Angling Net / Topwater Bass Fishing

■ だからやめられない‥‥‥その1
large mouth with the large mouse
in the 944 on 911


二十代のころ、いっしょにトップウォータープラグを投げていた連中は、いまはもうだれもいない。みんな他の釣りに転向したか、釣りそのものを止めてしまったか‥‥‥。

で、独り残ってトップウォータープラッギングを続けてきたわけだ。50歳になった年の夏の終わりに50cmのバス。まあ、言ってみれば「永年勤続賞」みたいなものだ。

ホッタヤスシにもらったプラスチック50のラージマウスで
944のラージマウスバスを釣る(なかなかゴロが良い)

なぜこの歳までこの釣りを続けてきたのか。なぜみんなといっしょに止めてしまわなかったのか。何度も自問自答を繰り返したが、出てくる答えはいつもこうだ。「面白いから」‥‥‥面白いから止められない。ニンゲンもサルも、基本は同じだ。

その間、いろんな釣りにも手を染めたし、他の魚も釣ってみた。しかし、気が付くといつもここへ戻ってきている。なぜなんだろう。
もしかすると、トップウォーターバス釣りは、私にとって「家」なのかもしれない‥‥‥ふとそんな気がした。


■ だからやめられない‥‥‥その2
early rising is the virtue of three mon.

未明。ボートスロープでジャンキーナイトーを待っていると、先にレイチューンウエハラの車が到着した。ニッサンのテラノだ。買ったばかりだが、気に入らないので別の車に乗り換えると言う。相変わらずウエハラテツヤに「妥協」の文字はない。

持ってきてくれた新型ブルライダーをさっそく投げてみる。第一目で「ゴッボン」と出た。ボートで一日中駆けずり回ってもなかなか出ないサイズだ。こういうことがあるからトップはやめられない。「てっちゃんおおきに」

Ray Tune "Bull Rider"

新型ブルライダーがどんな動きなのか。確かめる前にバスが飛び出していた。つまり、バスにとってこいつは美味しいプラグだという証明だ。


■ だからやめられない‥‥‥その3
what is done though a member changed
doesn't change at all with the old days.


私のバス釣り仲間はすっかり若返ったが、やっていることは昔と少しも変わっていない。つまり、水面に浮くルアーを投げて、水中のバスを誘い出す。そして、その出方や水柱の上がり方に一喜一憂する。ただそれだけのことだ。

阿波原人ジャンキーナイトー「ヴァンガード」で釣る

私が944で50cmにたどり着けたのは、すべてヴァンガードのお陰だ。もしヴァンガードがこの世に存在しなかったら、私がここに居ることなど絶対にあり得ない。絶対ということは絶対にないけれど‥‥‥絶対にない。
そして、それを作ったジャンキーナイトーと、彼を紹介してくれたセノオ氏には感謝に絶えない。オブリガード!


メンバーは若返って、変わらないのは私だけ‥‥‥あまりいい意味には使わないが、相手変われど主変わらずということか。
なかでも若いのがヨシダコウキ、若干19歳。こいつがなかなかしたたかで、物怖じの「も」の字もなく釣る、釣る。

オカナリトシ作のダーターで944初バス

トップウォーターバス釣りの面白さを、頭の中で理解するのは難しい。しかし、体で覚えてしまうとこれほど簡単な釣りはない。

ワタナベナオキ作カブトムシでグッドサイズ

日没後。最後にヨシダコウキの投げたヴァンガードを襲ったのは、80cmを超えるスズキだった。‥‥‥いやお見事!

TWJ "Vanguard"に出たスズキ(81.0cm)

破顔一笑‥‥‥嬉しすぎて顔が破れている。釣り人は大きな魚を釣るとみんなこういう顔になる。



この先、何年この釣りを続けられるかはわからない
できることなら永遠にやっていたい
しかし、体力にも気力にも限界というものがあるだろう
それならば、一投ごとに「これが最後のバス釣りだ」という気持ちを込めて
最後の最後まで遊びたいものだ


2002.9.11
Ikasas ikuy