Angling Net / Umibozu Club
メバルマスターへの道‥‥‥番外編
From Sunset to Sunrise (Hitobanju=Yodohshi)
ガシラマスターラドン奥村、メバルに挑戦する
某年3月4日
ラドン、ドクター、エンドレスの3人とメバル釣りに行く。
ラドン奥村、ドクター山本、エンドレス森下といえば、知る人ぞ知る「日本一しつこい釣師たち」。とにかく、最後の最後まで粘り倒すのが信条。周囲の釣り人がみんな止めてもおかまいなし、同行者の都合もおかまい‥‥‥なし。
「釣りに来たら釣りするのがアタリマエやんけ」
と、ひたすらしぶとく釣り続ける。こんな3人に同行したら、いつ家に帰れるかわかったもんやない。これはどえらい釣行になりそうな‥‥‥。
夕刻、鳴門着。雨は止む気配もなく降り続く。さっそくカッパを着用して釣り開始。ようやく春めいてきたとはいえ、雨に打たれての夜釣りは想像以上に厳しい。
北泊漁港で私に一発目が‥‥‥そこそこの引きで17cmのぎりぎりキーパーサイズが釣れる。しかしそれから一時間、アタリの「ア」の字もない。ふつうならここで「やめよか」となるところだが、今日はメンバーが違う。やめよかの「や」の字は勿論ない。覚悟はできてる。
しばらくして、エンドレス森下が小型ながら3〜4匹引きずり出す。さすがにこの男は上手い。
ドクター山本はコガシラ1匹のみ。ラドン奥村にいたっては大僧正。さすがのガシラマスターもメバル釣りは若葉マーク。「あきまへんわ」を連発する。
雨は小止みなく降り続く。止めて帰る気配はまったくない。
小鳴門ミオ筋をウロウロしてるうちに、時刻はまもなく翌日になろうとしていた。私にようやく19cmのキーパーが釣れる。しかし単発。後が続かない。
いつも必ず釣れる場所でアタリがない。ハードルアーはもちろん駄目。結局4人で6匹、内2名ボーズという史上最悪の結果を残して鳴門を敗走する。敗走と言っても、これはあくまでも転戦であって撤退ということではない。
しかしまあ、止めどなく竿を振り続ける3人である。彼らに「帰り支度」という言葉はないんやろか。ぎりぎりまで釣って、ドタバタと荷を車に積み込んで、後ろ髪を引かれる思いで引き上げる。
すべてをうちやってでも釣りがしたい。いったい何が彼らをそこまでさせるのか。釣りに対する思い入れの深さなのか。はたまた情熱か。それとも単にしつこい性格なのか‥‥‥。
3月5日
時計はすっかり日曜日になっていた。途中のパーキングエリアでややアルデンテのカップ麺をすすりつつ、阿波路島の尾崎漁港着。
ようやく雨が上がって風も止む。絶好のコンディション‥‥‥だが、アタリがない。そんなはずはないはずなんやけど、アタリの「ア」の字も‥‥‥ない。
ポイントを漁港東側の小川の流れ込みにかえてソフトベイトのスイープを続けてると、ポコポコと3連発。ラドン奥村もやっとのことで竿が曲がる‥‥‥いや竿は曲がってへんけど、メバルが釣れる。計測の必要もないような豆粒メバル。
「やっと釣れたがな、写真一枚写してんか」
その後、ポツポツと釣れるが、いずれも豆メバル(米粒よりちょっとマシ)。それもやっぱり短発で後が続かない。潮は満潮にさしかかり、状況は良化してるにもかかわらず、なんでかアタリがしょぼい。
その後、室津漁港へ転戦したが、大差なし。おまけに愛用のメバルロッドを折ってしまう。集中力が極端に低下している‥‥‥が、他の3人にそんな気配はない。このまま朝まで竿を振り続けることになるのは明白。
案の定、東の空が漆黒から深く憂いを帯びた紺にかわり、やがて明るさを湛えた群青に変わるころ、やっと
「ほな、ぼちぼち仕舞いまひょか」
「今度はもうちとコンデエションのええ日にやりまひょいな」
「へいそうしまひょ」
「へいへいそうしまひょ」
とまあ、軽いもんであります。
return to UBC
|