強風が追い討ちをかける。なんとか風裏を探してやろうとするがボートポジションが悪くキャストの精度を欠く。

携帯電話で1号艇のジャンキー内藤に状況を聞くと「バブルマズルで45cm以下5発!」と景気のいい声が返ってくる。最新作「Bubble Muzzle」爆発。戸口カズヤのまんまベイトも好調らしい。
3号艇のレイチューン上原、サル森田組は苦戦を強いられている模様。なにしろこの二人は前日メッキに魂を抜かれている。上流の流れ込みまで上がったが不発とのこと。


「あの二人はボーズじゃ。肩の落ち具合でわかるけん」
(手前:ジャンキー内藤、後方は上原、森田艇)


昼過ぎ、風が止みそうにもないのでストップフィッシングとした。
結局、優勝は地元プロのジャンキー内藤。準優勝はオレンジフィールドの羽山さん。わずか1センチ差で逃げ切って面目を保つ。

スロープへ戻ってくると例によってルアー談議。人のボックスから勝手にプラグを引っ張りだしてきてはこき下ろしたり褒めちぎったり。これがまた釣り以上に楽しい。産みの苦しみを知る者同士の熱いひとときである。




世界唯一本物剥製ルアー「まんまベイト」で944バスを数発いわした戸口カズヤのさわやかな笑顔

日頃は陸っぱりで池原ランカーを専門に狙うまんまベイトの戸口氏も、この日は久しぶりのボート釣りを満喫したようである。

自作プラグオンリーという制約が新しい発見につながらないかという試行。ここでこのプラグがあれば‥‥‥という歯がゆさを感じつつ、いまいちど自分のプラグを見つめ直すという意味でも、我々のような実戦派ビルダーにはいい機会であったかも知れない。