Angling Net / My Humble Opinion

釣った魚は食う?

美味い魚を釣ると釣り人は幸せな気分になる

美味い魚を食いたいという欲望と
釣りを楽しみたいという欲望は
別のモンダイである
しかし
海で釣りをする多くの釣り人は
「食べる」ことを含めて「釣り」と考えている
いやいや
それが間違いであるとか
次元が違うなどと言うつもりは毛頭ない
魚好きの私は
むしろ釣った魚を食べることを肯定する
そもそも
釣りがスポーツと言われるようになったのは
つい最近のことである
それ以前は
プロもアマチュアもなく
捕った魚は食うか金に換えるのが当然のことだったのだ
ニッポンの伝統的なスポーツフィッシングと言えば
「ヘラ」と「タナゴ」ぐらいではなかろうか

「なぜゆえ食いもしない(或いは食えもしない)魚を釣るのか?」

私より年長者のほとんどが
キャッチ&リリースを不思議に思っている
理解に苦しむらしい
せっかく釣った魚を逃がす行為を信じられないらしい
食料が乏しかった時代を経てきた人たちだ
無理からぬことだろう
食えるものは何でも食えという時代においては
「釣り」=「食料調達」だったのだ
釣りを楽しむ余裕などなかったのだろう

「釣ったら食えばいいじゃないか」

‥‥‥私はそう思う
しかし
昭和四十年代以降の工業化がもたらした
汚れた海は元に戻らない
「食えない魚の棲む海」で釣りをする釣り人は悲しい


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