@ngling net / ikasas ikuy talks to myself passed tales / current tales 1 apr. 2006 (sat) april fool 四月一日は"April fool"である 起源は十六世紀のヨーロッパらしい この日の午前中に限り 害のないウソをついても構わないという風習になっている 日本では「四月馬鹿」と呼ぶ しかし 今年はウソをつく人には一人も出会わなかった 世の中が無味乾燥化し始める前兆だろうか 先月の3日で6歳になった佐々木ラムタラ 体重は7キロぐらいある かなりの大型猫だ 趣味は昼寝 特技も昼寝である 猫は決して嘘をつかない それにしても なんと美しい動物だろう 2 apr. 2006 (sun) spring rain 春の雨だ 未明から降り続いている 花見弁当を買って夙川の土手へ行く しかし 今年はまだ桜が咲かない 仕方がないので弁当は家で食べることにする もうじき4歳になる佐々木ヴェガ 猫の写真を撮る 暴れ回ってなかなか撮らせてくれないので 太股で羽交い締めにして無理矢理写す 何もない平凡な日曜日だが たまさかにはこういうのも悪くない 妻が介護福祉士の試験に受かった 褒美にキスをしてくれとせがむので 酒でも呑めと言った 昼間から 夫婦で酒をちびちび飲んで過ごす 3 apr. 2006 (mon) riverside district tanago ようやく春の日差しが戻ったので 近所の川へタナゴ釣りに行く 昼頃から釣り始めて夕方に納竿するまでに タナゴ90匹、カワムツ18匹を釣る 婚姻色の出たアブラボテの♂‥‥‥川の宝石だ この前は1匹しか釣れなかったアブラボテだが 今日は20匹以上釣れる シロヒレタビラ♂の10cm級 シロヒレタビラも数匹釣れる 大型の♂の腹部は毒々しいぐらい黒くなっている これぐらいのサイズになると結構竿を曲げてくれる タナゴ釣りの醍醐味は数釣りにあるという 関東には「タナ研(タナゴ釣り研究会)」というのがあって バスをチャーターした会員が大挙して出撃し いかに小さなタナゴをたくさん釣るか その熟練した釣技を競い合うらしい ボクの愛読書、開高健著「完本私の釣魚大全」第一章の三 「タナゴはルーペで釣るものであること」にこう記されている 何しろ師たちの一日の釣果は、今日のように荒れた日はべつとして、ふだんなら”一束””二束”を単位として数えられるほどのもので、一束は百匹だから、一冬中に釣られる数は他の川魚には見られない、とほうもない数になりそうである。件の安食さんは一日に千六十匹釣ったことがあるという。それが最高かと思っていると、やがて千百匹釣る人があらわれたそうである。四十匹や五十匹なら竹ボウキの竹でも釣れようが、四百匹、五百匹となるとスイス的精度と熟練の技が動員されねばならず、そうなってこそこの釣りの妙味があらわれるという。タナゴはおびえやすくて敏感だが、いつもお茶ッぴいでおなかをすかしているから、テもなくやられてしまうらしい。春になってニガくならなければ年中狙われて、とっくに絶滅してしまっているかもしれない。 しかし こうもシャカリキになって釣ることに妙味を憶えるというのなら ボクなど到底この釣りに馴染めそうにないのである 江戸時代から玩物喪志の極みであるとされるタナゴ釣りが この程度の幼稚で厚顔無恥な「遊び」であるのなら ボクはこういう釣りはやりたくはない 魚は一束、二束などと数えず やはり、1匹、2匹と数えたいのである たとえば ↓のような写真をたくさん撮って あとから眺めてみても少しも美しくないではないか 釣り始めは大型(8〜10cm)が先に食ってくる 7.5cm水槽では5〜6匹が限度 窮屈で苦しそうだ‥‥‥動物愛護協会からクレームがきそうだ 大型を釣りきると次に小型が釣れ始める まるで中学校の理科室にある小魚のホルマリン漬けだ 撮影用水槽に入れるのが面倒になってバケツ撮影 タナゴ釣りのホームぺージを眺めていると 「いっぱい釣ったぞ」といわんばかりにこういう写真がたくさん出てくる ああ こういうのはもうやめなければイケナイなあ‥‥‥ ■エポックメイキングな出来事 埼玉の稲垣氏からいただいた Berkleyの"Power Blood Worm"(アカムシワーム、以下PBW)で タナゴが釣れた! しかも小1時間のあいだに10匹である 1匹や2匹なら偶然ということもあるが 10匹釣れたということは まちがいなくPBWは「タナゴに効く」ということだ これは素晴らしい発見である ホンモノのアカムシだの タマムシのハラワタだの ニワトリの卵の黄身だの そんな不気味なモノを使わなくても ちゃんとタナゴは釣れるのである ただし釣り方に少しコツが要る つまり どういうことかというと キミネリやグルテンα21に出るアタリと PBWに出るアタリは違うのだ エサの場合は「ツーー」あるいは「ツツツ」というアタリが多く 「ツーー」はどこで合わせても釣れるし 「ツツツ」もタイミングさえ合えば釣れる確率は高い しかし PBWの場合は「ツン」で終わりなのである つまり口にくわえている時間が極端に短いのである したがって 浮子が「ピクリ」と動き始める瞬間を捉えて 素早く竿を立てなくてはいけないのである タナを上げすぎるとカワムツに先にやられてしまう PBWはカワムツの大好物なので 今日も何匹か釣れたことはいうまでもない PBWを丸飲みのアブラボテの♂(左)、軽くくわえた♀と思う(右) 3〜4cmの小型魚でもPBWをくわえることもわかった アワセのタイミングは極めてむずかしい これもPBWで釣れた全身にゴマ模様のあるタナゴ これは別種か交雑種か 前回に続きこういうタナゴが数匹釣れた 鈎への刺し方は 2節をチョン掛けにするか 3節を鈎に縫い刺しにするかだが 縫い刺しにするとちぎれないので何匹も釣れて楽である そのうち PBWだけでタナゴ釣りをしようと思う タナゴのルアーフィッシング こんな面白い釣りを提唱してくれた稲垣氏に あらためて感謝申し上げる 日がとっぷりと暮れてから ナマズ釣りに転戦 チンドンスティックで今季初ナマズを釣る (詳細は4/4付けtmにつづく) 本日の釣果 イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)‥‥‥59匹(ゴマタナゴを含む) アブラボテ‥‥‥23匹 シロヒレタビラ‥‥‥8匹 カワムツ‥‥‥18匹 ナマズ‥‥‥2匹 4 apr. 2006 (tue) first catfish 2006 タナゴをしこたま釣ったその足で ナマズを釣りに行く 春先に実績のあるポイントを数カ所さぐり歩く しかし 「ウン」でもなければ 「スン」でもない 時期尚早か‥‥‥ それでもあきらめきれず 最後の砦「大堰堤」へ チンドンスティックの数投目 堰堤下の流れの速いとこを「シャカシャカシャカ」と通すと 「ポコ!」 「出た!」 迫力もなにもないがナマズだ! 軽い! 小さい! 一気に引き抜く 今季初ナマズはうれしはずかし38cm もちろんサイズなどモンダイではない 釣れたことに大満足だ さらに 同じポイントへ‥‥‥ 「ペコ!」 「出た!」 うわっ! これも小さい! 同じサイズだ 同じ日に生まれた仲の良い兄弟なのだろう よし 返してやろう 返してやろう その後 堰堤の上のプールで7発出て2バラシ 最後にラインがガイドを巻いて チンドンスティックが飛んでいってしまったのが残念だが いや don't mind don't mind 歩き回ってへとへとだが 悪くない 悪くない 5 apr. 2006 (wed) sky blue sky 写真に撮る青空は 実際に見る青空とはずいぶんちがう気がする 肉眼では優しくて暖かい青だったのに カメラのレンズを通すと冷たい青になる 携帯電話付属カメラで撮った写り込みの逢坂の青空 去年だったか一昨年だったか Rollei35テッサーで撮った逢坂の青空が一番好きだ 逢坂歴史博物館へ行ったときだ あれ以来 あんな青が撮れたことがない 春の空は霞がかかってぼやけた青だ 秋になったら 青空をたくさん撮ろう そうしよう そうしよう 6 apr. 2006 (thu) power knob メコンオオナマズ用のコンクエスト401を パワーハンドル仕様にしてみた オリジナルのハンドルも悪くはないが ビッグフィッシュを相手にするにはひ弱に見える 大物師は見た目が命だ 去年の夏651のタコ釣りでなくした カルカッタ401に元々装着されていた金色のハンドルを流用 ついでにノブも握りやすい「丸餅」型にした ジギングロッドにセットして空まわししてみる おお! いい感じだ! これなら瀬戸内海のライトジギングにも対応できる もちろん 船からタコテンヤを落として 2キロ級の大ダコを巻き上げるのに申し分ない 上から見るとこんな感じだ うむ‥‥‥ いかにもパワーがありそうに見える この丸餅(桂材) 東急ハンズで1コ210ヱンで買った 売り場でこいつを握った瞬間 パワーノブ改造計画がひらめいた うむ‥‥‥ 釣り師はひらめきが大事だ 7 apr. 2006 (fri) tsuri-bito 友人水橋カチヒロに雑誌を送ってもらった 月刊「つり人」5月号 ■巨魚ハンター武石憲貴のこと 「今月のヒト」というコーナーで 武石憲貴(たけいしのりたか)が紹介されている 言わずと知れた「武ちゃん」である 残念ながら巨大魚を抱えている写真はなかった 単なるインタビュー記事だった 少し期待はずれだった もちろん ボクは彼が有名人になることを願っているわけではない 彼が世界中の巨大魚と戦う姿を見てみたいのである 単純に見てみたいのである 彼の世界への挑戦は今が旬だ この挑戦が淀みなく続行されることを願うばかりである そして 平凡な一釣り師として 彼と彼の生き様を応援したいと思っているのである ■雑誌「つり人」のこと 今から去ること十数年前 この「つり人」から寄稿依頼がきてバスのことを少し書いたことがあった 後日 掲載紙が送られてきたのだが原稿料は添えられていなかった まあいいかと思っていたら 日本議事餌釣連盟の本部から 「J.L.A.A.の名称を冠している以上は必ず原稿料をいただいてください」 と言われ渋々催促することになった つり人社あてに手紙をしたためた 帰ってきた返事は 「経営難にゆきしばらく待たれたし」 であった なんと一方的な理由であることか あはは この雑誌はもうつぶれるな‥‥‥とボクは思った ところが数年前のこと 釣り雑誌の編集に携わっている友人細谷洋介から 「つり人は読み応えのあるいい雑誌ですよ」 と聞いた そんなはずはないはずだとボクは思ったものである もうとっくにつぶれたんじゃないのかと言ったものである 釣れてないけれど読み応えのあるいいハナシ なるほど 手元に届いた「つり人」2006年5月号を見る限り 細谷洋介の言うとおり つぶれる運命にある雑誌とは思えぬ見事なデキになっている 肩の力が抜けた「趣味の世界」を堪能できる雑誌になっている なにがなんでも釣ってやろうという力みがない 「釣れなくても釣りは楽しいよ」という域に到達しているのだ ルアー・フライ釣り雑誌にありがちな 魚をつかんで勝ち誇っている「ヱ」がまったくないのである 竿を口でくわえたり白目をむいている写真が一切ないのである 最近のボクは このテの自慢げな写真にうんざりしている とても疲れるのである この本のウリは「ほのぼのとした釣り風景」であろうか なにしろ ボクと同年代か少し先輩と思しき老釣師が登場して 半ばお子さまの目をしてフナや磯の小物と対峙しているのである そして釣り上げた魚を手に 嬉しげにかつ照れくさげにニッコリ微笑んでおられるのである 「釣り」とはこういうことだなとボクは改めて思い知った こんな雑誌なら何冊読んでも疲れるということがない あのとき ボクが強引に稿料の取り立てをしていたら つり人社は倒産していたかもしれないなぁ‥‥‥ 8 apr. 2006 (sat) power knob 2 コンクエスト401のパワーハンドル&ノブ化に気を良くし 調子に乗ってABU7001Cのパワーハンドルもパワーノブ化を図る 作業は順調に進み 前回より短時間で完成した‥‥‥と思った ところが ハンドルを回してみるとノブがクルクル回転しない おぉまいがぁ! やってしまった! 接着剤の量が多すぎて ノブと軸の間に流れ込んでしまったのだ すでに半日以上経って接着剤はカチンコチンである これはダメだ こんなハンドルを一日中回していたら へのひらがずるむけになってしまう 手の皮が何枚あっても足りないではないか ああ つ つらい‥‥‥? 9 apr. 2006 (sun) yamato 先日 地元のカレーうどんの名店として紹介した めん処「大和」の画像である カレーうどん630ヱン 安い たしかに上六の福一屋に比べたら割高だが 上六までの交通費を考えたら やっぱりここがコストパフォーマンスナンバーワンだ いやいや そういう比較の仕方はイケナイナ いくら家から近いとはいえ こんな所で留まっていたのでは ボクのカレーうどんの旅は前に進まないではないか けど 修行帰りに軽く一杯‥‥‥ 10 apr. 2006 (mon) thang cafe 神戸を徘徊する OLIVIA セルフモーニングコーヒー260ヱン 安い! ↓ Ishibashi楽器 エリクサとサムピックを買う ↓ Fishing Max ありとあらゆるモノを買う いらんもんまでついつい買う ↓ UNIQLO 雨が降ってるのでL.L.Beanまで行くのをあきらめる 靴下8足とショルダーバッグ2つ買う ぜんぶで3000ヱン‥‥‥安い! ↓ Thang-Cafe シャ、シャッターが‥‥‥ ↓ 粥粥 ランチセット満腹1050ヱン こ、これは美味い 雨が降っているので できるだけアーケードの下や地下街づたいに歩く 昼 ぴちぴちさん推奨のベトナム料理屋へ行く 寝不足でアタマがボケていたので 店の名前が思い出せない もともとボケているのかもしれない たしかサンプラザの地下‥‥‥ 案内図にベトナム料理「タンカフェ」とある そうそう タンさんという男前のお兄さんの店だ 行ってみると店はすぐに見つかった‥‥‥が 「あれ?シャッター降りたあるがな」 「もう昼過ぎてんのにどゆこっちゃ?」 「あれ?なんか貼り紙したあるぞ」 「なになに‥‥‥」 「え〜〜〜っ!」 「食材買い付け‥‥‥?」 「どゆことそれ?」 「15日(土)から営業‥‥‥?」 「うわ、今日まだ10日やがな」 なるほど タンさんはベトナムへ里帰りしているらしい サンプラザB1は小汚い食堂街だ 僕の好きなB級グルメ街だ いつも行く不味い餃子専門店「イチロー」がすぐそばにある あきらめて帰りかけると イチローのオヤジが開店準備をしていた ボクの顔を見て 「もういけまっせー」 「いらんわいオッサンの不味い餃子なんか」 「またおこしー」 「けーへんわい」 結局 遅い昼飯は粥粥の中華粥定食になった うむ ここのお粥は美味いなぁ‥‥‥ 11 apr. 2006 (tue) day of rain 天気が佳ければ どこかへ釣りにでかけようと思った休日だが 朝から晩まで雨だった なたね梅雨というのだろうか ほんとうにによく降る 釣りはまた来週だ ヒマなので カレーうどんを作ってみる 【材料】 冷凍うどん1玉 豚肉50g 青葱 おかべ屋の鰹出汁 S&Bカレーパウダー 醤油 ガラムマサラ コリアンダー コンスターチ(本当は) できた コンスターチがなかったので出汁はサラサラだ カレーパウダーが多すぎた‥‥‥辛い ガラムマサラとコリアンダーは要らないなあ 生まれて初めて造ったカレーうどんは 100点満点で35点だった ああ 釣りに行きたかったなぁ‥‥‥ 釣り道具でも作ろう‥‥‥ 12 apr. 2006 (wed) accessory of reel やっと雨が熄んだ 長雨で釣りに行く気分が殺がれてしまった ナマズなら釣れそうだが‥‥‥ マリチプライヤリールを買うと 必ずオマケで付いているのがこの六角レンチ ハンドルやドラグレバーを取り外すためのツールだ 先端はマイナスドライバーになっている 安っぽいつくりだが okabakoに一個入れておくと結構役に立つ ABUとSHIMANOばっかりだ 押入や引き出し タックルボックスなどを整理していると 出てくるわ出てくるわ‥‥‥ 無いと困るツールとはいえ こんなにあっても仕方がない‥‥‥ 番手によって口径が違うものもあるが 工具箱に一個あれば十分なので ほとんど使われることなくあちこちに離散している もう少し上等な作りだともっと大切に扱うのだが‥‥‥ 同じく オマケで付いてくるのがリールオイル これも至る所に散らばっていて収拾がつかない ここら辺りにありそうだぞと目星をつけて探すと 必ずといっていいぐらい出てくる オイルも当然ながらABUとSHIMANOばっかりだ これもほとんど使うことなく放置されている なにしろ リールのメンテなど滅多にしないのである だいいち オイルはCRCでシュッと一吹きするだけだから こんな面倒なオイルはまず使うことがない ABUにしろSIHIMANOにしろ 一台数万円もする高級釣り具にしてにはアクセサリー類が安っぽい レンチの持ち手の部分にラバーを巻くとか オイル注しを高級感のある金属缶にするとか 「釣り」という夢を売る商売なら それぐらいの工夫があってもよいのではないか‥‥‥ 13 apr. 2006 (thu) sake is quietly drunk alone in daytime 昼酒は一人静かに呑むべし 若い頃は 酒は日が暮れてから呑むべきモノで それが酒に対する礼儀だだと思っていた 真っ昼間から酒を呑むなど 酒に失礼であると思っていた なんともレトロなラベルの薩摩焼酎「アサヒ」 歳を取ってから気づいたのだが それは間違いである "Sake is quietly drunk alone in daytime" 今はこれを信じて疑わない 非現実的な空想をたくましくすること つまり 白昼夢の極みである 夕方以降の酒場はイケナイ サラリーマンが鬱憤を晴らしにやってくる 喧しくてしかたもない 平日の真っ昼間 忙しく働きまわる人の波を後目に 静かな居酒屋で呑む一杯 極上の一杯である 14 apr. 2006 (fri) sake is quietly drunk alone in daytime 2 昼酒は独り静かに呑むべし(その2) 大勢で呑む酒も たまさかには悪くないが 飲んで騒いで丘に登るだけのことになりがちである 残念ながら そこには「しみじみ」としたものが無い ひとと飲むのであれば 二、三人にしたい 美少年酒造「南薫」‥‥‥なかなか気品のある芋焼酎 それ以上になると話が大雑把になる 話し上手も、聞き上手もあったものではない たしかにたのしい時間ではあるが 好ましい酒ではない その点 独り静かに呑む昼酒は 一切合切のしがらみから解き放たれた 自らの魂と語り合える時間なのだ つまりそこは 社会も家族も友人もない 「まったくの自分」だけの世界なのだ 語り合う相手は 酒だけである 15 apr. 2006 (sat) rizonatar guitar ひとむかし前 リゾネータギターが一本欲しくて ナショナルにしようかドブロにしようかと 迷った挙げ句に買ったのがこのジョンソンだ もう二年ぐらい弦を張り替えていない 指で弾くと「ぽくぽく」と木魚のような情けない音がする 弦を張り替えよう‥‥‥ 腐り果てたマーチンのミディアムゲージを ニッパーでバチバチ切って取り外す 弦を張り換える前にボディをピカピカに磨く と そこで ついでにリゾネーターのフタを外してみることを思いつく 買ってから一度も中を見たことがない まずエンドピンを外してテールピースを取り外す 9本の木ネジで止まっているステンレス製の円盤(フタ)を外す プラスドライバだけで簡単に分解できる うわっ! フタを外すと 渦巻き模様が刻まれた奇怪な円盤が‥‥‥ 渦巻き模様の奇怪な円盤はアルミ製で サウンドホールの枠にはまっているだけだ ビス止めもなにしていないので手で簡単に取り外せる 持ち上げてみると‥‥‥軽い キャンプ用の食器のような薄いアルミ製のお盆だ 渦巻きの中心には アイスホッケーのパックのような黒い小さな円盤が乗っていて その上にブリッジが接着剤で取り付けられている ブリッジはなんと木製である 象牙でもプラスチックでもなく白木のブリッジだ 不思議な渦巻き円盤を取り外すと中は空っぽである 縦横に力木が施されている 中は埃もなくきれいだ 「へえ、こんなふうになっているのか‥‥‥」 円盤とフタを元の位置に戻して エリクサのミディアムゲージを張る 適当にチューニングをして "Come On In My Kitchen"を弾いてみる おおお! なんと良い響きだ まるでロバートジョンソンだ! そうか こんないい音が出るギターだったのか よし マディもやってみるかな "I Can't Be Satisfied"はどうだ passed tales / current tales |