Ikasas Ikuy Marvelous World / My Humble Opinion

About Japanese Plastic Lure



日本のプラスチックルアーメーカーが作る一部のトップウォータープラグが異様な人気になっていて、定価の数倍の値段が付いてるらしい。実際にそういうルアーを使うことのない私にとっては雲を掴むような話だが、聞けば発売されてすぐにプレミアム価格が付くというからなんともおかしな話である。
しかも行列まで作ってやっと手に入れたルアーを、使いもせずパッケージに入ったまま、買った店、あるいは別の店に売るというから開いた口がふさがらない。
買い取った店は「委託販売」と称して、異常な高値で再販し何割かの利益をせしめるという。それをまた高い値段で買う者がいるというから不思議で仕方がない。

いつも言っていることだが、道具は使うためのもので、眺めたり、飾ったりするものではない。ましてや消費者が売り買いして儲けるためのものではない。この「国産ルアープレミアブーム」、馬鹿げてるというか、情けないというか、極めて不健全であると思うがいかがなものか。

で、国産ルアーだが、ルアー関係の雑誌を買って読むことのない私にとっては、ほぼ架空の存在ではある。しかし、知人友人の持ち込む雑誌等を目にすることもあって、そうすると、国産メーカーの最新のプラグのコマーシャルが目に飛び込んでくる。中には「お、なかなか面白いデザインやな」と、思わされるものもある。気になるカタチのプラグはやはり投げてみたい衝動に駆られる。これは私がまだ現役のプラッガーである証拠でもあるが。

「これ、いっぺん投げてみたいなあ」
「あ、これはいいですよー」
「使ったことあるの」
「ないです。だいいち手に入りません」
「え、なんで」
「ショップに売ってませんもん」
「売ってない‥‥‥これ新製品じゃないの」
「新製品ですけどすぐに買い占められてしまいますからね」

はははは、なるほど、なるほど。
これがメーカーの手口であることはだれにでもわかる。販売戦略というやつである。流通量を押さえて人気を持続させる。たしかにうまいやり方である。
何十年も前に製造中止になったウッドプラグが高値で取引されるのはわからないでもない。なにしろ数に限りがあるのだから。しかし、新発売の現行商品が市場にないというのはメーカーの策略にほかならない。

小売店にしてみれば、人気商品を店に置きたいのはやまやまだが仕入れがおぼつかない。仕入れの段階ですでに抱きあわせとも聞く。しかたなくわずかしかない人気商品に、まったく売れない不人気商品を抱きあわせて売るという情けない商売に出る。

消費者は大いに不満を抱きつつも抱き合わせで買ってしまう。いつまでこんなことが続くのだろう。
消費者よ立ち上がれ。安い不人気ルアーで釣りをしよう。と言ったところで、フィールドテスターが「これは釣れる」と人気ルアーでバスを釣ってるところを見てしまうと、もう安い不人気ルアーでは立ち上がれなくなるか。



余談だが、私はハトリーズのデザインが好きで、昔はかなり使い込んでいた。最近はプラスチックの復刻で遊ぶこともあるが、やはりウッドの動きにはほど遠いと思う。
この前、そのハトリーズのクライングフロッグというプラグが当時のままで復刻されるというコマーシャルを見た。グッと身を乗り出してしまう。しかし、よく読むとミルキーボーイと抱きあわせとある。ミルキーボーイはやめてくれ(ミルキーボーイが好きな人はゴメン)。いきなりから抱きあわせとはひどすぎる。クライングフロッグを手に入れるために、ミルキーボーイを買わされるのは不本意である。

ニッポンを代表するプラスチックルアーメーカーたちよ
そろそろ目を覚ましてくれ。おかしなブームを扇動するのはもうやめにしないか。道具を道具として適正な価格で売る努力をしてくれないか。その方が、きっときみらも寝覚めがいいはずなんだが。


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