Angling Net / Fly Fishing Today
Fly Bassing
■ 毛鈎でバスを釣ってみる
本来、バスはプラグで釣るのが最も面白いとされてる。極論を言えばトップウォータープラグで釣るのが最高であると思う。しかし‥‥‥
それならフライで釣るのは邪道か?
ワームで釣るのは最低か?
と、反論もあろう。楽しみ方は千差万別、バスは「フライで釣るのが一番面白い」と仰る方もあるわけで、決めつけるわけにはいかないのである。もちろんワームで釣るのが好きな人にケチを付ける気などさらさらない。
実は私も、フライバシングに没頭していた時期があるし、真冬に水深15mのバスが口を使うか‥‥‥と、湖底へワームを落とし込んだこともある。言い訳ではないが、それはそれで面白かったし、興味深い発見もあった。その時、その時でいちばん面白いと思う釣りをやるのが正しいと思っている。
したがって、「これしかない」みたいな、押しつけがましいことを言うつもりは毛頭ない。つまり、「こんな釣りもおまっせ」ということで聞いてもらえたらありがたい。‥‥‥ということで本題。
■ 冬季のフライバシング
春を待って釣りにでかける余裕派は別として、私らみたいなイラチな釣師はそれができない。当然冬でも出かけることになる。
しかし、ラインも凍りつきそうな寒風のなかでのキャスティングは厳しい。とりわけラインを操る左手の指には相当の負担がかかる。すぐにしびれて感覚がなくなってしまう。
しかし、これはバス釣りに限ったことではない。本栖湖などでトラウトを狙うアングラーは、もっと厳しい条件下でやっているわけで、平地の野池がメインのバスアングラーがコレぐらいの寒さで不平を言ったらバチが当たる。
真冬のフライバシングといえば‥‥‥シンキングラインに伝わる微妙なアタリに耳を傾け、水底を這うストリーマーのわずかな動きを頭の中でイメージしながら‥‥‥というセンシチブな釣りになる。ウエイトをたっぷり仕込んだストリーマーは投げにくいし、釣れたバスのファイトもイマイチ。
いったい何が面白いのかというと、悪条件を制した達成感‥‥‥それぐらいか。結構マニアックな楽しみではあるけれど。
しかし、なんといっても面白いのは春からの釣り。トップウォータープラッギングと同じくバスが水面を意識し始める3月末頃からがこの釣りの本番となる。ポッパーや小動物をイミテイトしたバスバグが登場するといよいよ佳境に入る。
■ 盛期のフライバシング
狙いのサイズはとりあえず40cmにしておこう。勿論それ以上が釣れたら言うことなし。しかし人間欲をかくとろくなことはない。
タックルは6番がお薦め。盛期の40cmなら5〜6番がジャスト。ラインはバスバグテーパーラインを使う。このラインは投げやすい。しかし、飛距離よりコントロール重視の釣りだからダブルテーパーでも十分やれる。チペットは6LB程度でオッケイ。
釣り方の基本はトップウォータープラッギングと同じ。狙ったポイントに確実にフライを落とすこと。そして、フライに与えるアクションは「演技は大きく移動は小さく」、これに尽きる。
あとはフライにドッカーンと出る瞬間を今か今かと待つ。ひたすら待つ。で「ドッカーン」。後はファイト、ファイト。豪快なジャンプ。華麗なテールウォーク。何もかも忘れて心ゆくまで楽しめばよい。
フライでバスを釣ることに眉をひそめるフライアングラーは多いと思う。しかしトラウト一辺倒の世界に反旗を翻してでも、バスに限らずいろんな魚をフライで釣ってやろうと考えている。毛鉤釣り界の自由民権運動‥‥‥かな。
18/Jan/1997
Iksas Ikuy
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