Angling Net / Umibozu Club

明石海峡夏景色
君は見たか? AQ300の底力

一昨日、見事丸ボーズを食らった阿波路島と明石海峡大橋

つい二日前、嫌がるエンドレス森下を誘い込んで阿波路島へ渡った。波止のタチウオ&漁港のガシラ朝までランガン大作戦だ。しかし釣れたガシラ二人で3匹、タチウオなし。ああ、日本一の貧果に終わってしもた。作戦大失敗‥‥‥。帰路、エンドレス森下は『そやから釣れへん言うてんのに』と、ぶつぶつうるさい。

『たまにはオレの好きな釣りにも付き合うてえな』

釣れへん釣りに付き合うたったかわりに、今度はジギングに付き合えと言う。乗物酔の世界チャンピョンにとって、ジギングほど辛い釣りはない。しかしまあ、年に一度ぐらいは仕方ないか‥‥‥と、渋々ジギングロッドを持ち出して船に乗ることにした。

船頭は『今日はべた凪や』と言うけど、明石海峡大橋の下のミオ筋は、海面が凸凹してるやないか。そばを通る大型船の引き波も手伝うて、じょじょに胃袋が裏返って口から出てきそうな気配。ああ、気持ち悪い‥‥‥。海峡を渡る風が、八月とは思えへんぐらいひんやりと涼しいことだけが救い。
それにしても涼しい。ウィンドブレーカー持ってきて良かった。

『ルアーはな、魚の居るとこへ投げなあかんねん。居らへんとこになんぼ投げてもあかん』

船酔いを必死で堪える私を尻目に、コンビニの80円のパンをほお張りながら、得意の名文句を吹聴するエンドレス森下。このオッサン、三半規管ないのんか?

美しい朝日が昇ると同時に釣れないジギング開始。落としてはシャクリ、シャクっては落とし。まるでアホのひとつ覚えのような肉体単純作業を繰り返す。運動不足でなまくらになってる腕や背中の筋肉が早くも悲鳴をあげ始める。
しかし、だれの竿にも反応はない。船はあっちをウロウロ、こっちをウロウロ、何度も場所を変えては流すがアタリの「ア」の字もない。時間だけがどんどん過ぎて、時計はすでに昼近くを指していた。ああ、やっぱり今日もボーズか‥‥‥と、あきらめかけたその時。突然、エンドレス森下の竿が曲がる。

『でへへへ、ええわあ、この感触。でへへへ、これカンパチやでたぶん。でへへへ、よう引く、よう引く。でへへへ』

上がってきたのは額に「八」の字のトレードマークを入れたカンパチ(67.5cm)。船中から羨望のまなざしを一身に浴びて、エンドレスの顔は緩みっぱなし。

『な、ジギングは魚の居るとこへジグ落とさなあかんねん。居らんとこになんぼ落としてもあかん言うてんねん。でへへへ』


『でへへへへ〜』
世界一シアワセな男とちょっと間抜けなカンパチ

カンパチを釣り上げるとすっかり満足したのか、釣り座の細長い板の上で、私のバッグを枕にして器用に昼寝をはじめた。うわっ、ヨダレくっとる‥‥‥ほんまに幸せなおっさんや。

その後、昼過ぎまでやって、ようやく私の竿にもアタリがきた。しかし、あがってきたのはウルトラライトのトラウトロッドでも上げられそうな尺ツバス2匹だけ。
ああ、やっぱりジギングなんか釣れへんわ。こんなしょうもない釣り、もう二度とせえへんぞ。


2002.8.21 ikasas

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