Angling Net / Ikasas Ikuy Marvelous World![]() 青野ダムに思うこと このダムを初めて釣ったんは今から12〜3年前、バスのサイズは30cm平均やったけど、でっかいトップウォータープラグをええ加減に投げても釣れたんです。それは当たり前で、誰も釣りなんかやってへんかったからね。 その後、雑誌なんかにどんどん紹介されていって、だんだん釣り人が増えだして、ここ数年はどのポジションに立っても釣り人が目に入ってくるんですわ。ひどいときは、その数が二桁になりますねん。もう、めちゃくちゃですわ。「異常」としか言いようがおまへん。 こんなことになった原因はぎょうさんあります。なかでもマスコミ(マスメディア)の影響は何をおいても大きいですわ。例えばルアー釣り雑誌とか、テレビ局の番組で小さなバスポンドを紹介されたりすると、次の日にはその池の周囲はゴミの山で、バスはとたんに釣れんようになる‥‥‥。なんぼ青野ダムがいれものが大きいゆうても結果はおんなじですわ。 そのへんのことは、服部宏次さんなんかはようわかってくれてますし、協力的なんですけど、問題はテレビや雑誌を作る側(釣りせえへん人人間が作ってる)ですわ。銭になることやったら自然破壊は当然ゆう態度やから。だいたいアイドル系のタレントまで登場させて視聴率稼ぐでしょ、あれやられたらたまりませんなあ。釣り場はミイチャンハーチャンで溢れかえる。糸○重○みたいなおっさんまで出てくるんやから最悪ですわ。おまけにコマーシャルでくわえタバコでしょ。あのあと吸いがらどうするんやろと思うたら気になって気になって‥‥‥。あのCMがいっちゃんバス釣りのイメージ悪うしてるわ。だいいちくわえタバコでルアー投げるやなんてめっちゃカッコ悪いやん。釣りせんもんには解らん感覚やろなあ。 話を青野ダムに戻しますけど、もうこの湖でトップで出すんは至難ですわ。一日やって2〜3匹、あのなんぶさんでも5〜6匹が限度でしょ。そんなわけでだんだん青野には足が向かんようになってきたんですけど、年に一回は必ず行ってます。 今年も5月25日に「青野ダム坊主めくり大会」(ブルーギルをフライで釣る大会)に行ったんですけど、釣りをしてる周りで一生懸命ゴミ拾うてる人がいたはるんですわ。 私らが釣ってるところにも来て、せっせとゴミ拾うたはりますねん。勿論、私も手伝いましたで。そこでで思うたことは、拾うても拾うてもゴミが出てくるっちゅうことですねん。空き缶、弁当がら、吸いがら、ビニール袋、ルアーのパッケージ‥‥‥。 あとで、その人らがニフティーフォーラムの呼びかけで集まった人やっちゅうことがわかったんやけどね。ほんまに一生懸命やってはりましたわ。たった30分ほど手伝うただけですけど、私の立ってる周りのゴミはきれいに消えました。魚はあんまり釣れへんけど、ものすごい気分ええんですね。 車の中にはゴミ袋が3つ、これを家で分別して出しますねん。たったそれだけのことが、どんだけ気分ええかっちゅうことが分かったらみんなもするんやろね。そしたら、なんぼ人が多かってもきれいな釣り場は存在するわけで釣り人過密イコール汚い釣り場っちゅう固定観念が払拭されるんちゃいますやろか。 最後に、このダムが出来たときから現在までの姿を見続けてきた者として、当面降り懸かっている諸問題をいい意味でのケーススタディとして、今後最良の方法で有効に利用され、周辺の人々や遠くから訪れる人々の憩いの場となることを望みながら、これから先もずっと見守っていこう思います。 21 October 1997 Ikasas Ikuy ![]() |