Angling Net / Topwater Bass Fishing
真夏のチューブバッシング
炎天下・灼熱・無風・したたる汗
日が西に傾くのを待ってフロートチューブを浮かべてみる
■ 真夏のチューブバシング
まずセッティングの段階でのぼせてしまう。ダブルアクションポンプとはいえ、広口のボストンバルブとはいえ、腹筋、背筋を駆使してのポンピングはそれだけで大汗の元になるのだ。
「あ!まんちゃん、コンプレッサーか、ずるー!」
「わははぁ〜、これめっちゃ楽っス」
気温33℃。水温29℃‥‥‥。
水に浮いても足元からは何の清涼感も伝わってこない。
「うわ!なにこれ、温泉やん」
むしろ、じんわりと熱気を感じる‥‥‥。
これはもう「いい湯だな」と言うしかない。フローティングベストを着た背中は、すでに汗がナイヤガラの滝だ!
それでも、チューブバサーの悲しい性だろうか、満々と水をたたえた池を見ると、釣れないのはわかっていてもついつい浮いてみたくなる‥‥‥。
「よっしゃ、今日はハチサンでいこか」
「え?なんスかそれ?」
「8ぶんの3オンスやがな」
「わははぁ〜」
せっかく釣りをするのだから、竿を曲げたいというのが人情だ。
見栄もプライドもかなぐり捨てて、マメ粒サイズのプラグを投げる。ジョンアランホッコゲナー、FAジタバグ3/8、フラポッパー3/8、ヘドンベイビーザラ、ベイビートーピドゥ‥‥‥久しぶりのセコセコバシングだが、この際ぜいたくは言ってられない。
chokomaka chokomaka chokomaka ............
ベイビートーピドゥに「凹っ」と出たベイビーバス
小さなプラグに小さなバス‥‥‥うむ、完ぺきだ!
小さくても釣れると楽しい。
小さくても1匹は1匹だ。
釣りは大きさがすべてではない。
釣りは最初の1匹がすべてだ。
1匹釣るのも十匹釣るのも大差はないが、1匹とボーズでは雲泥の差だ。月とスッポンだ。ダイヤモンドと軽石だ。
たとえ小さくても釣れればいいのだ。
小さいプラグで小さいバスを釣りつつ、多少の罪悪感を感じつつ、思いつくかぎりの言い訳を頭の中で明滅させてみる‥‥‥。
日没直後、まんちゃんのピクニックミニに出た尺バス
「まんちゃん、それハチサンちゃうやん、ヨンイチやん!」
「え!そうなんですか‥‥‥がははぁ〜」
■ 3/8オンス
この釣りを始めた二十数年前はメインサイズだった。
それがいつの間にか、ボクの釣りは贅沢になって、エラソーになって、気が付けば、ビッグプラグでなければトップウォータープラッギングではないような‥‥‥いわゆる「大きなプラグで大きなバス」になっていた。
そして3/8オンスは押し入れの隅に追いやられてしまった。
だが、まったく出番がないわけではない。
厳寒の真冬、あるいは、猛暑の真夏‥‥‥
ふと、竿を曲げてみたくなって、片意地はらずに投げるときがあるのだ。
なにも、そんな時期にバスをやらなくてもいいじゃないか‥‥‥とは思う。
止むに止まれぬ事情があるわけじゃなし、なんでこんなコンディションの悪い時にバスを釣るのか‥‥‥とも思う。
しかし‥‥‥
2003 盛夏 i-kasas
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