Angling Net / Umibozu Club 陸っぱりでシイラを釣る 雨で雨で水墨画のようににじむ夏の海 梅雨のさなか、降水確率80%の日。びしょぬれ覚悟で和歌山へ行く。どうみてもホンマモンのアホとしか思えん。 しかも、陸っぱり。 なぜ大海を泳ぎ回るシイラを陸っぱりで釣るのか‥‥‥別たいした理由はない。船に酔うから。知る人ぞ知る、乗り物酔いの世界チャンピオン。百戦連敗のゲコである。 シイラに限らず、今までなんべんえらい目をしてきたか。船に酔うぐらいなら死んだ方がマシやと思うたことの幾たびか‥‥‥。 着いたところは和歌山。由良沖の一文字の上からシイラを釣る。沖の一文字へ渡る船は約20分。セカイチャンピオンにとっては結構長い20分ではある。 しかもこの日は大荒れ。由良沖は颱風でも来るのではないかというような荒天。船頭は渡し船を出そうか出そうまいか迷いに迷っている。 船頭「こんな日はあかんわいよ、カンカン照りならやれるけどよ」 私 「そんな冷たいこと言わんと渡してえな」 船頭「しゃあないのお、ちょっとだけやぞお」 という訳で沖の一文字に渡る。しかし、雨また雨。雨の降ってくる方を向くと顔に穴が空くのではないかと思うほどの横なぐりの雨。 果たして結果は、泣き泣きの1匹であった。 フローティングミノーに来た中学生シイラ (74.0cm) シイラなんか船に乗らんでも釣れると、豪語してるわけではない。乗れん事情があって仕方なしにこんなことやってるわけで、ああ、船に乗りたい‥‥‥。 8 July 1997 Ikasas Ikuy return to UBC |