Angling Net / ikasas ikuy's "talk to myself"



毎日更新(ウソつくな!)

1 may 2005 namazu game

毎年々々
この季節の
夕日が西の空に沈む時刻になると
心が乱れて
胸が騒いで
頭の中を鯰が泳ぎだすのである

頭の中の鯰は
口を閉じて「にんまり」笑っているのである
もう
ほんとうにいい歳をして
しょうがない
ボクなのである


2 may 2005 golden week

世間一般がゴールデンウイークなので
ボクはどこへも行かず
自宅に引きこもって
ルアーを作ったり
タコテンヤを作ったり
ギターを弾いたり
桂枝雀落語のDVDを見たりして暮らしている

作っても作ってもスグに無くなるタコテンヤ
作っては無くし、無くしては作るのである

しかし
ボクの周りには
なんと沢山のモノが溢れていることか
モノに押し潰されはしまいかと心配になる

できるだけ
モノのない暮らしがしたいので
これからも
いろんなモノを捨てていこうと思う
モノのないことに不便さを感じたとき
初めてモノのありがたさや
豊かさというものを知ると思うのだ

あんまり家にこもっていると
アタマが可笑しくなるので
さて
ちょっと近所の町へ出かけてみることにするかな


3 may 2005 golden week 2

郵便局へいくと
入り口のところにお爺さんが独り呆然と立っている
なにをしているのだろう
ガラス張りの郵便局はブラインドが下ろされている
中は真っ暗だ
そうか
今日は祝日やん
そうか
昨日は平日やったけど今日は祝日やん
郵便局休みやん
お爺さんは
自動ドアの隙間に指をねじ込もうとしている
「今日は郵便局休みですよ」
「ゐ!」
「祝日です」
「ゐ!」
どうやらハイカイングのご老人らしい
なにを言っても「ゐ!」しか言わない
しかたがないので
郵便局から50m離れたムラタクリーニング店へいく
クリーニング店といっても取次店で
クロネコの取次店もやってるのだ
「元払いの用紙ください」
「あ、うちクロネコさんやめてんよ」
「ゐ!」
「ごめんね。今は五軒隣のハヤシさんとこがやってるねん」
「ゐ!」
ボクは郵便局の前にいた老人のモノマネをしたが
ウケなかった
表へ出て十数メートル進むとハヤシクリーニング店だ
クリーニング店といっても取次店で
店の前にはクロネコヤマトの看板があがっている
しかし
なぜ同じ建物の一階にクリーニング店が二軒もあるのだろう
大いなる疑問がボクに襲いかかる
待てよ
そんなことよりもっと重要なことに気づいた
ハヤシクリーニング店のシャッターが下りているのだ
つまり休みなのだ
ボクは小さな絶望とめまいを感じた
そうだ
パンだ
パンを買うのだ
目的は郵便局でも宅急便でもない
パンなのだ
しかしイヤな予感がする
テイクアウトの寿司屋が休みなのだ
もしかするとパン屋も休みかも知れない

案の定だ
まったくイヤになる
せっかくパンのくちになっていたのに
あのゴマフランスが食えないとは
なんということだ
ああイヤになる
イヤになる
脱力感に苛まれる怠惰な日々である


4 may 2005 golden week 3

世間はゴールデンウィークの真っただ中だ
羨ましいようであり
そうでないようでもある
ああそれにしても魚釣りがしたい

こんな風景を思い出したりしている
犬に噛まれたことなどを思い出している


5 may 2005 bamboo grip

世間はいぜんゴールデンウィークらしい
まったくイヤになる

オークションで安い布袋竹をたくさん仕入れて
コルクグリップの竿をバンブーグリップに改造している
本当はハヤグリに改造するのがカッコ良くて最高なのだが‥‥‥

一番下は一世を風靡したハヤグリ(素晴らしいデザイン)
トリガの削り過ぎと取り扱い不注意で3つダメにしてしまった

現在ハヤグリの製造元は供給を中断しているらしい
この先入手は困難と思われる

竹の握りもなかなか風合いがあって面白い
こんなことをしたからといって
魚が良く釣れるわけではないのだが‥‥‥


6 may 2005 sea bass

しばらくスズキを釣っていない
一時はボクのメインターゲットだったこともある
一級のゲームフィッシュなのに
釣りに行かなくなったなぁ

トップウォータープラグに出るシーンを思い出しつつ
また狙いに行こうと思う今日此頃である


7 may 2005 aboriginal art

土着芸術の中で
ボクはアボリジナルアートが一番好きだ
空や大地や森や水や人々の暮らしを
点で描くところに面白さを感じるのである

オーストラリアに行きたいという気持ちは全く起こらないが
もう一度アボリジナルアートに触れたいと思う
点描と言えば
山下清の貼り絵はアボリジナルアートに通じる美しさがある
嵐山の「裸の大将記念館」が閉館になったのは極めて残念である


8 may 2005 opa!

開高健の「オーパ!」
最初にこの文庫本を買ったのが1981年の12月だ
以後
何度も何度も繰り返し読み返している
続編らしき「オーパオーパ!!」も読んでみたが
やはり「オーパ!」のインパクトには到底及ばない

手元に同じ「オーパ!」が2冊ある
1冊はつい先日のこと
修行場の同僚フクイカツヨシから返ってきたものだ
実に十八年間の長きに渡って
貸しっぱなし借りっぱなしになっていたのだ
捨てもせず破りもせず返してくれたことには感謝する

しかしボクのことである
だれに貸したとも
いや貸したことすら憶えていなかったのだ

あるとき
思い出したように
また「オーパ!」が読みたくなって
本棚をかきまわしたがみつからなかった
当然
貸したことをすっかり忘れているので
みつかるはずがない
仕方がないので本屋へ走った

それから十数年経って
初代「オーパ!」が戻ってきた
さすがに後で買った二代目と比べると
落丁寸前のボロボロである
ページを開くと
小さな字でびっしりとメモ書きが認められている
全350ページのほとんどすべてに書き込まれている

偏在と遍在
偏在ははかたよって存在する
遍在はあまねく広く存在する
とあったり
1983年3月30日
東播の野池で
初めて50cmオーバーのバスを釣る
とか
1986年4月2日
奈良県の坂本ダムで
初めてブラウントラウトを釣る
という釣魚記録もある
あるいは
辻さん
とだけ書かれていたり‥‥‥
おそらく辻晃良さんが亡くなられたときに書いたものだろう
ああ
ページの隙間から懐かしい匂いが漂ってくる

1年間いちども袖を通さなかった衣服は捨てる
5年間いちどもページを開かなかった本は捨てる
というのがボクの基本的生活術なのだが
中にはワケあってどうしても捨てられないモノもある
まったく困ったことである


9 may 2005 fly gilling

長かった
やっとGWが終わった
その間に蓄積した怒濤の釣欲が
膜を破りそうな勢いで膨張していた

そこで本日の昼下がり
近所の池で毛鉤釣りをする
1時間半でブルーギルを32匹釣る
蓄積していたゲル状の欲求不満が
見事に排泄されていった

まったく
釣り人というのは
単純な構造の動物である


10 may 2005 catfish fishin'

夕刻
ヱンドレス森下とナマズ釣りに行く
鈎をハンガーシステムにしてからフックアップ率が格段に上がっている
本日14の9‥‥‥ただしナマズは2匹だけ
#8バーブレスでバラシまくっている
出ただけで乗らないナマズはしばらくするとまた出るが
痛い目をしたナマズは二度と出てこない

ちののパパラギさんにもらったマスキードブネズミでやっと一匹釣る
ボッテリ太ったいいナマズだった

お尻が赤いのは産卵が近いからだろう
素早く撮影して早々にお帰りいただく
バーブレス小鈎のおかげでリリースが楽になった

らんめんのスープが塩辛いので調理場をのぞくと
おじいちゃんは不在だった


11 may 2005 octpus fishin'


真砂塾長、ACBさん、がちゃこさんと
ポートアイランドへタコ釣りに行く

タコ釣り場の岸壁は
排気ガスをまき散らしながら
コンテナを牽引したトラックが出入りする
四角い鉄の箱に荷物を満載して
コンテナは船に乗って遠い外国からやってくる
あるいは
遠い外国へと旅立っていく

タコ釣り道具‥‥‥

タコはボクらを見て
海底で笑いを押し殺しているにちがいない
腹筋を捩らせて笑いを堪えているにちがいない
きっとそうにちがいない

四角い海に大きな船が出入りする
船はどこから来てどこへ行くのだろう
船の下で
タコは笑いを噛み殺しているにちがいない
きっとそうにちがいない

橋の上をクルマや電車が走り
橋の下を船が走る
そのまた下で
タコは笑いを我慢して悶絶しているにちがいない
きっとそうにちがいない


夕方までやったが
タコは釣れなかった


12 may 2005 bossanova

日差しが一段と強くなって
夏が近づいている
のんびりしたい午後は
"Ono Lisa"だ
ボッサノヴァだ

"Maria Muldeur"も悪くないけれど
やっぱり夏は小野リサだ
ここ十数年ずっとこれだ
ブラジリアンガールの巨大なヒップに圧されつつも
ボッサノヴァのリズムで夏を乗り切るのだ

Copacabana, eu vi teu sol raiar
Passei a noite a cantar
Bebi Mais um
Fechou o bar
Comprei jornal
Fui caminhar
Eu gosto de centir o ar
Dessas manhas de verao
E uma cancao
Senti chegar
Ouvindo o som do mar


13 may 2005 fish print

修行明け
部屋を掃除していたら
本棚の奥から汚れた紙が出てきた
八つ折りにされた紙をひろげてみるとそれは魚拓だった

サクラマス
随分前のことだ
日付を見ると平成七年五月十三日とある
おお!
なんという偶然だ
ちょうど十年前の今日ではないか!

順拓(杉本順一作)
鱒(桜鱒とは記さないしきたり)
平成七年五月十三日
全長:六十一糎
目方:二、八五キログラム
ルアー:コータック十八グラムS
釣人:佐々木雪
現任者:川上誠

ボクは魚を釣っても魚拓はとらないのだが
富山県で釣った魚は別だ
立派な魚を釣ると
トニーという釣具屋で魚拓にしてくれるのだ

後日
表具屋で裏打ちをしてもらい
立派な額縁に入れて飾る予定だったが
いつの間にか
忙しさにかまけて
そのまま放置されていた
魚拓をとってもらったことはおろか
庄川でサクラマスを釣ったことすら
遠い記憶の彼方に消え去りつつあるのだ

ヘビースモーカーの部屋で
十年の歳月を過ごした魚拓は
すっかり黄変してしまっている
サクラマスという魚への情熱も冷め
宝物というわけでもなくなった一枚の魚拓
さて
どうしたものであるか‥‥‥


14 may 2005 Chin Dong System

健忘症である
何を何処へ仕舞ったか
すっかり忘れてしまうのである

今日も鑢を探していて
珍丼虫と棒をひとつづつみつけた
行方不明になっていたことさえ忘れていた
Merrellの空き箱に入っていたのだ
探しているモノはみつからないが
なくしたことを忘れているものがよくみつかるのである

Muddy Waters "Ching Dong Bug" AAA (Green Tiger)

ナマズ用にフックを改造したまま
行方不明になっていた珍丼虫(AAA)だ
まだ一度も使っていない

Muddy Waters "Ching Dong Stick" AAA (Black Dragon)

これはもう何度も投げて
塗装がボロボロになった珍丼棒

そういえば先日
iPodがどこかへいってしまった
探したがみつからない
あきらめかけていたころ
ひょっこりと
普段使わないBradyのバッグから出てきた

いま
必死で探しているのは
あるチヌ釣師からもらった鮑貝のスライス
行方不明になって早や半年になる
いくら探しても出てこない

さて
明日はギル釣りだというのに
Fox Fireのベストがみつからない
Air Weight 3のリールがみつからない
Richard Wheatleyのフライボックスがみつからない
ああ
いやになる
いやになる


15 may 2005 bozu-mekuri

今年もまた
アホばっかり大勢集まって
アホのダムで坊主めくり大会だ

例によって昼食中大雨が降ったが嘘のようにあがる

先週近所のG池で真面目に練習していった甲斐あって
坂田会長の記録に並んぶ大会三連覇の偉業達成だ

賞品はもらえなかったが
楽しい一日であった
少し腰が痛い


16 may 2005 bozu-mekuri

一日中ほとんど寝ずに椅子に座っているので
腰が弱ってきている
歩くとギシギシと痛む
そのうち歩けなくなるような気がする
足腰と腹筋は大切だ


Top Water Junky 新作「ベッドバグ」

商品名使用権を譲渡したお礼にもらったTWJ-Bedbug2コ
シェルブレードが美しい
岩盤ポイントでの使用は禁止


17 may 2005 bass, ranmen and namazu

前日
ほとんど寝てなかったので
ふらふらである
それでも
どうしてもバスが釣りたかったので
雨上がり池に浮かぶ

風が強いがいい天気

ベッドバグとチンドンスティックに
3発出たが一発も乗らず
諦めきれず上の池へ転戦したが不発
先日買ったウエーダーを鉄条網に引っかけて破る

夕刻
天使の微笑み川でナマズ釣り
日付が変わる直前までやって3匹(9-5-3)



ヒットルアーはオールChing Dong Stick
史上最強の鯰ルアーだ


18 may 2005 octopussing


水曜日は真砂タコ塾の日だ
天気予報では
昼から大荒れになるらしい
しかし
どうしてもタコが釣りたいので
塾長以下総勢二名で強行する

「この紋所が目に入らぬか」
垂水・松一乗合船の船首に彫られた黄金の三つ葉葵

垂水漁港
さすがにこの天気である
釣り人の姿はまばらだ
それでも我々同様
アホな釣り人数名が竿を振っている
賢い釣り人はこんな日は釣りをしないのだろう

昼頃
南風が強くなり
大粒の雨が合羽の上から体を叩く
寒い

PORTO BAZAR越しに霞む明石海峡大橋の橋脚

しかし
二時間ほどで雨も上がり
風も弱まる

港をぐるっと一周したが
結局タコは釣れなかった

垂水漁港をあきらめ
実績のある神戸港P島へ転戦
しかし
結局タコは釣れなかった

つらい?
つろのーてかぃ


19 may 2005 jammon car

中日りゅうちゃんず
パリーグに弱い
観ていられないので観ない

そうか
jamonではなく
jammonなのか
8年で10万キロらしい
しかし
荷台のロッドが無防備すぎる
奈良の人だからなぁ‥‥‥

ああ
タコが釣りたい


20 may 2005 100 tako

今年の釣りの目標は
100タコ
100ナマズだ
どちらも簡単な数字ではないが
実は100タコの方はわりと簡単なのだ

なぜなら
季節がまわればタコの方からやってくるからだ
100どころか
200、300と言ってもいいぐらいだ
釣れ始めるとタコなんてオカダだ
自信はあるぞ
さあどっからでもかかってこいオカダ


21 may 2005 throwing too much

投げすぎて
ぶつけすぎて
木で出来たルアーはボロボロになる
木で出来たルアーは凸凹になる

例えばこのマスキドブネズミ
とにかく一匹釣れるまで投げ続けるぞと心に決めて
実際に釣れるまでに何回投げ何回岩にぶつけたか
カタチはすっかりいびつになってしまったが
それでも結果を出したルアーは幸せだ
海底に眠るタコテンヤに比べたらずっと幸せだ

なにもわざわざ岩盤やコンクリを狙わなくても
バスはソフトストラクチャーにも付いているはずだ
それなのに何故か男は固いモノに立ち向かう
そして
「ベシッ」
イヤな音がして帰ってきたルアーを恐る恐る見るとこのざまだ
おのれのコントロールの悪さに呆れ返る
大事な大事なシェルブレイドが木っ端微塵だ

その点
自分で作ったルアーは気がねがない
どんなところでも突っ込んでいく
立ちふさがる岩の壁であろうと
暗闇のそのまた向こうの真の闇であろうと
何ひとつためらうことなく突進していく
チャレンジャーがチャンピオンになるために
どこまでも突進していくのだ


22 may 2005 jidai kurahachi

中日りゅうちゃんずが弱いのである
極めて弱いのである
セリーグであれほど強かったチームが
パリーグ相手だと
まるで赤子が手をひねらるようにころころと負けるのである
15試合を終えて4勝11敗(楽天と未対戦)だ
これで楽天に負け越したら本当に中日を引退しよう

熊本県球磨郡 堤酒造 黒麹本格芋焼酎「時代蔵八」

幻の「森伊蔵」よりこっちが良いという意見もある
クセのある安くて芋臭い芋焼酎がうまいと言う
なるほど
焼酎飲みという人種には「臭み」が必要なのだ
最近その辺が分かるような気がしている

焼酎は秋から冬に飲むべしと思っていたが
これが春も夏も美味いので困りものなのである
ああ
困った困った


23 may 2005 akashi strait summer color

明石海峡は夏景色だった
しかし
この辺りの海にはタコがいないのである
一匹もいないのである
なぜかというと
つまり
タコはみな
魚の棚商店街の魚屋の店先で
枕を並べて昼寝をしているのである
ひんやりとした氷の上に
大の字になってお昼寝なのである

それならば
魚の棚商店街へ行くしかないではないか
こちらから
敵陣深く攻め込もうではないか

魚の棚商店街の一角にある僕の好きな雑穀屋
買い物は一度もしたことはないが
おばあちゃん手書きの値札に心が和む

元祖玉子焼きは「よこ井」
ほぅわほぅわとしたこの食感がたまらない
店はヒマそうだったが
よこ井のおばちゃんは今日も元気だった

玉子焼きの次は「山長菓子舗」のケーキ&珈琲
これはもう完ぺきに明石の定番だ
定番中の定番だ(まちがいない)

魚の棚商店街はタコだらけだ
どこの店もタコタコタコだ
これだけタコが溢れかえっているのに
海にタコが一匹もいないとはどういうことだ
鮹ゲソの天麩羅とイイダコの甘辛煮を買う
ついでに朝霧堂で丁稚羊羹を二本買う
さあ
帰ろう!


24 may 2005 amanamazu

ヱンドレス森下の義母さんの具合が悪いので
予定していた東播ナマズを中止する
所在なく家で中日vs楽天を見ていたのだが
どう看ても世界一弱い楽天の方が強い
7回を見たところでいやになって釣りに行くことにする

兵庫県尼崎市‥‥‥
町中をチョロチョロと流れる細いドブ川で
ナマズが釣れるという
それも結構数が出るらしい
地元の真砂さんに電話をして案内をお願いする
夕刻から甲子園浜で惨敗を食らって家に帰ってきたばかりらしい
折角おくつろぎのところ申し訳ない

何処にも隠れるところのない浅い川でナマズは悠々と泳いでいる
背中が白っぽく見えるのがコイで
黒いのがナマズだ
チンドンバグをチャカポコやると
黒い背中がグリッと反転して「バッコ〜ン」

「チャカポコチャカポコ」
「バッコ〜ン」
「ドタバタドタバタ」
「いやたまらん」
15バイト
5フックアップ(.333)
4バラシ
1ナマズ
結局一匹しか釣れなかったが
なんといっても尼崎市在住のナマズである
一匹釣れたら文句なしだ
いやもう最高の夜であった


25 may 2005 painful octopussing

昼から
ヨコヤマ会長と651へタコ釣りに行く
タコテンヤ → タコジグ → タコテンヤ → タコジグ
手を換え品を換え(といってもテンヤかジグだが)
攻めに攻めたが
結局タコは釣れなかった
つっ‥‥‥つらい

そのかわりイカを二種類釣った
(スルメ2ハイ、オクイカ1パイ)
ヨコヤマ会長はスルメばかり20パイ

タコは時期尚早だ
出直しだ

つらい?
つろのーてかぃ


26 may 2005 endless craft

エンドレスクラフト
つまりヱンドレス森下のルアーブランドだが
ああ見えてなかなかセンスはいいのである
メタルジグ製作は定評があるし
ウッドプラグもなかなかいい物を作る

こういうふうな邪魔くさい貝貼作業もけっこう平気でこなす
仕上がりは凸凹だがなんともいえず味がある
ヱンドレス森下
道を間違えたかな


27 may 2005 taiwanese restaurant

郡愛飯店の牛肉焼きそばでも食おうと
昼時を少し外していったのだが
南京町はだめだ
酷いことになっている
制服姿の修学旅行生で溢れかえっている
身動きできないほど溢れかえっている
港巡りの観光船に乗って
ポートタワーに登って
南京町の路上で安い立ち食いのラーメンをすすって
これで神戸へ行ってきたといわれたのでは堪ったものではない
大阪の新世界と並んで
南京町は修学旅行のメッカになっている
仕方がないので丸玉食堂へ行く

まだ昼前だというのに
丸玉食堂の長いステンレスのカウンターはほぼ満席だ

豚足600円
汁そば350円
アサヒスーパードライ550円
ささやかで豪華なボクの昼食である

豚足と汁そばはおばあちゃんの担当だ
大鍋からくたくたに煮込まれた豚足すくい皿に盛る
パクチーをトッピングし小皿に付けだれを注ぐ
見事に手慣れた手つきだ
さらに麺を茹でて素早く汁と油を調合する
見てくればかりのラーメン屋みたいに
大げさに麺の湯を切ったりしない
動作に全く無駄なところがない
痩せて腰が曲がって疲弊しきったおばあちゃんだが
良く見るとなかなかの美人だ
若い頃はチャイナドレスが似合うハオクーニャンだったのではないか
いやそうに違いない
まちがいない


29 may 2005 fukuoka 1/2

博多へ行く
「美味いモンを食いに」
博多へ行く

伊丹空港に着くと
扇風機の羽根のような脆弱なプロペラ機が待っていた
これで飛ぶのか
機内は観光バスより狭いではないか

ボクの心配を余所に
トンボのようなプロペラ機は無事福岡に着いた

とりあえず昼はラーメンだ
博多と言えばラーメンだ
大名にある「はかたそばの鈴木商店」
‥‥‥閉まっていた
第二候補は天神の辛ネギそばの「郷家(ごうや)」

ピリカラの絶妙の味だ
この一杯でボクは博多に住みたくなった

夜はもつ鍋だ
博多と言えばもつ鍋だ
だれがなんと言ってももつ鍋だ
春吉の交差点近くにあるもつ鍋専門店の「笑楽」
味噌仕立ての出汁にニラがてんこ盛りだ

その美味さに目が回りそうになる
山葵と柚で食べるもつ串がこれまた最高だ
ビールがビールがススム君だ
仕上げは残った出汁でチャンポン麺だ
もう胃袋が破れそうだ

シダックスで酔いを醒まして
食えなければ後は飲むだけだ
中州のBAR「SAMBOA2」へ行く
サンボアではなく何故かサンボアツーだ
ハイボールとドライマチーニを仕込んで腹ごなしだ

もう食えないと言いつつも
焼き鳥を食べに天神方面へ移動する
途中みつけておいた焼き鳥屋へ行くと閉まっている
まだ十時前だというのになんということだ
しかし考えてみると
もうひと串も食べられそうにない
夜はまだまだこれからだが
車を拾って宿に帰る

深夜
宿を抜け出て博多漁港に向かう
ホテルから徒歩5分
深夜の漁港は思ったより明るい

メバル爆釣に期待が高まる
しかし
アタリのアの字もない
遠近深浅遅速
手を換え品を換えやるがアタリがない
そうこうしていると
赤色灯を回したクルマが無音で近づいてきて停まる
パトカーだ
「オレはなにもワルイコトをしていない」
「無実だ」
「潔白だ」

突然
4pc6ftのパックロッドに強烈なアタリが来る
竿が曲がる
糸が鳴る
尺クラスのメバルか‥‥‥?
期待に胸が膨らむ
しかし
水面を割って上がってきたのは尺足らずのセイゴだ

なんだセイゴかと言いつつも
福岡県での初物は格別に嬉しい
感謝してリリースする


30 may 2005 fukuoka 2/2


大濠公園へ散歩に行く
大きな公園の中には
中国の西湖を模して作ったという大きな池がある
いくらなんでもここは釣りは禁止だろうと思っていたら
驚いたことに
釣りをしてもよいエリアが何カ所かあるのだ

背後で散歩やジョギングの人が往来する中
さっそくメバル用パックロッドを出してきて釣りはじめる
水面玉にセットした10番フックにミニワーム
アタリは頻繁にあるがさっぱり釣れない
水の中を良く見ると
マメギルだらけだ
10番フックでさえ大きすぎるようだ
小さなアタリを小刻みに合わせて
なんとか一匹釣る

福岡県で初めて釣れた淡水魚に
絶大なる感謝をして優しくリリースする


柳川へ行く
「美味いモンを食いに」
柳川へ行く

西鉄天神駅から特急に乗って50分弱で柳川だ
川下りのどんこ船に乗る
乗り合い船だが
たまたま他の客がいなかったので貸し切りになる

すれちがう他の船は身動きひとつ出来ないすしづめ状態だ
みなこっちの船を羨望の眼差しで見る

脳天気な船頭の歌を聴きながら
のんびりと一時間以上かけて川を下る

途中
柳川高校の横を通る
元阪神タイガースの真弓や
柔道オリンピック金メダルの阿武教子の母校らしい

気が遠くなるほどゆっくりと船は進む
掘り割りの左右には美しい花が咲き誇る
ボクは長い船旅で
終点に着く頃には腹ペコで死にそうになっていた

船を下りるとさっそく柳川鍋を食べに行く
割烹料理屋「福柳」は
掘り割り沿いにある歴史を感じさせる佇まいの料理屋だ

鰻のせいろ蒸し
陸奥五郎の蒲焼きも悪くはないが
だれがなんといっても
柳川と言えばどぜう鍋だ
熱々の柳川鍋はうなるほどの絶品だ
あまりの美味さに声も出ない

開高健は
美味いものに出合ったとき
筆舌に尽くしがたいとか
言葉にならないなどと言ってはいけないという
物書きとしては敗北だという
なんとしても言葉をヒネリ出して
その美味しさを表現せねばならないのだという
しかし
出ないモノはは出ないのである
本当に筆舌に尽くしがたいのである
とりあえずこの一口で
ボクは柳川に住みたくなった

北原白秋記念館へ行く
白秋の生家を改造して作られた記念館の奥に
新しく建てた資料館がある
玄関のレイヤーのトリックには声をのんだ
まるで白秋がぼーっと立っているようなのだ

待ちぼうけ
待ちぼうけ
ある日せっせと野良稼ぎ
そこへうさぎが飛んで出て
コロリ転げた木の根っこ

待ちぼうけ
待ちぼうけ
しめたこれから寝て待とか
待てば獲物が駆けてくる
うさぎぶつかれ木の根っこ

待ちぼうけ
待ちぼうけ
今日は今日はで待ちぼうけ
明日は明日はで森の外
うさぎ待ち待ち木の根っこ

待ちぼうけ
待ちぼうけ
元は涼しいキビばたけ
今は荒れ野のホウキ草
寒い北風木の根っこ

いや実に優雅である
北原白秋・享年五十七歳
ボクももうすぐだ

帰りの飛行機までに時間があったので
天神へ戻って焼き鳥で軽く一杯やるつもりが
急に寿司が食いたくなって安くて美味いと評判の「鮨金」へ行く
二三貫つまんで出るつもりが軽く三十貫ぐらい食う
もう耳の穴から寿司ネタが出そうだ

ああ食い過ぎた
ああ食べ過ぎた
夕闇が迫る頃ボクを載せたジャンボ機は福岡を発った

慌ただしく食いまくった小さな旅だったが
面白かった
またぶらりとどこか知らない町を
パックロッド一本忍ばせて訪ねてみよう
そうしよう
そうしよう


31 may 2005 exceeding is in a slump

今日で五月が終わる
喪中のヱンドレス森下と
魚釣りに行く

■想い出ボロボロ池
土手の上からのぞくと
池の水位が若干だが下がっている
チャンスだ
さっそく熊手を持って土手を下りる
水はクリアだ
泥底に埋もれて何やら少しだけ赤いモノが見える
もしや‥‥‥
熊手を静かに差し込んで持ち上げる

やった!
ヒットだ!
ジャンキー内藤のプライヤを1ヶ月半ぶりに救出する

■福住大池
夕暮れ時
岸沿いで大きなバスが背鰭を立てて小魚を追う
すかさずChing Dong Stickを投げたが
水面は盛り上がらなかった
なぜだ!

池の向こうに日が落ちる

夕焼けは悲しいほど美しかったが
今年まだボクはプラグでバスを釣っていない
長いあいだバスを釣っていない
少し焦る

■ナマズ
日が暮れてナマズ釣り
この時期ナマズは楽勝だとタカをくくる
しかし
いつもと同じように
いつものポイントにChing Dong Stickを投げるが
どういうわけかまったく出ない
いつも必ず出るポイントで出ない
結局
1バイト0ナマズに終わる
最悪だ
ナマズを侮ってはイケナイと言うことだ
喪中のヱンドレス森下は10バイト2バラシ
良く出したものの結局ボーズはボーズだ

■本日の釣果

プライヤ1コだけ



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