@ngling net / ikasas ikuy talks to myself passed tales / current tales 16 apr. 2006 (sun) lammtarra 結局 いちども釣りに行かないまま一週間が過ぎた 釣りに行かなかった理由は雨だ 昔は雨が降っても釣りに出かけた いや 雨の降るのを待って出かけたものだ すっかり意気地なしになってしまった‥‥‥ つまらない一週間だった ネコは魚釣りをしない きっとボクより退屈な日々なのだろう 明日は釣りに行こう そうしよう そうしよう 17 apr. 2006 (mon) will go angling today 久しぶりの好天 いそいそと魚釣りに出かける 両岸を桜並木に挟まれた 長閑を絵に描いたような春の小川 小川と呼ぶには川幅がありすぎるが とろとろとゆったりした流れがタナゴを育む 残念ながら降り続いた長雨で川は増水し濁りがきつい メロンクリームソーダのような色をしている 果たしてこの濁りで タナゴは釣れるのだろうか‥‥‥ キミネリで釣り始めると 心配をよそに すぐにピクリと浮子が沈んだ 自作の竿を二本試してみた 一本は古い竹竿を改造した印籠七本継ぎの118cm もう一本はグラスのチューブとソリッドの二本継ぎ102cm 釣り心地はグラスの方が断然よかった 左:アブラボテ♀(3〜6cm)、右:イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)♀(4cm〜8cm) 濁りがきついせいか タナゴのタナは深い(50〜80cm) アブラボテもイチモンジタナゴ(実はカネヒラ)も♀の腹から産卵管が伸びている 左:カワムツ(3cm〜10cm)、右:ゴマタナゴ(実はカネヒラ)♂(4〜8cm) ■ゴマタナゴ イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)と同種と思うが ときどき鰭や体側に胡麻を振ったような模様のタナゴが釣れる いろんな図鑑で調べたがこんな模様のタナゴはみつからない 今日はアブラボテのメスがよく釣れた 小さな個体でもちゃんと抱卵している とても可愛いアブラボテの♀ アブラボテの♀は黒っぽくて地味だが ヌメリとした体表でぽってりしているところが可愛い 「アブラボテ」とはうまい名前を付けたものである よくみると鰭の縁や体側にうっすらと婚姻色が出ていて それなりに美しい 産卵管が伸びているアブラボテの♀ アブラボテはイチモンジタナゴ(実はカネヒラ)に比べて体が軟らかいように思う 上の写真のように尻尾のところが柔軟である 骨が軟らかいのではないだろうか あくまでも掌に乗せた感じだが‥‥‥ 一方 イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)はフナに似て体が硬い 産卵管が伸びた(まるまっているが)イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)の♀ 釣れ上がっても尻尾の先までピンシャンとしている これも♂に比べると地味だが それでも蒼と碧の美しい婚姻色を出している それにしても このアブラボテの♂の美しさはどうだ 見事な婚姻色が出ているアブラボテの♂(6〜7cm) こんな宝石のような小魚が釣れると ついつい持ち帰って家で飼ってみたい衝動にかられる 生き物を飼うのはむずかしい 特に観賞魚はむずかしい ボクはグラスキャットフィッシュで失敗して以来 観賞魚を飼うのをやめることにした 釣った魚をしばし眺めることで 持ち帰りたい衝動を押し殺しすことにしている ■PBW(パワーブラッドワーム) こんな濁りのときでもPBWが通用するか‥‥‥試してみる さすがに前回ほどアタリがない それでもときどきピクリと浮子に反応が出る しかし アタリはあるもののなかなか釣れない 稲垣氏推奨の一節刺しにしてみると ようやく乗った 結局40分間で イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)2匹 アブラボテ2匹 カワムツ1匹だった これだけ濁りがあると疑似餌は見つけにくいのだろう かなり強烈な臭いを発しているはずなのだが‥‥‥ エサをキミネリに換えると 再びアタリが頻繁に出始めた やはりキミネリの効果は絶大である 見事な婚姻色のアブラボテが釣れたと思ったら 尻尾がない‥‥‥ ザリガニに挟まれたのだろうか‥‥‥ 水に戻すとしっかりとした足取りで帰っていった うらうらと 春の日差しを背中にあびつつ 釣っては放し 放しては釣る‥‥‥ 世の中にこんな長閑な釣りがあってもよいのかと 少しく後ろめたい気がしないでもない 本日の釣果 アブラボテ‥‥‥32匹 イチモンジタナゴ(実はカネヒラ)‥‥‥24匹 カワムツ‥‥‥27匹 シロヒレタビラは釣れなかった 18 apr. 2006 (tue) shijaku katsura これは見事なマウスヱだ マウスヱ‥‥‥ つまりマウスで描いたヱである いったいどんなソフトを使っているのだろう 写真を模写したはずなのに 写真では表せない活きいきした表情が出ているではないか これを描いたのは三枝晴美という女性である 彼女の本業が何かは知らないし 会ったこともないけれど 素晴らしいシンガーであり 優れたペインターである 恐るべき才媛だ まったく脱帽である 19 apr. 2006 (wed) hishiume sauce ヒシウメソースについて 友人水橋カチヒロの実妹が 「ペットボトル入りより瓶入りが美味い」 と言っているらしい ほんとうなのか? にわかに信じがたい‥‥‥ うちにあるのはウスターソースはビン入りだが タマリソースは全部ペットボトル入りだ‥‥‥ ■ペットボトル? ペットボトルの原料はポリエチレンテレフタレート樹脂である 英記するとPoly Ethylene Terephthalateらしい つまり頭文字をとるとPET(ペット)となる なるほど なるほど しかし 早い話が石油ではないか 安全性がどうこうという問題以前に 食品を石油でできた瓶に入れていいのか? ヒシウメの味覚は保証できるのか? というハナシである ボクはさっそく久保商店に一升瓶入りを6本注文した おなじ1800cc入りなのにガラス瓶入りの方が50円安い 我が家では ビールも日本酒も焼酎もワインもウヰスキーも炭酸も ぜんぶガラスビンだ 牛乳も醤油もトマトケチャップも酢も味醂も素麺つゆも ぜんぶガラスビンだ ペットボトルや紙パックに入れてはイケナイ 液体は味が命だ 20 apr. 2006 (thu) nagata 神戸の西のはずれに長田区がある 正確には須磨区や垂水区の方がもっと西なので 西のはずれという言い方はおかしいが 須磨や垂水は神戸市であって「神戸」ではないように思う 阪神淡路大震災以降 なんどもなんどもテレビで紹介されている長田だが 実際に行くのはもう二十年ぶりになる JLAAの石川さんが経営していた喫茶店 友人水橋と「ブラウン」に行ったのが最後である あれから二十年‥‥‥ それにしても なんと寒々とした殺風景な町だ 私鉄や地下鉄の駅があって駅前には商店街もあるけれど 町からはまったく活気が感じられない 歩いているひとはみな疲弊しきった顔をしている 震災の傷が今なお人々の心を塞いでいるように思える 立派な佇まいの長田神社 (CASIO G'zOne) 結局 お目当てのベトナム料理屋はみつからなかった 聞いていた場所は更地になっていた もうやめてしまったのだろうか 知ってはいたが「ブラウン」もなくなっていた ボクは空腹だったが なにも食べる気が起こらなかった コーヒーの一杯をも飲まず 事代主神(ことしろぬしのかみ)に復興祈願しただけで 長田の町を後にした 21 apr. 2006 (fri) ergo power handle このまえ ノブを改造して失敗した7001のパワーハンドル 燃えないゴミの日に捨てることにした 代替えにABU純正パワーハンドルを買った "ABU Ergo Power Handle" エルゴとはどういう意味なのか‥‥‥ このハンドル リール本体と変わらない値段だ たしかに オリジナルのパワーハンドルとは格段の豪華さである ハンドルシャフトも金色で分厚い しかし 船の上からタコを巻くだけなのに こんな高価なハンドルが必要なのだろうか‥‥‥ 果てしのない疑問が頭の中で渦巻く まあ、買ってしまったものは仕方がない とりあえずリールに装着してみよう おお! なかなかいいカンジではないか 取り付け穴がふたつ開いていて選択できるようになっている 当然2キロオーバーのタコを巻くのだからハイパワーだ いや これなら20キロ級のミズダコでも楽に巻けるぞ しかし そのぶん手を大きく回転させなければイケナイ タコが乗ったときはいいけれど 乗っていないときはかなり無駄な労力を使うことになる 一日中やるとくたびれそうだなあ‥‥‥ 22 apr. 2006 (sat) all japan mebaru fishing championship 恒例・全日本メバル釣り選手権淡路島大会 今年もお馴染みのアホばっかりぎょうさん集まる それにしても この男のアホさ加減には恐れ入る ボクなど到底太刀打ちできる相手ではない 格が違うのだ 2匹のトータル50cmジャスト これはダントツの大会新記録である いや まいった‥‥‥ ■メバル釣り 年々釣法が進化するとともに 新たなポイント開拓が進んできている 昔は漁港の常夜灯の周りで ジグヘッドリグで釣るぐらいだったが 最近は想像もつかないような場所で 大型メバルが釣れることがわかってきた 飛ばし浮子を使い 今まで手の届かなかったところまで探る いやいや恐れ入る ニッポン人の釣りにタイする熱心さは 世界の称賛に値する ボクはというと 昔ながらのメバル釣りだ 変わったところといえば ワームがよっちゃんイカ味のバークレイGULPになったぐらいだ 竿はダイワの7.0ft-UL "Fishing Area Special" 名前が気に入らないが大好きなベナベナ胴調子 2LBナイロンでも合わせ切れしない 合わせ遅れはしょっちゅう‥‥‥ ボクはまだ明るい時間に尾崎へ行って 慎ましやかにこんなのを釣ったあと 育波のいつものポイントでマメメバルを楽しんだ このところ遠ざかっているメバル釣りだが この繊細さはやっぱり面白い 23 apr. 2006 (sun) toyosuke manju 昨日の全日本メバルで6位になったので 豪華な賞品をもらった なんと 神戸市の山中にあるあの「満月堂の豊助饅頭」だ 良質の小豆を茹でて丁寧に漉した餡を 薄皮に包んで蒸しあげた逸品である 甘みが限界まで抑えられていて 酒飲みでも食える饅頭だ 神戸元町「本高砂屋のきんつば」 明石「朝霧堂の丁稚羊羹」と並んで 兵庫県の三大銘菓として@net dictionaryにも紹介されている いや これは実に美味い 賞品提供者はよこちん会長だ こけてリールを壊した上に携帯電話を海に落としたらしい おまけに小さいメバルるしか釣れなかったという まったく気の毒だ 気の毒だが豊助饅頭は美味いのである 24 apr. 2006 (mon) mebaru nituke 久しぶりにメバルを食べる ほんとうは20cm未満はリリースなのだが 検寸のためにキープしてしまったので それなら美味しくいただくことにする 新鮮な魚を煮ると 身が弾けてばらけてしまう 見栄えは悪いが味は文句無しだ 忘れかけていた味が舌の上でよみがえる 釣って楽しい 食べて美味しい 本来釣りとはそういうものだ そういえば スズキも長いあいだ食べてないなあ‥‥‥ 25 apr. 2006 (tue) kobe wondering 神戸‥‥‥ 大阪に比べるととても小さな町だ たしかに誰もが言うように 大阪より「お洒落な町」であることは確かである しかし それが良いかというと ボクにはどうでもいいことである それに お洒落な町だといったところが 三ノ宮から元町までのごくせまい範囲でのことで 前述の長田や昔の中心地「新開地」界隈などを歩いてみれば 神戸も大阪もあったものではないのである 今にも降り出しそうな空模様のみなと神戸 (CASIO G'zOne) 神戸の好きなところは 町と海が一つになっているところである もちろん 大阪にも海はある しかし 大阪の町と海のあいだには 何かしら隔たりを感じる 人を気軽に寄せ付けない何かがある きー坊が歌うと 大阪の海は悲しい色らしい そういう言い方で言うと ボクの神戸の海は楽しい色である 26 apr. 2006 (wed) octopus extermination ? タコ釣りをする人のホームページやブログをのぞくと タコほど簡単に釣れるモノはないという みなさんそう仰る アホみたいに簡単だという 口をそろえてそう仰る さて ヤリエさんに送ってもらったタコエギ タコ釣りシーンのファイナルウエポンと成り得るか? まずは試してみる 投げる‥‥‥ 沈める‥‥‥ しゃくる‥‥‥ 投げる‥‥‥ 沈める‥‥‥ しゃくる‥‥‥ 海底でチョコマカやったり 大きくバンピングさせたりを繰り返す しかし どうしたことか タコはウンともスンともいわない もしかして もうこの海にはタコなどいないのではないかと思えてくる この海のタコは冬の間に絶滅したのではないかと思えてくる それぐらい ウンでもなければスンでもないのである タコは目がいいうえに極めて攻撃性が強いので タコエギを見つけたらすぐに乗るはずだ 乗らないということはそこにタコがいないということだ いや 結論を急いではイケナイ まだタコシーズンはこれからだ 6月になって それでもウンともスンともいわないのなら 改めて結論を発表しよう そうしよう そうしよう (淡路島で友人小西啓介とタコに沈められたことを振り返って‥‥‥) 27 apr. 2006 (thu) raku-gan 池波正太郎の小説には必ず食べ物が登場する 小説の本筋とはなんの関係もないのだが 食べ物が登場することによって 話に絶妙の深みと豊かさが加味されるのである 氏の小説「剣客商売」には 京桝屋の「嵯峨落雁」という菓子が登場する 落雁‥‥‥つまり干菓子である ボクが子供の頃は「はくせんこう」と呼んでいた いまどきこんなものを食べる人も少ないが 阪急百貨店ではいまも「小布施(おぶせ)堂の落雁」を置いている 広辞苑・第四版によると 「落雁」とは @ 空から舞い降りる雁のこと A 米、麦、大豆、小豆などの粉を砂糖、水飴で練り型にはめて焙炉で乾かした干菓子 とある ほんらい「らくがん」は「落雁」と書くところを 小布施堂のは「落」を縁起悪しとして「楽」を充てている さて落雁 頬張って奥歯で噛みしめると 仄かな甘味が口に広がる 粉っぽい 江戸時代のひとびとは こんなものを楽しんでいたのかと思うと ほのぼのとした気分になる 渋いお茶が欲しくなる なるほど いまどきの味ではないな 28 apr. 2006 (fri) field cat 野良猫である 淡路島の津名港に暮らす野良猫である 黒い猫だが 眉間に黄色い筋が一本 尻尾をアンテナのように立てて寄ってくる 前に人に飼われていたのか 呼ぶと近寄ってきて体をすりつける 可愛いといえば可愛いが 汚れていてとても汚い それに捨てられた恨みか 目つきがとても鋭い 乾いた高い声で鳴く 「腹へったにゃ〜、何か食わせてくれ〜」 「ちょっと待ってね、今おっちゃんがタコを釣ったるから」 「タコは好物だにゃ〜、早よ釣ってぇにゃ〜」 「よしよし、すぐ釣るからね」 野良猫に急かされつつタコエギを投じる 友達もやってきてタコをせがむ 「おい、あいつぜんぜん釣らんにゃ〜」 「あてにならんやっちゃにゃ〜」 29 apr. 2006 (sat) golden week 今年もまた ゴールデンウイークだ 日本人は休み方がヘタクソなので こういう大型連休でも作っておいてやらないと 上手に休めないのである いや だれも休もうとしないのである 働き詰めに働き詰めるのである 萬世酒造 五大陸 原料:さつまいも、麦、米麹、麦麹 いも焼酎50%に麦焼酎50%をブレンド‥‥‥変わった味 そうやって まるで精密機械のように 定年一杯まで働いて「ごくろうさん」なのに リタイヤしたらまた再就職なのである 「第二の人生だ」などといっては 老体に鞭打って働くのである そしてクタクタになりながらも 「働くことが生き甲斐だ」 などと強がるのである これはきっと だれかの思う壺になっているのではないかと思うのである 30 apr. 2006 (sun) golden week 2 ニートなどという言葉 ついこないだまで無かった Not in Employment, Education, or Training の略? つまり働く意志のない若年層のことらしい 長島研醸 出水郡長島町「だんだん」 だんだんとは長島地方の方言でありがとうのこと 甘味とコクがあって美味い そういう若者は昔からいたが ごく少数だった それが急に増加して 全国で50万人を超えたらしい これはおめでたいというので 彼らに名称を与えようというわけだ 50万人といえば そこそこの町(市)が築ける規模である つまり ニートを一カ所に集めると市ができるのだ 東京都ニート市‥‥‥ 大阪府ニート市‥‥‥ 正社員でない従業員は パートタイマーとかフリーアルバイターという ちぢめて パートさん、フリーターくんだ なんとめちゃくちゃな和製フォーリンランゲージだ そもそも肉体労働者のことを ブルーカラーなどといいだした頃から この国はおかしくなってきたのだ ボクが子供の頃は まだ日本語が正しく使われていたので 家の無い人はみな浮浪者だった 決してホームレスなどとは言わなかった いったいここはどこの国になってしまったのだろう passed tales / current tales |