Angling Net / Topwater Bass Fishing

night floater bassing

夜プカのすすめ

Muddy Waters "pixie" で夜バスを釣るヤス堀田

バス釣りを始めて間もないころ、「バスは夜でも釣れるか?」という単純な疑問が生じた。もちろん、早朝や夕方が「釣れる」ことは知っていた。しかし、深夜はどうなのか‥‥‥疑問を解くにはやってみるしかなかった。

1981年初夏。ものはためしと夜通しやってみることにした。結果は、中だるみはあるものの、夜通し釣れることが分かった。しかも、より激しくトップウォータープラグに反応することが分かった。
当時の釣り雑誌などでは「バスは昼間に釣るもの」というのが常識で、日が暮れるとバスは「眠る」という認識だった。まだニッポンにバスが定着して間もないころの話だ。

愛知県瀬戸市の友人、ヤス堀田は夜はアベレージが10cmアップするという。40cm級があたりまえに釣れる池では、夜は50cm級がごく普通に釣れるというのだ。
大きなバスほど経験値が高く、昼間はかなりの確率でルアーを見破るということだ。ラインの存在に敏感になり、危険を察知する能力に長ける。それらの人的プレッシャーも夜は低くなる。したがって、バスは大きくなればなるほど夜行性が強くなるということが言える。さらに、プレッシャーの高い池ほど夜行性が強くなるということも事実である。

釣り人は眠れない。
夜な夜なバス釣りに出かけなければいけない。人が眠りにつくころ。釣り人は全身の神経を研ぎ澄まし、バスと対峙するのである。

世間が寝静まるころに、バスを釣りに出かけるのが正しいバス釣りだとは決して言わない。しかし、そこまでしてもなお、魅かれるものがあるならば止めはしない。むしろ、やってみることを勧める。何故なら、昼間見えなかったものが、夜の闇の中で発見できるかもしれないからだ。

Muddy Waters "banana" で出したヤス堀田の夜バス

メバルやナマズは夜釣るというのが常識である。昼間も釣れるが、夜は圧倒的に釣れる。バスも実はそういう魚だと思う。

もんじゃ岡本は、月明かりを頼りに、スレ切った大きなダム湖でナイトフローティングをやると言う。「夜プカ」というらしい。昼間は黙殺される大きなプラグを、平然と大きなバスが襲うと言う。想像しただけで興奮するシーンではないか。

夜プカには危険がつきまとう。釣り場の状況に精通していることは勿論、決して無理はしないことだ。そして絶対に二人以上の人数でやることだ。暗闇で何かあっても誰も発見してくれない。装備をきちんとすれば、足元の見えない陸っぱりより安全である。

できれば深夜から始めて、夜明けまでやるのが理想だ。明るくなれば撤収も楽だし事故も起こりにくい。夜が明けきったら一般のバサーにバトンタッチ。湖畔で一眠りしてから家に帰ることを勧める。


2002.7.13 i-kasas


 to topwater bassin'