@ngling net / ikasas ikuy talks to myself passed tales / current tales 1 feb. 2006 (wed) made in indonesia 100円ショップでインドネシア製のグラスをみつけた ずいぶん前に買ったものと同じ型のグラスである 今日買ったのはカタチは同じだが一回り大きい ずっしりと重みがあって手に馴染む 前に買った小さい方と並べてみる これを100円で売って なお儲かるというのだから驚くしかない しかしよく見ると 二つ買ったうちの片方は 製造工程でできた傷がたくさんある もう一つはまったくの無傷だ もっとよく見て買えばよかったなぁ‥‥‥ と思ったが 思ったところで100円である 少々の傷で文句を言ったら罰が当たるというものだ それでも 傷のない方は本当に美しい 文句を言ったらバチが当たるのはわかっているが 傷のある方もない方も どちらも一つ100円なのである 2 feb. 2006 (thu) abeno 阿倍野筋‥‥‥ 最近ちょいちょい昼酒を呑みに行く居酒屋の近くに ぽつんと佇む一軒の不動産屋 間口一間、奥行き数間の小さなちいさな舗である ガラス扉ごしに中を覗くと 客と店主がなにやら歓談していた 鰻の寝床のような周旋屋(Rollei35T) よく見ると、不動産屋の両どなりも後ろも空き地になっている つまり、ぐるりはみな地上げ屋に買収されているのである この周辺は再開発であちらこちらがこういう状態になっている 周囲の喧噪を余所に孤軍奮闘、頑張っているのである フィルムカメラでその勇姿を納めておいた 3 feb. 2006 (fri) study room 書斎と呼ぶには あまりにも物置然としたボクの部屋である あるものといえば 本棚のほかには音楽再生装置と旧式マック あとは整理のつかない釣道具だけだ 押入が洋服ダンス代わりになっている 一日じゅうPeaceの紫煙がけむる男臭い‥‥‥というより 単に臭い部屋である 窓の外は雨だ 4 feb. 2006 (sat) incense stick 香を焚いている 数年前 京都の町を散策したときに見つけたのが最初だ 以来ボクの密かな楽しみになっている 最初は専用の香炉を使っていたが 最近はコーヒーカップや蕎麦猪口である コーヒーの出涸らしを半分ぐらい入れると立てやすい 凛とした香りが好きだ 煙草と線香とビタミン剤 長くはないなと自分でも思う 5 feb. 2006 (sun) candle light 2 いま 我が書斎はローソクがブームだ 富士の麓に住む妙齢の女性に戴いたモノだが これがなかなかいい 何度も点けたり消したりしているうちに ずいぶんちびてきた 芯の周囲が陥没してきている 「いくらでもあげるよー」と言っていただいたが そうそう無理も言えない よし 自分でつくってみることにしよう そうしよう そうしよう それにしても 線香を立てたり 蝋燭を灯したり 随分と抹香臭い我が書斎である 6 feb. 2006 (mond) isa-nishiki ゆうべ 尼崎にある琉球料理店へ行った ライブでもやってるかなと思ったが 三線教室しかやっていなかった やっぱり琉球ライブはうるま御殿だ 大正区まで足を運ばねばならない ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ 朝起きると寒い‥‥‥ 窓を開けるとまた雪が舞い始めていた 今年は宝塚でもよく雪が降る年だ はやく桜の咲く季節になってくれないか はやくバスと鯰が釣りたい‥‥‥のである ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ 寒い夜は鍋だ 河豚、蟹、鴨、牡蛎‥‥‥ そして酒は芋のロックだ 寒い夜でも ボクは酒は冷たいのがうまいのである 決して贅沢な酒ではないけれど 極上の贅沢が味わえるのだ 無濾過 伊佐錦「黒」 大口酒造協業組合 凍みる季節に 沁みる酒である 7 feb. 2006 (tue) cat in winter 雪ヤコンコ 霰ヤコンコ 降ッテワ 降ッテワ zung zung 積モル 犬ワ喜ビ庭カケ回リ 猫ワ炬燵デ丸クナル ニッポンの家ネコは極めて寒さに弱いのである 我が家の大小二匹のネコたちも 寒さにはからきし弱い 冬の間は 家の中の少しでも温度の高いところを嗅ぎ分けて 丸くなっているのである そうやって 春を待っているのである 一匹入るのがやっとの小さな段ボール箱に 縺れ合いつ 絡み合いつ 二匹が平和な惰眠を貪っている 小さな段ボール箱の中に納まって暖をとりあう まったくネコとは 愛おしい生き物である 8 feb. 2006 (wed) bamboo line grip やっと 先月仕入れたバンブーグリップが完成した 自分の手に合う太さを選ぶので 布袋竹一本につきグリップ一本しか作れない 太い部分や細い部分は捨てるしかない 喜一郎さんのおかげで安く仕入れられるとはいえ けっこう贅沢な部材になる 上:フェザーウエイト、下:ゼニス こんなものを作っているヒマがあるのなら はやくルアーを作れ というお叱りのお言葉を胸に仕舞いつつ せっせせっせと作っているのである 2006年製作分からグリップエンドのマークを変更した 新しくなった「泥水本舗のロゴマーク」 この一見あほらしいようなバンブーグリップ 布袋竹特有のコブコブが絶妙の握り具合を生み出す 釣り人の手と釣り竿が一つになる 計算上は これでCasting accuracyが15ポイントupする つまり 944のバスが年間2匹よけいに釣れるのだ お安いものではないか 9 feb. 2006 (thu) candle light 3 ろうそくを作る と言っても材料がろうそくなので 「作る」というのはおかしい 言うなれば ろうそくを「美しく変貌させる」であろうか 仕入先は駅前の100円ショップ お仏壇用のろうそくと水性クレヨンを買い求める さて ろうそくを「美しく変貌させる」手順だが lyneさんのBLOGサイト 「Blues'n Blog」にその全てが書かれているのだ その1 手作りキャンドル♪ その2 お風呂でキャンドル♪ さっそくやってみる まずろうそくをボウルに入れて湯煎にかけて‥‥‥か ええい面倒だ 手鍋に折ったろうそくを入れて直接火にかける うわ! もうもうと白煙が‥‥‥火が強すぎるかな トロッと溶けだしたと思ったら わわわ! 鍋に火が入った! 火事だ! 消火!消火! なんとか大火は免れたが こんなことをやっていたのでは家が何軒あっても足りないぞ よし 今度はとろ火でやってみよう おお! うまく溶けだしたぞ 溶けたところにクレヨン(黄色)の調味料を少々 おお! いい色が付いてきたぞ ハーブオイルはないので省略だ アルミ缶を切ってそこへ溶けたろうを流し込む ジュジュジュジュ! うわ! 鍋肌が焼けているのでろうが飛び散る! あぢぢぢぢ! 火傷だ!火傷だ! というわけでなんとか一本できあがった むむむ なかなかステキじゃないか さっそく火を灯してみる グラデーションをつけてみようと試みたが 見事にツートーンカラーになっている それにやっぱり香りも欲しいな この次はカツオ風味のロウソクでも作ってみるか わはははは 10 feb. 2006 (fri) earthworm ヱンドレス森下と神戸の町を徘徊したついでに いつもの釣具屋へ立ち寄る 目的はイナガキさんが紹介していた蚯蚓(ミミズ)である 「バークレイのりんたろう蚯蚓あります?」 「はいはい、ビン入りですね」 蚯蚓はあっさり見つかった 「おお、コレコレ」 ラベルには「小型蚯蚓42本入り」と書いてある さらに「人やペットに食わしてはイケナイ」などと お馬鹿なことも書いてある さっそくひとビン買って帰る むむむ これはまったく蚯蚓である ラベルのすき間から 色といい、艶といい、形といい いかにもといった蚯蚓がのぞいている 外蓋を開けると中はしっかりと密封されていた ビンを傾けるとニョロニョロと蚯蚓が蠢(うごめ)く どんな臭いがするのだろう‥‥‥ 興味はあったが 家の中で開封する勇気はなかった よく晴れた日を選んで 近所の池でこいつを投げてみよう コブナ、コギル、コバス、モロコ、ザリガニ‥‥‥ 大きなコイが食うかも知れない そうだ 阿波路島で投げてみても面白いなぁ コメバル、コガシラ、アナハゼ、ベラ、フグ、クジメ‥‥‥ これ一本で十目釣りも夢ではないぞ こんどタイへ行くときはこれを買っていこう これで釣れるなら もうシゲちゃんに蚯蚓掘りを頼まなくてすむな 本日の徘徊コース 南京町・海星→大上鞄店→L.L.Bean→ボントン→F.MAX→イシバシ楽器 11 feb. 2006 (sat) battery of ipod 買って2年目が過ぎたiPodである 鞄に入れて持ち歩くので液晶表示窓は傷だらけだ せめて携帯電話並の強度のある窓にして欲しいものである 新しいiPodが次々に登場して すっかり時代遅れ感がただようボクのジュークボックスである ぼちぼち買い換え時期では‥‥‥という声もあるが 愛着があってなかなか捨てられないのである モンダイはバッテリだ 買って1年目に交換したバッテリが またも音をあげ始めている 電車の中ではボリュームをいっぱいに上げるので 2時間が限界だ もういちどバッテリ交換をするか それとも新品を買うか おおいに悩むところである しかし それにしても 世の中にこれほど平和な悩み事が あるものであろうか 12 feb. 2006 (sun) takada wataru amazon.comで高田渡のCDアルバムを2枚買う DVDもあったが買わなかった ボクにとって タカダワタルは「ヱ」ではなく「音」だからだ それにあの 実年齢以上に老け込んで草臥れ果てた顔を見ても しょうがない気がしたからだ 左:ヴァーボンストリートブルース 右:ねこのねごと いずれも タカダワタルが どんな音楽を愛したがよくわかるアルバムだ 明るさの中にそこはかとなく寂寥感ただようタカダイズムだ 昼間から ボクの最重要音楽再生装置であるiBookG4にぶち込んで ヘッドフォンを耳に当て独り聴いている ネコがひざの上で居眠りを始めている 13 feb. 2006 (mon) blues ジャケットの迫力に圧されて また聴きもしないブルースを買ってしまった "Drop Down Mama" ‥‥‥オムニバス盤だ Jonny Shines Robert Nighthawk Honey Boy Edwards Floyd Jones Big Boy Spires Blue Smitty いずれも聞き覚えのあるブルースマンであり ブルースの歴史を語る上で必要不可欠な人物である しかし ボクには何か物足りない 同じデルタブルースであるし 初期のシカゴブルースではあるけれど‥‥‥ 例えば Robert Johnson Lonnie Johnson Son House Blind Blake Blind Lemon Jefferson Sonny Boy Williamson Howlin' Wolf Kokomo Arnold Lightnin' Hopkins Muddy Waters Elmore James とは 明らかに何かが違うのである 14 feb. 2006 (tue) tram 天王寺の陸橋の上から はるか南の方角を眺める 眼下には阪堺電軌上町線の天王寺駅 旧き佳き時代をとどめる路面電車の北の終点だ 御堂筋と並んで大阪を南北に貫く谷町筋だが ここから南は「あべの筋」と呼ぶ(Rollei35T) 少し昔までは 大きな町の 大きな通りには 必ず路面電車が走っていた ところが 気がつくと いつのまにか 電車は道路の下に埋められてしまっているのだ サブウェイ サブウェイ もう 車窓から 町の様子を眺めることはできないのである 兵庫県の尼崎から天王寺まで まるでボクらはモグラにでもなったかのように ずっと穴の中を走って行くことができるのだ 土竜よ土竜 穴掘る土竜よ 君は地下のあなぐらの帝王だ お天道様を知らずに死んでゆくのだ 現代の都市交通はクルマが最優先だ 完全無欠のクルマ社会なのだ ふと見あげると 頭の上には クモの巣のように張り巡らされた高速道路だ 地表も空中も 排気ガスをまき散らしながら 洪水のようにクルマが流れているのである クルマを操縦する人たちは口々に 路面電車は「遅い」し「邪魔」だという オマエなんか「地べたの下でも走ってろ」というわけだ こうして 追いやられた電車は土竜になって 逢坂の土の下を這い回っているのである もし逢坂の町に 環状線と阪堺電軌のチンチン電車がなかったら 地べたを歩くボクらは 電車の存在さえ気づかないのだろう 長崎、廣島、富山、函館 そして 辛うじて逢坂の南部には いまも路面電車が走っている トラムが走る町は 心が和むのである 少なくとも 急な用事のないボクは 心が和むのである 15 feb. 2006 (wed) town 近代都市は 高層ビル群と地下街に集約される 平屋建てや二階建てでは土地が足りなくなっているのである 小さな建物を取り壊して跡地に高層ビルを建てる いままで平屋だったところに50階建ての高層ビルを建てると 50倍の人間が住み暮らせるという単純な計算なのである したがって 人はみな垂直移動を余儀なくされる エレベータやエスカレータで あるいは階段をひいひい言いながら 狭い地べたのうえを「上下」させられているのである 次々に取り壊される都会のオアシス 「お初天神商店街」の一角にて(Rollei35T) 少し昔の町は商店街に集約されていた 駅前から一直線に伸びた商店街と そこから枝分かれした迷路のような路地をたどって それぞれが それぞれに それぞれの目的の場所へ移動したのだ つまり ボクらは平行移動が身に染みついているのである したがって ビルの28階にあるレストランの食事は とても不味いのである passed tales / current tales |