Angling Net / Lure Museum

zung products "SD9"

京都在住のzungさん(井上隆氏)の作品

またひとり長く険しい道のりに一歩踏みだしてしまった
重く辛い悲しみと何ものにも替えがたい大きな悦びを背負ったもう二度と後戻りの出来ない最初の一歩だ



エスディ9のプロトの1本目。フックはベリーのみ。テールにはアルミのリベットを打ち込んでいる。カシューのクリアーを3回塗ったところで堪えきれず、結局眠れないままリグを組んで京都の動物園裏疎水にてテストしてきたのだという。

■ 夜明け前
反転流が幾つも出来るような
ややこしい流れの場所で
ダウンクロス気味に投げて
スローに引くと
水流を受けて
ウォブリングするのが
伝わってきます
数投したところで
信じられないことに
(今でもちょっと夢みたいです)
ゴツンと明確なアタリが!


「33歳にして、20年前にやり忘れた宿題をやっとやり終えた」という会心の一撃。「膝から震えが来るぐらい嬉しかった」ともいう。
オリジナルプラグで魚を釣ることの面白さを知ってしまった、人生のターニングポイントとなる一瞬だ。


■ その後
空が明るくなったところで
少し場所を移動して
流れ込みのある浅瀬に
キャストして
スローにただ引きしていると
ニゴイ!
メチャクチャ暴れてくれました
もう感無量です
胸が一杯でありました


トップウォータープラグじゃないじゃないか、と仰るむきもあるだろう。しかし、それは感動の大きさを計る天秤にはならないない。三十路に踏み込んだ男が、純粋に感動を伝えようとするこのメッセージにこそ、ハンドメイドの魔力を感じるのである。

2003.8.13


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