Angling Net / Ikasas Talk to Myself 毎日更新(ウソつくな!) 15 Oct 1999 もう神無月やちゅうのにえらいぬくい。おかげで、いまだにナマズのサーフェースゲームが閉幕せえへん。まあ、ゲテモノ釣り師にとっては有難いこっちゃけど‥‥‥地球的視野に立ったらなんやしらん不安がつのるなあ。 せやけどこの異様なぬくさもここ一両日中らしい。来週からは平年並みに戻るっちゅうて天気予報のおねえさんも言うてた。これでようやっと季節が夏から秋になるんやろな。ははは、アロハシャツはもう仕舞わなあかんわ。 先週、これで今シーズンの最後やと出かけた美嚢川のナマズ釣り。思惑通りにはいかんもんや。見事にボーズ食ろたけど、七発も出た。それも1発は完全にフックアップしてたのに‥‥‥。ジッターバグのフロントフックが一直線に伸されてしもうて、けっきょく逃げられてしもた。まあ、どうせ逃がしたる魚やしハリ外す手間はぶけたわ、と思てはみたもんの、なんとのう物足りん。いわゆる心残りっちゅうやつやね。ああ‥‥‥ナマズに触りたい。 で、今日、海に行く予定を急きょ川にした。海水温が高いし、どうも潮回りがわるいようやし。それやったらナマズの方が面白いんちゃうかと。つまりスズキがナマズになったっちゅうわけ。優柔不断なやっちゃと思われるけど、ケースバイケースの釣りやからねこれは。状況を判断して戦術を練るっちゅうやつやね。 で、美嚢川。予想通りナマズはまだ夏のパターンやった。ジッターバグに「どったん」「ばったん」。いわゆるひとつの入れ食いっちゅうやつ。八発出して三匹触った。手えヌルヌル。ところが、これで気が晴れたかとゆうと、あかん。まだ不満が残ってる。ナマズが小さい。中には一尺に満たんちょんまいナマズまで混じってる。ああ、物足りん。納得いかん。でかいのが釣りたい。 しかしまあなんやね、人間欲かくとろくなことはないよ。心残り‥‥‥それも佳し。心もちょっとは残しとかんと、後の愉しみがのうなるからね。頃合い、潮時を知るっちゅうことも大切や。ここらで幕引くことにする。 16 Oct 1999 エンドレス森下と東播へ行く。 『この頃、急に立ち上がったりしたら脳震盪になるねん』 とエンドレス。たぶんこいつ脳貧血と脳震盪(のうしんとう)を間違えとるな。 三木の池は汚かった。油が岸辺に浮いてて、それを知らんとミスキャストしたプラグ外しに岸に寄ったエンドレス森下のフロータが油で真っ黒けになってしもた。池移動する時そのまま車に積んだもんやさかい、車の中も真っ黒け。 吉川町にある小さな池で、でかい目のプラグに9発出た。池のサイズから考えたらなかなか立派なバス。バラシばっかりやったけど、ごっつ嬉しい。 17 Oct 1999 プラグ作り‥‥‥ 木を削ろと思てナイフを出してきたら刃がこぼれてる。なんぼ青1号もこれでは切れん。しゃあないから研ぐことにする。‥‥‥と、砥石がない。どこに仕舞い込んだんか見つからへん。ゴソゴソ探してると前に無くしたミニマグライトとジッポライターが出てきた。 こんなとこにあったんか‥‥‥。ミニマグライトのアタマを回してみたけど灯かへん。電池が切れてる。そらそやわな、もう2年以上になるもんな‥‥‥。ライターも着かへんとわかってたけど擦ってみた。火花は出るけど火は着かん。当たり前か‥‥‥と感慨に耽る。 とりあえず懐中電灯に新しい電池を入れて、灯けてみたら灯いた。感動的に明るい。よっしゃ、ついでにライターにオイル入れたろと思たらオイルがない。たしかこないだここにあったはずや‥‥‥と探し回ったけど見つからん。着かへんライター握りしめたままゴソゴソしてると、玄関のチャイムが鳴った。 『宅急便で〜す』 『はいはい』 と玄関に出ると黒猫ヤマトのおっさんが立ってる。 『印鑑おねがいしま〜す』 『はいはい』 と印鑑を取りに部屋に戻るが、印鑑どこにあるのかかいもくわからん。たぶんこの辺やろと目星を付けて、あっちの引き出し、こっちの戸棚と探し回るがどこにもない。 『サインでもよろしよ〜』 「それをはよ言え」と心の中でつぶやきながら荷物を受け取る。 さっそく部屋に戻って中を開けるとリンゴが出てきた。毎年長野から送られてくる無農薬リンゴ。ええにおいがする。うまそや。1個食べたろと台所へ行って果物ナイフを探したが、案の定ない。これは予想通り無かった。 しょうがないから出刃包丁で不器用にむき始めるがうまくむけん。イライラしてきて皮ごと食べかけたが、ふと机の上を見ると切り出し青1号が転がってる。これでむいたれとやってみたら、スルスルとむける。楽勝や。面白いようにむける。 結局この日はプラグは削らへんかった。 18 Oct 1999 パラダイス‥‥‥ 今日はパラダイスでフロータ。だいぶ水が冷たなってきて、ちょんまいバスがうろちょろせんようになってる。非常に釣りやすい。今日は50cmアップを狙う(いつもは狙うてへん)。 パラダイスに着くと突然エンドレス森下が草むらに消えた。 エンドレスは釣り場に着くと必ず「ウンコ」したなるらしい。原因は不明。で、トイレットペーパーはロッドやリール同様必携らしい。 しかしたまに忘れることがある。去年、いっしょに四国へメッキ釣りに行った時も、釣り場に着くなり『あかん、出そうや』と車の中をゴソゴソかき回しだした。『あかん、紙がない』‥‥‥。 顔がいつになく真剣になってる。目は血走ってる。『もうあかん、出る』と言うが早いか、私のバンダナ(海外旅行の土産にもろたルアーの絵がいっぱい描いてあるやつ=お気に入り)をわし掴みにすると草むらに消えた。『な、なにすんねん!』‥‥‥言語道断。 この日、私は6発出したにもかかわらず、竿は1回も曲がらんかった。つまり6バイトノーフィッシュ。もちろんばらしもなし。 しかし同行の二人(エンドレス&大相撲)は釣りまくる。それもすべて40cmアップ。大相撲はこの日最大の47.5cmを筆頭に、靴のヒラキで段ボール箱に入れて売られてた1個380円也のペンシルで釣りまくる。エンドレスは自作のVSP(ヴァンガードソクリパクリー)で45.0cmを筆頭に竿曲げまくる(8発出したらしい)。しかも50cm級のバラシあり。おまけにVSPで1メートル級のライギョまで出す(ネットに入らずバラす)。私はこいつらの写真を何枚撮らされたことか‥‥‥。 帰り道、エンドレス森下のバス釣り蘊蓄が始まる。‥‥‥けどね、「うんちくたれる」んはええけど「ウンチたれる」んはかんにんしてえな、森下さん。 19 Oct 1999 休日‥‥‥ 今日はなーんもせんことに決めた ひがなぼーっとしてよう 22 Oct 1999 ばなな‥‥‥ 砥石が見つかったので切り出しを研いだ。青一号は抜群の切れ味を取り戻した。 じつは私の田舎は岡山県の津山という小さな町で、備前正宗の刀研「杉山家」の末裔になる。つまり刀研ぐを生業としていたらしい。先祖、杉山不能の研いだ人斬り包丁でどれだけの命が散ったか‥‥‥。 23 Oct 1999 竿‥‥‥ インターネットで見つけた釣り具屋の通販で竿を買うた。 竿ゆうてもグラスのブランク。全長6フィートやったのを5フィート半に切ってもろて、フェルールのサイズをあわしてもろた。で、フェルール、ガイド一式で一万七千三百十三円。これをお店で作ってもろたらなんぼになるやろ?3〜4万円?‥‥‥どっちにしても高すぎるよ。 ブランクカラーはフィリプソン風のライトブラウン。おっと、これはいかん。こんな色の竿使うてたらフィリプソンと間違われる。さっそくカシューで黄色に塗った。これでどっから見てもバーゲンセールの1980円。 この前「バスロッドは3万円以上のものでないといけない」という意見を読んだ。アホやなこいつ。ほんまの値段聞いたらびっくりするで。1980円の竿も、3万円の竿も実はそう変わらん。きれいに塗装してブランド名を書いたあるから3万円になる。竿の値段なんかあってないようなもんや。竿の値打ちは使えるか使えんかで決まる。つまり自分に合う竿かどうか。 釣り道具を整理してたら、ロッドストッカーから20年ぐらい前に買うたグラスロッドが出てきた。懐かしい‥‥‥Fenwick FC-60。もう十数年振ってへん。振ってみたら重い、だるい‥‥‥よーこんなゴンボ竿使うてたなあ、て思う。 思い出が詰まった竿やし捨てるのも忍びない。で、バット部分をちょん切ってダイコーのこれまた古いカーボンロッドのバット部分を繋いでみたら‥‥‥いける! 全長1m50cmのフロータースティックの出来上がり。グリップのコルクを削り落として堅い木でグリップも作りなおした。ついでにロッドをカシューで真っ赤ッかに塗ってみたら、よっしゃ!どっからみても2980円! 24 Oct 1999 スズキ釣り‥‥‥ 今日、甲子園浜でソルトウォーターコンペティションがあった。 毎年恒例、大阪のクラブ(JLA)とうち(ニグ&サックス=神戸)の「日本一のアホの座」を賭けた大一番。別名「大阪湾岸戦争」とも言う。 ソルトウォーターコンペティションはもう十年以上前から続いてる由緒ある大会やけど、甲子園浜でやるようになってから今年で4回目。過去の成績は我が神戸の2勝1敗。去年はラドン奥村の大阪に上位独占されてしもたからなあ‥‥‥今年は是が非でも勝たんとあかん。何がなんでも「アホ」のタイトル奪還や。 ルールは簡単。でかいスズキ釣ったもん勝ち。それぞれが15〜20人のアホの代表を送り込んだ。 大潮、満潮、快晴微風‥‥‥絶好のコンデエションなんやけど、釣れん。右を見ても左を見ても、誰も竿曲がっとらん。‥‥‥と、曲げとる、曲げとる。だ、だれや? 見ると元弟子の福井串カツ(いっぺん破門したった)。砂浜でどったんばったんやっとる。走って見に行くと、でかい!80cm超えてるがな!この一撃(82cmあった)で我がニグ&サックスの勝利はほぼ確実。 結局82対56で快勝、圧勝、楽勝。ニグ&サックス神戸が2年ぶりにアホのチャンピョンフラッグを持ち帰ることになった。元弟子の串カツ!よーやった! この勝利の他に 秋華賞(4歳牝馬G氈jのヒシピナクル(3着)の複勝馬券 プロ野球日本シリーズ第2戦で我が中日ドラゴンズ快勝(8対2) と、今日は3連勝ですわ。 30 Oct 1999 ハングル フィッシング ショップ‥‥‥ 梨泰院で小汚い釣具屋を見つけて中に入る。うさん臭そうな店のおっさんが、うさん臭そうな目でこっちを一瞥する。他には客はいない。恐る恐るおっさんにルアーはあるかと聞いてみる。 『ルアヌン イッスムニカ?』 『ルア? アニオ』 無愛想なおっさんはルアーは置いてないとゆう。けどおっさんの後ろの壁にはちゃんとパチモンのスピナーとスプーンが掛かってる。どうゆうこっちゃ? さらに、カウンターの奥にはルアーロッドらしきがむきだしのまま何本も立て掛けてある。ちょっと見せてもらうことにする。 『ジョ ルアロド ルボヨ ジュセヨ』 おっさんはさも邪魔臭そうにロッドを出してきて、一本いっぽん汚い雑巾でホコリをふきながらカウンターに並べる。 『ウルトリャリャイト‥‥‥リャイト‥‥‥メデアムリャイト』 一応ロッドアクションの説明をしてくれる。どれも2〜30年以上前のグラス竿で、ニッポンではもうお目にかかれない代物。値段を聞く。 『オルマイムニカ?』 『イマンオン』 おっさんは「ほんまに買うんかいっ?」とゆう目で指を2本立てた。つまりABU Garcia、Zebco、Mitchellなどなど、売り値はどれでも1本2万ウォンと言う。 高くはないが一応値切ってみる。 『ノム ビサムニダ カッカジュセヨ』 すると1万9千ウォンにするとゆう。もう一声とゆうと、おっさんはちょっと考えるふりをしていたが、結局1本1万8千ウォン(1700円ぐらい)で交渉成立。 古いグラスロッドを6本買う。 さらに粘って値切れば多分1本1200円ぐらいにはなると踏んだが時間がないので妥協する。 「そんなもんどないすんねん?」と思うかも知れないが、これがじゅうぶん使いモンになる。今の自分の釣りに一番合う。ライトウェイトグラスファイバーパラボリックアクション。もちろんグリップ、ガイドは取り替える必要がある。しかし国産の高価な竿や、プレミア付きの名竿に比べても何の遜色もない。良い買い物をしたと思う。 昼下がりの大河「漢江」は釣り糸を垂れる姿もちらほら。鮒、鯉、雷魚、鯰、鰻などが釣れると言う。しかし疑似餌釣りは流行していないらしい。 Return to Top Page Old Tales(1999.10 〜) |