Angling Net / Ikasas Talk to Myself 3 December 2000 Marvelous Rental Boat ‥‥‥ 海外旅行先で急に釣りがしたくなって釣具屋に行くと‥‥‥ 『ヨクツレルミズウミアリマス』 と、怪しげな店員が地図を広げて説明してくれた。 『ここから遠いの?』 『チカイチカイ‥‥‥5フンガ10プンガ20プンデス』 『ようわからんな、言うてること‥‥‥』 『アンナイシマスドーゾドーゾ』 見かけによらず親切そうな店員だったので、言われるままに釣具屋の車に乗り込み、そのよく釣れるという湖へ向かうことにした。 店員の話では、このアルレイクという湖には変わった貸しボート屋があって、ルアーは3個しか持ち込めないという決まりがあるらしい。 それに、客を連れてくればボート屋から一人あたり5ドルのリベートがもらえるらしい。店員はいかにも嬉しそうに正直に話した。 山あいの未舗装路を走り始めてちょうど35分でその湖に着いた。 『なんや、5フンガ10プンガって、たし算やったんか』 『ナンヤ、タシザンヤッタンデス』 湖畔にはログハウスが何棟か建っていて、そのひとつが貸ボート屋だった。中に入ると、巨大魚の剥製が壁といわず天井といわず、所狭しと飾られていた。 『うっわー、こんなごっついのんが釣れるんかいな』 『ツレルデス‥‥‥イッパイイッパイイッパイ』 しばらくすると、奥から白髪頭のオヤジが出てきた。 『ボート貸してほしいんでっか?』 と、突然の大阪弁。 一瞬たじろいだが、聞くと若いころ泉大津に七年ほど住んでいた言う。 『ところでルアー3個ちゅうのはどういう理由やのん?』 『それはでんな、ボートに重量制限がおまんねんわ』 『重量制限って?』 『つまりでんな、4個積んだらボート沈みまんねん』 『そんなアホな』 『いやホンマでっせ』 『重たいのんでも軽いんでも3個?』 『そうでんねん、ルールは守ってもらわんと‥‥‥』 『ようわからんけど‥‥‥ほな3個だけにするわ』 『そうしとくなはれ‥‥‥ほなこれボートのキー』 『ボートのキーって? 手漕ぎちゃうのん?』 『オールぱくられんようにカギかけてまんねん』 『‥‥‥?』 タックルボックスからガサゴソと持っていくルアーを選ぶ‥‥‥ 『まずヴァンガード、こいつは外せんな。あとはマスキージタバグに‥‥‥ダブルスィッシュマグトーか。トップばっかりやな‥‥‥』 ボート桟橋を進むと、アルバイトの少年が手招きをしていた。 少年にキーを手渡すとオールに掛かってた鎖を外してくれた。チップに1ドル紙幣を渡してやった。少年はニコニコしながら 『テンキューミスター、ハバナイスフィッシン』 と言って見送ってくれた。 しばらくオールを操りながら美しい景色を眺めていた。観光地とはいえ景観は抜群だった。平日のせいか釣り人の姿はまばらである。ときどき魚をヒットさせたのだろう嬌声が飛び交う。 湖の中ほどまで漕ぎ進んだところでラインの先にルアーを結んだ。まず黄色のウッドマスキージタバグから‥‥‥。 馬の背で立木が数本見え隠れしている。その立木めがけて第一投。 ‥‥‥と、いきなりバックラッシュしてしまう。 『このコルセアちゅうリールは回りすぎてアカンなあ‥‥‥』 インターネットのオークションで35ドルで落としたやつだ。 『やっぱりリールはカルカッタに限るなあ‥‥‥』 ブツブツ言いながらバックラッシュをほどいていると、突然 『凹っ!』 という大きな音がした。 目を上げると、マスキージタバグが落ちた辺りに大きな波紋が出来ている。 で、マスキージタバグは‥‥‥ない! 次の瞬間、手元に大きな衝撃が来た。 『うわぉーっ!いきなり釣れたがな!』 ロッドを立てる。 ラインが風を切って鳴る。 強烈な引きがロッドを絞り込む。 なんべんも伸されそうになる。 ドラッグを駆使してラインブレークを防ぐ。 しかし‥‥‥ ボートはどんどん立木の方へ引き込まれていく。 『あっ!アカン!立木に巻かれるぅ!』 と‥‥‥魚は動かなくなった。完全に立木に巻かれてしまった。 『しまったしまった島倉千代子‥‥‥』 5分が過ぎた。 10分が過ぎた。 30分が過ぎた。 そして1時間が過ぎた。 魚は動かない‥‥‥。 『こうなったらしょうがない、大事なもらいもんルアーやけど‥‥‥ライン切ろか』 と、ラインを引っ張ったとき、突如として魚は動き出した。 弱っているかと思ったがとんでもない。 グングンボートを引っ張っていく。 まるで水上スキーのように引っ張られていく。 どこまで行くのだろう‥‥‥。 さらに30分が経過した。 さすがに2時間近くも経過している。疲れたのだろう、じょじょに弱り始めたのが分かる。 『よしっ!今がチャンスや!』 半ば強引にリールのハンドルを巻く。魚はボートに近づいてくる。 そしてサーモン用の大型ネットで‥‥‥ザバッ! 『よっしゃ!やった!やった!』 それはとてつもなく大きな魚だった。 魚はボートの底でくたびれ果てておとなしく横たわっていた。 震える手で写真を何枚も撮った。 そして、リリースしようと口にかかっていたマスキージタバグをペンチで外したとき、口の中に小さな金属が見えた。 『ん?スピナーか?』 よく見るとブレットンだった。誰かがブレットンでこの魚をかけてバラシたのだろう。ユニノットで結ばれた12ポンドぐらいのラインが少しだけ残っていた。 『可哀想に‥‥‥よし、これも外してやろう』 巨大魚は疲れてはいたが悠々と湖に戻っていった。その後ろ姿はまさにアルレイクの主たる威厳さえ感じた。 胸のポケットから煙草を一本取りだして火を着けた。 『ふーっ』 日ごろの鬱憤を一気に吐きだしてくれるほど爽快な気分だった。 深い感慨にふけっていると、突然、なんの前触れもなしにボートが沈み始めた。 これはいったい! 湖の主を釣ったタタリなのか‥‥‥!? 『いや、待てよ。ブレットンや! 4つ目のルアーや!』 ボートの底にはマスキージタバグと、その横に銀色のブレットン3グラムが転がっていた。 『あかん!沈む!沈む〜!』 ‥‥‥おしまい みなさんはこんなことがないようにルールはきちんと守って楽しい釣りをしてくださいね。ははは。 5 December 2000 アオリイカ ‥‥‥ 舞鶴の小橋(おばせ)という小さな漁港へ、エンドレス森下、チルドレン中野の3人でアオリイカを釣りに行った。 小橋は半島の奥にあるひなびた港でなかなかええ感じ。昼過ぎ、漁港へ着くと波止には釣り人が3人だけ。まるでシーズンオフのように静まり返っていた。 しかしこの漁港、初めて来たけどゴミの多さに驚く。それもすべて釣り人の出したゴミ。ビールの空き缶、ペットボトル、弁当殻、エギのパッケージ、餌釣り用のイカ仕掛け‥‥‥とても一人や二人では片づけようのないほど、波止の付け根のところに山積みになっている。淡路島でも四国でも、和歌山の漁港でもこれほどのゴミは見たことがない。 秋の釣り日和の休日なんか、波止は鈴なりの釣り人やったんやろなあ‥‥‥。こんな小さな漁村に連日、何十人、何百人もの釣り人が押しかけて、釣り座を奪い合う釣り人で溢れ返ったことは想像に難くない。 そしてその釣り人のほとんどがゴミを放置して帰ったにちがいない。しかも、ゴミはビニール袋に入れられて、しっかり縛られて捨ててある。そこまでまとめたんやったら持って帰れよなあ‥‥‥と、私はいつも思うよ。 もし私がこの集落に住む漁民なら、こういうアホな釣り人とはまっこう闘うけどな。今まで静かに暮らしてきた漁師さんたちは、戦い方を知らんねんやろなあ。わけのわからんヤクザみたいな釣り人もぎょうさんおるし、トラブルに巻き込まれるのはいやなんやろなあ。しかしまあなんですわ、この状況が続くかぎり、遅かれ早かれ釣り禁止になるやろね。 さて、肝心のアオリイカ‥‥‥雨と風でお話にもなりませんでした。 8 December 2000 もみじ ‥‥‥ 京都へ紅葉を見に行ってきた。 朝、錦市場をぶらぶらしてたら、川魚屋の店先に「なまずの蒲焼き」が‥‥‥。つけダレの甘い香りが食欲を誘う。 『買わへんけど写真撮らしてな』 と、店のおっちゃんに断って一枚。しかしほんまに美味しそう‥‥‥。 このナマズ、焼かれて縮んでるけど、まあ45cmぐらいか。これで3000円やから、私が1年間に釣るナマズの水揚げ高はざっと見積もっても10万円は下らんのやないかな‥‥‥。 嵐山 師走とは思えんぽかぽか陽気。コートが邪魔になる。桂川の支流の橋のたもとで魚釣りをする老人に出会う。 『釣れますか?』 『はははー、あきめへんなあ』 『エサはなんです?』 『練り餌どすねや』 見てるとときどき小さなオイカワを釣り上げる。しかしめちゃくちゃ下手くそ。橋の上からのぞくと真っ黒になるほどの魚の群れ。これだけおるのになあ‥‥‥。もし私がここで22番のニンフを流したら、1時間に100匹は釣るけど‥‥‥。 桂川の河原を歩いてると、私より少し先輩と思しき御夫人たちが川を指さして 『アユがぎょうさん泳いでるわ』 と、言いあってる。見ると尺近いウグイの大群。そのうちの一人が私に 『あれ、アユですよね』 と訊くので、どう説明したらいいのか絶句していと、うちのよめが 『ウグイですよ』 と、教えてやっている。そしたら 『じゃ、あの大きなのはサケかしら?』 ときた。桂川はニゴイの魚影が濃い。60cmぐらいのが悠々と泳いでる。 天龍寺 全山紅葉というのも奇麗やけど、ぽつんと一本だけ紅葉してるもみじもあでやかでええな‥‥‥と感じ入る。 ときどき後ろから人力車がいい勢いで追い抜いていく。あれに乗るのはどうも気恥ずかしい。 道すがらひっそりと佇む石仏を発見 日差し明るい小春日和の京都。 久しぶりに竿を持たずに歩いた休日。 たまにはこういうのんもええもんですなあ。 11 December 2000 寒かった ‥‥‥ Ray Tune New Mebarutti & Chibi Mebaru サルさんと鳴門へメバル釣りに行った ジグヘッドフライで70匹ぐらい釣った ワームより釣れるんちゃうかと思た Ray Tune の新作で10匹釣った サルさんが初めてメバルを釣った その後も鬼畜のようにぎょうさん釣っとった レイチューン上原が20cmメバルを釣った サルさんのクーラーが満タンになった 強風波浪注意報が出てた 今冬初めて雪を見た 面白かった 寒かった 13 December 2000 なんでかイカの海 ‥‥‥ 加太深山の頂上から沼島に落ちる夕日を臨む ニグ&サックス忘年会兼シーバス釣り大会 『シーバスか‥‥‥』 と、つぶやきながらささきはラインの先にエギを結ぶのであった スズキを釣るべき大会で不謹慎にもイカを狙う なぜ今イカなのか? 自分でもよくわからないが とにかくイカを釣りたいと思っている しかし‥‥‥ イカならもう何年も前からやっているし 今さらという気もある エギストホソタニや 烏賊師弓削のおっさんに触発されたわけでもない ではシーバスはダメなのか? 釣り味は悪くない ゲーム性もないわけではない なにしろ 沿岸でメーター級が狙える貴重なゲームフィッシュである しかし気合いが入らない なんでか? 思い当ることといえば‥‥‥ スズキは釣りすぎて食傷気味だということである つまり飽きているのだ わざわざ和歌山まで来て狙うには 新鮮さに欠けるのだ ではイカはどうだ? 乗ったときのあの感触はたしかに悪くない しかし釣り味と言えるほどのファイトではない ジェット噴射の締め込みも慣れればなんのことはない だいいちイカは魚じゃない にもかかわらずイカを釣りたいと思っている なんでか? それに今年は異常なエギングブームである 俄烏賊師(エギンガー)が波止に溢れている 入り込む余地もない混雑した波止である にもかかわらずイカは新鮮である なんでか? その理由が今やっとわかった それはこういうことだ 私はまだ 「イヤというほどイカを釣っていない」 これに止めを刺す この答えには自分でもイヤになる 十年以上も前 スズキはあこがれの魚だった ウデも未熟だったし情報も少なかったとはいえ 狙い初めて1匹目を手にするまでに 4年と11ヶ月も要した魚である 初めてスズキを釣ったときには 体中が打ち震えたのを覚えている ところがコツが飲み込めると アホみたいに釣れるようになってしまった 釣り場に通い詰め 潮を読み 風を読み 狙いを定めて釣れるようになってしまった あの頃の私は自信に満ちていた スズキ釣りには絶大な自信があった すると途端にスズキに飽き始める 熱くなれなくなる 「スズキってこんなもんか‥‥‥」 あれほど熱中していたのに‥‥‥ まさに知恵の悲しみである 思い起こせば 私の釣りはこういうことの繰り返しだった フナにはまってフナに飽き コイにはまってコイに飽き チヌにはまってチヌに飽き バスにはまってバスに飽き マスにはまってマスに飽き ビワコオオナマズにはまってビワコオオナマズに飽き スズキにはまってスズキに飽き そのたびごとにターゲットを変え 今は やれメッキだ やれメバルだ やれイカだ と言っているのだ ああ‥‥‥ほとほと自分がイヤになる 人間は飽きる動物だから仕方がないのだが それにしても あまりにも節操のない自分がイヤになる 私の実兄(佐々木司郎)は鳴門のチヌ釣師である 激流渦巻く小鳴門海峡のミオ筋で もう三十年以上も筏のチヌだけを釣っている 他の魚にはわき目も振らず ひたすらチヌを釣り続けている 同じ血を引く兄弟でありながら こんなにも違う 兄に チヌばかり釣って飽きないのかと訊くと 飽きないと言う 哲人である 22 December 2000 クリスマス ‥‥‥ 注)これはルミナリエでは有馬温泉 12/13からいっこも更新してへんやんけ と あちこちから突っ込まれてます 風邪引いて寝てるんか?とか さぼんなとか なんでもええからなんか書けとか ‥‥‥ えらいすんまへん こんな「独り言」のために 高い接続料金を支払っていただいているのに もうしわけ有馬温泉 別にNTTを儲けさせようと思っているわけではないけれど 結果的にNTTを肥らせてしまって‥‥‥ もうしわけ有馬温泉 何か面白いことを書いているのではないかと 大勢の人の声援を受け 期待されていながら たいへんもうしわけ有馬温泉 私 さぼってました ところで 今 神戸の夜がきれいらしい ルミナリエなのだそうだ あ 25日までですよ羽山さん 私はクリスマスのこの時期に かならず神戸に行くのだが いや クリスマスであろうとなかろうと 神戸が好きで 月に何べんもくるのだが まだいっぺんも ルミナリエを見たことがない この日も目の前まで行きながら またも素通りなのである なぜか? その理由は 人込みがきらいだからで 行列に並ぶのがきらいだからである 三ノ宮の居留地近くを 古い友人と歩いていたら‥‥‥ あそうそう 中学1年のときから もう36年もいっしょに遊んでいる友人である 飯でも食おうと歩いていたら ルミナリエに向かう行列にぶつかった 人の波に呑まれそうになって 歩きにくいなと思っていたら ガードマンのおっちゃんにむりやり引っ張られたのだ このガードマンのおっちゃんは 雨の中とても仕事熱心で 歩いている人はみな ルミナリエを見に来ていると思い込んでいるらしい 「ちゃうねん寿司食いにきただけやねん」 と言ってもまあ無駄である ルミナリエをやっている最中に 寿司を食うやつなどいるわけないといった風で 見物の行列に引きずり込もうとする その手を強引に振りほどき我々は寿司屋を目指した しかし 寿司屋へ向かう道もまたまるで一方通行のように ルミナリエに向かう人の流れが我々の行く手を阻んでいた 「もう少しだがんばれ」 30年間通い続けている寿司屋へ‥‥‥ そうそう この「栄寿司」は高校3年の時から通い続けてる 神戸に寿司屋がほかにないわけではないが なにがなんでも私は栄寿司なのである 旨いかどうかなどまったく問題ではない 狭い階段を3階まで駆け上がり やっとの思いで栄寿司にたどり着いた 店の中に客はいなかった 「忙しいでっか」 「ヒマやな」 寿司屋の親父は嬉しそうに寿司をにぎり始めた あかん 何を書くんかわすれてしもた それに 落ちがない‥‥‥ 落ちがないとまたカマドヤに突っ込まれる 困った 困った 困った 24 December 2000 コンピュータライクな人生 ‥‥‥ N88Basicでゲームソフトを作るのが趣味だった私が、一番最初に触ったMacはMacintosh-IIだった‥‥‥と記憶している。こんなスゴイものがあったのかと、その未来感覚に驚愕した。 CPU MC68020、クロック周波数16Mhz、OS6、Motherboard RAM 2MB搭載。今に思えば随分のんびりとした古き良き時代のマシンだった。 定価はジャスト100万円。勿論そんな大金があるはずもなく、このマシンは友人の使い古しを貰ったものだった。 無論Windowsなど影も形もない時代だった。Winより十数年前にMacはすでにWindowsインターフェースだったのだ。 その後次から次へと新しい68Kマシン、PowerPCが登場し、そのたびごとに乗り換えることになる。 LC630、PowerBook520c、Parforma5210、PowerMac7600、PowerMac G3 (Blue & White) 。 その都度OSを更新してきた。たしかに昔に比べると、マシンやメモリの価格は驚異的に安くはなったけれど‥‥‥。 Macintosh-IIは1988年のモデルだ。わずか12年前にすぎない。オリンピックが3回開催される間に技術は気が遠くなるほど進化を遂げたことになる。江戸時代の300年はいったい何だったのだろう‥‥‥と思う。 そして今またG4Cubeだという。OSXだと言う。これでもか、これでもかと追い討ちをかけてくる。もういい加減にしてほしい。愛すべき一般ユーザーを無視して、Appleはいったいどこへ行こうとしているのだろう。 時代に取り残され、置き去りにされる恐怖に怯えつつ、OS8.6で新世紀を迎えようとしている私である。 25 December 2000 メリクリスマス ‥‥‥ メリクリスマス。今年のサイレントナイト・ホーリイナイトはとても寒い。おまけにメバル釣りの天敵の冷たい風まで吹いて、鳴門の山火事の晩のことを思い出してしまう。 クリスマスと言っても私はクリスチャンではないので厳粛な気持ちはまったくないし、ミーちゃんでもハーちゃんでもないので夜の街に繰り出して酒を飲んで騒ごうという気持ちもまったく起こらない。ごく平凡な冬の夜やね。 ところでこの年の瀬に、リョービに相次いでマミヤが釣具業界から撤退したらしい。なるほど、なるほど。マーフィックスは重過ぎてみんなオシアジーに乗り換えてたからね。「こらつぶれよるな」と思てたら案の定。たしかにレイチューン上原の言う通り、これは企業努力の差やね。 「釣り産業は誰のどんな声に耳を貸すべきか」 これだけ多くの消費者を抱えた産業でよう生き残らんというのは能がない証拠やろ。しかし、頭の悪い企業が無策の末滅びるのは時間の問題であると同時に、一方では「盛者必衰」という決まりきった定説が頭の中をグルグル回る。 「次はどこがつぶれるやろ?」 夜も更けて、アンツはもう仕事場から釈放されたかな。ジーパン屋の店長は今ごろ店の後片づけやってるんやろか。人が遊んでるときに働かんなんのはお互い辛いよなあ。我慢せいよ。私も元旦は仕事やねんで。なあACBさん。 大阪そごうが店じまいや。従業員が「年末年始に家族と過ごすのは十数年ぶりです」と言うて涙を流してた。扶養家族をぎょうさん抱えて、再就職先も決まらん正月を家族と過ごすのは楽しいはずがない。仕事があるだけマシか。 ああ、景気の悪い話を書いてしもた。ああ、夢がない‥‥‥。あかんぞこれでは‥‥‥ははは、明日はちょっと景気のええ話でもして笑わせたろか。 28 December 2000 Computer Like な人生(その2) ‥‥‥ 加入しているケーブルテレビ会社(J-COM)が ケーブルインターネットの工事に来て 30分ぐらいかかって 変なモデムを設置してくれはった 「モデムから先は自分やってちょうだいよ」と言い残して なんやようわからんまま帰ってしもた ヒマやったので日本橋まで行って 10BaseTクロスケーブルじゃの ストレートケーブルじゃの イーサネットハブじゃのを買うてきた 工事のにいちゃんは 「LANボードも要るよ」と言うてたけど うちのMacは優秀で イーサネットポートが付いたある 古い7600/132にもちゃんとポートがある たぶんいらんやろ‥‥‥ で 適当に買うてきたケーブルを接続したら 一気にWEBに繋がった 速い! 以前にケーブルインターネットのモニターを 仕事でやったことがあるけれど‥‥‥ これはごっつ速いわ ケーブルインターネットにしたついでに メールアドレスを変えた Ikasas@Angling.net 前のまんまやけど転送先がちゃう babjp405@jttk.zaq.ne.jp といういかついアドレスに転送される 以前の ikasas@ma2.seikyou.ne.jp とか ikasas@sanynet.ne.jp に送ってくれてた人は Ikasas@Angling.net か babjp405@jttk.zaq.ne.jp にしてくださいね (こんなとこでお願いしてもしゃあないけど) さて 独り言でもアップロードしよかと ftpに繋いでみたら およよ いっこも繋がらへん あーでもない こーでもないと あっちこっちに聞きまくったけど アングリングネットのサーバ管理者も ザックインターネットサポートも 知らぬ存ぜぬの一点張り ケーブルテレビ回線ではアクセスでけへんのんかな? そんなあほなことないやろ‥‥‥ よーしっ こうなったら死ぬまでやるぞ と ftpの設定変えたり ソフト変えたり 130通りぐらいのパターンを試してみたけど かいもく繋がらへん しゃあないこれが最後の望みやと Fetch日本語版(ftp接続ソフト)の最新バージョンを Fetchのウェブサイトからダウンロードしてみたら なんじゃ いけるやんか! いけるやんか! 12時間目にしてやっと独り言を更新できる‥‥‥ ああ アホくさ ところてん これシェアウエアでお金払わんなんねんけど どこにどうやって払うんやろ? みなさんは WEB上でダウンロードしたソフト お金ちゃんと払てますか? 不正規ユーザーになってませんか? あきませんでちゃんと払わな ‥‥‥て えらそうなこと言えた義理やないけど ハンドヘルドコンピュータを買うた ハンドヘルドも最近はぎょうさん種類があって 何を買うか迷うところやけど ザウルスはデザインがぶっさいくやし Windows CE機は虫酸が走るわ (使うてる人おったらごめんやで) やっぱりPalm OSや Hand Spring社のVisor Delux これが最高やと思うねんけど‥‥‥ 実はついこないだVisorのカラー版が出て みんなそっちに飛びついとるみたいやね そのスキに 古いVisor Deluxオレンジを買うあたり ただもんやないなと自分でも思う (おお!自画自賛) で、さっそく使てみると これがなかなかおもろい まだやってへんけど 携帯電話に繋いでwwwの閲覧やら EMailの送受信ができる あたりまえか‥‥‥ 考えてみたら 先週買い替えた携帯電話はもっとすごいかもしれん i-Modeで馬三郎が読めるし (毎月200円いるけど) 勿論アングリングネットも パワーデザイナーズハンドワークスも オレンジフィールドのBBSに書き込みもできる おまけに予定表やらToDoも付いてる これやったら ハンドヘルドコンピュータなんかいらんやん‥‥‥ ふんふん たしかにいらんわ けど これであの不細工なシステム手帳を捨てられると思たら なんや人生がちょっとだけ明るうなったような気がする そうそう 会議中にメモ取るふりして 麻雀ゲームとかカードゲームしそうやなあ‥‥‥ するやろなあ‥‥‥ 音消しとかなあかんわ +++++ 話変わるけど もんじゃ焼きは美味いなあ オーサカンはそんなもんは食わんはずやけど 食うてしもたがな へっへっへっ 鶴橋の駅前商店街の「寿寿」ていう店 え? なです? なんでもんじゃが鶴橋かって? たしかに もんじゃは東京都足立区であります それが鶴橋とは‥‥‥納得がいかんでしょう さもありなん ははは ここのおばはんは 実は東京の築地で10年修行積んでるんですわ せやから味はほんまもん そういうたら思い出したけど 高校2年の時に初めて明石焼を口にしたときと おんなじカルチャーショックやったね はっきり言うてベチョベチョや しかし どない言うたらええんか‥‥‥ そうそう 醤油が焦げる瞬間のあの香ばしい匂い‥‥‥ ねっとりと舌の上でトロけるあの感触‥‥‥ あかん もんじゃ焼きを絶賛してしもた オーサンカの恥や 非国民や ついでに もうひとつ白状すると 私はお好み焼きは 広島焼き派なんです お! サルさんもでっか? あんたも非国民やなあ ははは メリケン粉と具は別行動にしてほしい 焼く前に混ぜたらあかん ‥‥‥ん? なんの話やったかいな? あかん コンピュータやった またオチがない ごごめんなあ 30 December 2000 ページ更新 ‥‥‥ ほぼ一ヶ月ぶりにアングリングネットを更新した。このホームページをオープンして5年目になる。そろそろ飽きてきた。 立ち上げたころは、まだニッポンに良い釣りのサイトはなかった。いかにもパソコンオタクが作った釣りのド素人のページばっかりやった。いや、あったにはあったけど、私にはいっこも面白いことなかった。 で、夜な夜なサーファーになって、デザインの優れたページを見つけては、ついついのぞいてしまう。「おお!これはキレイなホームページや!」と‥‥‥しかしよう見るとまだ2〜3回しか釣りの経験がないことを発見。「やっと生まれて初めてバスが釣れました」などと書いてある。「はったおっそ!」‥‥‥マイフェバリットルアーの紹介‥‥‥ミノー2本、スピナーベイト2個、ワーム数本‥‥‥以上。「こらっ、オマエ!それだけかいっ!」と思わず突っ込んでしまう。 まあ、ホームページというのはそういうもんやろね。なんせ自己満足の世界なんやからね‥‥‥しかし、自己満足にもホドがあるで。 そんなわけで、「よーしっ、それやったらオレが日本一面白い釣りのホームページを作ったるわ」とがんばってきたけれど、最近になってまわりを見渡すと、悪うないページばっかりになってきてるんやね。つまり、平均化してきたんやと思う。 で、アングリングネットが全然目立たんようになってる。それはたしかにええことなんやけど‥‥‥。 そうなるとそうなったで、今度はもっと奇抜なんはないか‥‥‥と、探し回ってる。けど無いわそんなん。たまにあっても更新せえへんから退屈になる。ところが今度は「よーしっ、それならオレが奇抜なん作ったるぞ」という気は起こらへん。なんでか、その気になれへん。 しかし人間て、しゃあない動物やなあ。おんなじ事を繰り返すんが死ぬほど辛いんやから。すぐに飽きるんやから。もうどうしょうもないなあ。救いようがないよ‥‥‥メバルでも釣りに行こ。 31 December 2000 世紀末の夜に ‥‥‥ いまテレビが 国民的歌番組をやってるけど 私は見ません あと1時間と少しで新世紀になると 大騒ぎするほど私の人生経験は未熟ではありません 別にどうならんならんことのない人生において 節目など大きな意味はないのです 自分の区切りは 生まれるときと 死ぬときです 明日が新しい年であろうと 新しい世紀であろうと なんであろうと 私にはただの月曜日なのです などと エラソなことを言いつつも 新世紀を迎えるにあたって アングリングネットをオールクリアしました ところが ところが ところが 新しいコンテンツなどどこにもなく 見ての通りの「ずんべらぼん」です ズ・ン・ベ・ラ・ボ・ン……… おお! なんと心地の良いひびきでしょうか フランス語よりおしゃれなひびき old tales |