Angling Net / Ikasas Ikuy Marvelous World 日本の川 北海道・野付半島を流れる川 96/9/28 「水に流す」という思想が日本にある 厭なモノは水に流せば目の前から失せるというのである こうしてニッポン人は川を巨大なダストシュートにしてきた 自分が下流に流したゴミのことは棚に上げておいて 上流から流れ着いたゴミに不平を並べるのである そういうことを連綿とやってきたニッポンである だから川に愛着などわくはずもない 平気で川をコンクリの皮でくるんでしまうのだ コンクリートの川底や川縁には微生物さえ棲めないのである 山を削り樹木をなぎ倒して家が建つ 生活排水が川に流れ込むだけではない 木のない山は保水能力が無くなる ひとたび雨が降れば川は一気に増水するのだ これをニッポンでは水害という 山を削って樹木をなぎ倒して 異常なほどたくさんのゴルフ場ができる 小さな球を小さな穴に入れてあそぶだけのために おびただしい量の除草剤がまかれる 雨が降ると除草剤が溶け出して川に流れ込む 川に除草剤が流れ込むと 一番はじめに微生物が死ぬ 次に微生物を食べていた水生昆虫が死ぬ そして水生昆虫を食べていた小さな魚が死ぬ やがて小さな魚を餌にしていた大きな魚が死ぬ 電力確保だと称してダムを造る 水源確保だと言ってはダムを造る ぶつ切りにされた川は細長い水たまりの連続と化す 治水だと称しては河口堰を造る 海と川の縁が切れる 川はフタをされ産卵のためにのぼる魚は絶滅する ‥‥‥やがてニッポンから川が無くなる return to think aloud |