Angling Net / Fishing Letter from Canada

Written by Haruo Yoshikai

今年のハイライト-その2
ますます好評(かどうか分かりませんが(笑))の「カナダの釣」第3弾です。
今回は、釣れないはずのサケが釣れた話です。
私の住むカルガリー市と西海岸のバンクーバーは、距離にして約1000km、車で運転して約12-13時間です。この中間地点にChaseという町があります。この町から20kmほどのところにAdams Riverがあります。この川がなぜ有名かというと毎年、何万ものSockeye Salmonというサケが産卵のために上がってくるからです。
10年以上前、家族連れできたことがあります。実に壮観で、また子孫を残すため遡上したサケが産卵を終え力尽き果てて死んでいく姿は、哀しくもあります。
さて我々3人が10月末にこのアダムスリバーにきたのは、サケを釣るためではなくサケが産みつけた卵が流れてそれを狙って河口で口を開けて待っているニジマスを釣るためです。
河口に立ってラインを流していると真っ赤に産卵色の出たサケが足許を泳いできます。川の中を歩くと逃げますが、じっと立っている限り全然気にしていないようです。サケは川を遡上し始めると全然食べ物を口にしなくなります。
ただし何か訳の分からない物が流れてくると、縄張り意識で追い払おうとするらしく噛み付くらしいです。私の釣ったサケは、私のサケの卵のイミテーションのフライに引っかかりました。
500kmも飲まず食わずで川を上ってきて偽者のエサに引っかかって痛い目にあったサケをそっと逃がしてあげました。アダムスリバーのこのあたりは、キャッチアンドリリースが規則なのでいずれにしろ逃がさなければなりません。
この日は、同行の2人はちゃんとニジマスを釣りましたが、私は不思議なことにお目当てのニジマスがつれずDolly Vardenというイワナの仲間を釣りました。
HARUO YOSHIKAI
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