Angling Net / Topwater Bass Fishing
雨降り好っきゃねん
雨がポツリポツリと降り始めると同時に来た944-Bass
わたなべなおきの豪快な一発(Top Water Junky "Tick-Tack")
■阿波のバス釣り人
あえて言うなら屈託のなさが特徴か‥‥‥
阿波のバス釣り人のすべてがそうだとは言わないが、概ねそうである。華やかさと素朴さは相反する要素だが、彼らはその両方を持ち合わせている。ボートの上で、特に何をしゃべるともなく交わす会話の中にも豊穣な大地のような暖かさを感じるのだ。だから、彼らと釣りをするとたとえ一匹も釣れなくても楽しい。
■かっこよすぎる
雨が降り出して‥‥‥慌ててレインウエアの袖に腕を通していると、右舷で激しく水音の立つのが聞こえた。バウを振り返ると、わたなべなおきのロッドが満月になっていた。
チックタックを口に突き立てたまま全身を翻して水中に突っ込もうとするバスと、人生の一大事と言わんばかりの真剣な顔つきでリールのハンドルを巻き続けるなおきとの、気迫溢れる闘争シーンに私は見入ってしまった。いつ見ても、ドキドキワクワクするシーンだ。
ザバッ‥‥‥観念して水面に顔を出したバスを鷲掴みにランディングした。おお、かっこよすぎる。バスを掴んでも、まだなおきの表情は硬かった。「笑えよ」と言われて、はじめて笑顔が戻った。
これを機に、雨は本格化していった。
■自信に裏打ちされた結果
一日やって一発出るか出ないか‥‥‥トップウォータープラッギングとはそれぐらいの確率の釣りである。
だから今日みたいな雨模様は格別である。日頃は期待できないチャンスが回ってくるのだ。こういうときは、ここでこのプラグをこう使えばこう釣れる、というのが実践できる。
雨が降ったらトップ屋が儲かる‥‥‥まさに。
「雨降り好っきゃねん」‥‥‥二十数年前、私の師匠のラドン奥村がある釣り雑誌に書いたタイトルである。以来、この言葉にだまされて、雨が降るたびにバス釣りに出かけてきた。
おかげで私はバス釣りの本当の楽しみ方を知ることが出来た。
別のボートではジャンキー内藤がでかいのを仕留めていた。本降りになった雨の中から、ヴァンガードで引き抜いたらしい。上原さんから送られてきたこの写真からは、雨の釣りの楽しさが伝わってくる。顔はバスで隠れているが、ジャンキー内藤の喜々とした表情が読みとれる。
2001 中秋 Ikasas Ikuy
to topwater bassin'
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