Angling Net / Topwater Bass Fishing

プラスチックの功罪
 耳をもがれたネズミ君

Balsa 50 "Large Mouse Seraph" 82mm, 22.4g

■ラージマウス
ラージマウス‥‥‥でかいネズミ。日頃投げてる1オンスプラグと比べたら、とてもラージとは言い難い。どう見てもタイニーマウスや。しかし、1980年頃はこれでもでかかったのかもしれへん。

■セラフ
元々バルサ製のこのシリーズが、セラフという名前を付されてプラ製の玩具になって久しい。残念なことに、ビッグラッシュやホッツィトッツィなどの名作は、プラスチックに代わると精彩を欠いてしもた。

塗装が脆くてすぐにトップコートが剥がれるバルサファイブオー。そのまま使うと水が染みて、腐って壊れてしまうファイブオー。まるでコワレモノのような、そんなファイブオーが好きやったのかもしれへん。大事に使うても1年でボロボロになる。それでも修理して使い続けた。それだけの魅力がファイブオーにはあった。

■王様の耳はロバの耳
バルサ製ラージマウスの耳は大きかった。風の抵抗を思いっきり受けた。風の強い日に投げると、思わぬ変化球になってボサの中に消えてしもた。
しかも、大きな耳のせいでタックルボックスの収まりが極めて悪い。大きなコンパートメントを独り占めする。いっこも役に立たへんくせにわがまま放題やな。

ボックスの蓋を閉めると、かすかな抵抗感とともに「パキッ」というイヤな音‥‥‥もう一度開けてみると王様の耳はもげていた。瞬間接着剤で修理して使い続けたけど、だんだん使用頻度が落ちる。そのうち「使いもんにならん」のらく印を押されてタックルボックスから消えていった。

■こいつはイケる
先日友人からプラ製のラージマウスをいただいた。パッケージを開けてビックリ、耳が折畳み式になってる!
プラスチックのなせる技とは言え、イメージが180度変わった。折畳みになったぶん耳が少しこじんまりしたけれど、投げてみて驚いた。ペンシルベイトのように真っ直ぐ飛ぶ。しかもバルサ時代にはなかった絶大な飛距離。
やはり耳が小さくなったぶん音も小さくなってる。しかし、このうねるようなボディアクションはどうだ!
うむ‥‥‥こいつはイケる。

(左)プラになって直飛性という武器を身に付けたラージマウス

(右)ホッタヤスシにもらったプラスチック50のラージマウスで
944のラージマウスバスを釣る(後ろのダシヨ君の右手に注目)


2002 晩夏 i-kasas

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