Jhonson resonator guitar and
  Heddon "Magnum Torpedo"









痛恨

返す返すも悔しくて
そのことを思い出すたびに
夜も眠れぬことがある
そんな悔しい出来事の
ひとつやふたつはどんな釣り人にもある

ネットが小さすぎて
頭半分は入ったものの
足場が悪くてどうしてもすくいきれなかった
神通川のサクラマスの銀色

ボートの際まで寄せながら
ハンドランディングしようとした親指に
見事にフックを突き立てて逃走していった
池原ダムのバスのブロンズバック

目を閉じると
それらの出来事の一部始終が
まぶたの裏にしっかりと焼き付いているのだ
もう随分昔のことなのに
まるで今起こったばかりの出来事のように
鮮明に蘇ってくるのである

いつしかこの悔しさを
楽しい思い出として語れるとき
釣り人は一皮むけるのだろう
しかし
私はまだまだそんな境地に至っていない
悲しいかな
未だ
悔しさを引きずったままである