Angling Net / Umibozu Club

メバルマスターへの道‥‥‥その8
 尺メバルを狙う

■デジカメを持って来るのを忘れた。輪島のコンビニでストロボ付き40枚撮り「写るんデス」を買う。もちろんデカメバルを写すためである。
第三段階の釣師は大物を狙う。尺オーバーのメバルである。そんなでかいメバルが簡単に釣れるわけはない。しかしカマドヤは言う。
「釣れますって」‥‥‥

釣り場の航空写真と地図が送られてきた。詳しい説明まで付してある。「このポイントではこの位置からこう狙え」‥‥‥大きなお世話だ。痩せても枯れてもメバルマスターだ‥‥‥が、素直に従う。なにせ始めての場所である。右も左も分からない。

■果たしてN半島の先端までやってきた。気配は全く感じない。めばるばばあも暗躍していない。釣り場はオールクリア‥‥‥閑散としている。釣れるのか本当に‥‥‥

表層を探っていると「ドン」と小気味よいアタリ。竿を立てると半端ではない引き‥‥‥でっぷりと太ったソイがあがる。

同じポイントで良型のソイが連発する。あまりの面白さに目的を忘れかける‥‥‥ポイントを変える。

■点在する漁港を転々としながら表層を探り続ける。「ドスン」と重いアタリがくる。竿を立てる。満月。やったか!‥‥‥一瞬「ドキッ」としたが、ファイトが重いだけで機敏さがない。クネリクネリと40cm級のマルタがあがる。

さすがにこのサイズになると重い。しかし疲れる。

■さらに漁港を転戦する。「ズシッ」としたアタリがくる。今度こそ‥‥‥しかしやたら走りまくる。こんなメバルはない。青物か?
ラインをテトラにこすりながらギンギラギンに光る魚体が姿を見せる。アジ‥‥‥こんなでかいマアジをメバル仕掛けで釣ったのは始めてである。‥‥‥美味そう。

2匹釣ってクーラーに納める。

■さてメバルだが、20cm級は簡単に釣れる。淡路島では100匹に1匹の20cmメバルだが、ここまで来て20cmでは満足できない。次から次へとリリースする。勿体ない気もするが、小物をキープしていては集中力が低下する。せめて25cmはクリアしたい。
‥‥‥と、突然「ギュイーン」と竿がしなる。糸が鳴る。竿先が海面に突き刺さる。来たか!?
真っ暗闇から水面を切って上がってきたのはまさしく20cm台後半のメバル。しかし手にする寸前にラインブレイク。わざわざ4ポンドラインに巻き換えてきたのに‥‥‥。
気を取り直して投げ続ける。しばらくして、またも「ズン」と手にくるアタリ。すかさず竿を立てると同時にラインブレイク。アワセが強すぎたか‥‥‥。
さらに気を取り直して投げ続ける。と、またも「ズン」。軽く合わせてロッドでいなす。すると今度は藻の中に潜り込まれて動かなくなる。出てくるのを待ったが‥‥‥諦める。
その次は藻穴を切って一気に寄せたが、手前のテトラにこすられてまたもラインブレイク。ロッドが軟らかすぎる。短すぎる。

車に戻って、やや硬めの8フィートボロンロッドと6ポンドを巻いたリールに交換する。
またも気を取り直して投げ続ける。と、ややして「ズン」ときた。逃がしてなるかと強引に巻く。水面を切ったら一気に引き抜く。バタバタ暴れるのを腰にぶら下げていたタオルをかぶせて押さえつける。‥‥‥取った!

自己最長寸記録=25.5cm(エビフライ#10-3B)

その後、25cm級を2匹追加したが、ついに尺オーバーは出なかった。二日目の夜も同じポイントを攻めたが、強い向かい風と流れ藻で釣りにならなかった。

4ポンドラインで取れない魚ではない。しかしそれは場所による。漁港の内向きの岸壁からなら楽勝である。3ポンド、あるいは2ポンドでも取れると思う。しかし、手前がテトラでその前に藻場があるようなポイントでは至難である。長い竿と強い糸が要る。

次にここを訪れるときには、相当のタックルを準備して来よう。メバルマスターへの道は遠い‥‥‥。

          26/5/2001 Ikasas Ikuy


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