Angling Net / Ryukyu Fishing Report

Written by Yu Miyazaki


Angling Netの皆様はじめまして

沖縄の宮崎です。
先日、大学の先輩に北部まで釣りに連れて行ってもらいました。

現在僕は沖縄の少し南部よりの宜野湾に住んでいます。今回の目的地は島北端の少し手前の漁港ですが、宜野湾からだと58という海沿いの国道に出て車で約二時間の行程です。
沖縄は北に行くと名護を最後に町らしい町がなく、ただ森と海岸が続くようになります。途中までは基地が道路の両側まで迫っていますが、それを抜けると道路沿いに観光客相手の店がぽつぽつあるくらいで、あとは森と海岸だけが続く「やんばる」の風景です。

朝6時、到着したのはそれほど大きくない漁港でした。さすがに水がきれいです。底を取ると10m以上あるというのに、水底の石がはっきり見えます。フカセ釣りの先輩がコマセを撒くと、色とりどりの魚が群がってきます。
6時というと日の遅い沖縄ではやっと日が差し始める時刻です。着いて釣り始める間もなく堤防の近くでナブラが起こりました。はねているのが30cmぐらいの魚なので、その下に付いているのは70cmぐらいのガーラ(ヒラアジ)でしょうか。急いでルアーをセットしましたが、ナブラはまもなくルアーの射程外へと遠ざかっていきました。

日が昇り、フカセ釣りの餌には様々な魚が群がってきます。沖縄で主にフカセのターゲットになるのは、イラブチャー(ブダイ類)・エイグァー(アイゴ類)ヤマトゥビ(フエダイ類の一種)・グルクン(タカサゴ類)など。沖縄のスーパーでは普通に売っている魚です。

この日は30cmぐらいのグルクンがコマセに寄りましたが、潮が悪いのか喰わず、僕は早々にあきらめてルアーで小物を狙いに行きました。
堤防の根元、膝ぐらいまでしかない浅いゴロタ場で小さなルアーを投げると、20cmに満たないようなミーバイ(ハタ類)が次々にヒットします。

竿はトラウト管釣り用のやわらかいものなので、ミーバイが走ると満月に曲がります。ここで釣れたのはイシミーバイ(カンモンハタ)で、大きくなっても25cm止まり、沖縄ではメジャーな小物釣りのターゲットです。

漁港に出ると既に日は高くなっていて、休日なので人はいません。
青い水に漁船が揺れている音以外はとても静かです。
ふと水面を見ると大きな黒いものが水面に浮かんでいます。
よく見るとウミガメです。1メートルぐらいあるでしょうか。こっちを見ながらゆったりと近づいて来ます。
彼は何度か足元の水面に顔を出して息継ぎをした後、離れていきました。


漁港のスロープでは小さなトップでメッキとコトヒキが出ました。どれも問題になるようなサイズではありませんが、柔らかい竿と小さなルアーで小さな魚とのんびり戯れていると、とても贅沢な気分になります。

フカセ釣りをやっている堤防にもどってみると、相変わらず魚はコマセに群がるばかりで釣れていません。傍で休んでいると、時折コマセに群がる魚を狙って50cmぐらいのカンパチが足元に突進して来ます。突然泳いで来てすぐに行ってしまうので、ルアーを沈めてもヒットさせることはできませんでした。他にも何度かガーラの大きいのが足元を泳いで行きましたが、ルアーには見向きもしてくれません。

大型のガーラやカンパチは珍しくないらしく、フカセをしている先輩は魚が散ると煩がっていました。しかしヒットさせるのは簡単ではないようで、朝のナブラ以外、カンパチもガーラもやる気なさそうに小魚を追いかけた後、足元を悠々と通り過ぎただけでした。隣ではグルクンを餌にした打ち込み釣りのおじさんが10kgはありそうなフエフキを上げていました。

今回の釣りはあまり釣果には恵まれませんでしたが、きれいな海で釣りができるということの幸せを存分に感じて来ました。
画像は携帯のカメラでの見るに耐えないものしかありません。少しマシなデジカメを買おうかと検討中です。


2004.5.11
文と写真:宮崎 悠


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