Angling Net / Fishing Letter from Canada

Written by Haruo Yoshikai




左上=Country pleasures 右上=Fish Tales
左下=West Winds 右下=Trout Outfitters


私はなぜフライフィッシングをするか

これは、答えるのが非常に簡単な質問です。
答えは、私の住むアルバータ州が多くの川や湖でエサ釣りを禁止しているからです。特にカルガリーの周辺の川は、100%エサ釣り禁止です。湖は数えたわけではありませんが半々と言ったところです。川がエサ釣り禁止に近いのは、川は湖に比べ魚の再生能力が低いので、エサ釣りを認めるといっぺんに魚がいなくなるためです。
Artificial fly only(疑似餌つまりルアー+フライのみOK)の湖や川が多いのは、釣ったあと放してもエサ釣りの場合は90%位はショック死するが、ルアーだと逆に90%が生存し、フライだともう少し生存率が高くなるので州政府はArtificial Flyを奨励するわけです。

さて次になぜルアーでなくてフライかというとこれは、環境というか私の周りにルアーをする人が少なく、フライをする人が多かったためです。冬になると各フライ ショップでタイイングの無料セミナーがありますし、フライの方の情報がルアーに比 べてずっと豊富なためです。日本は、ルアー人口の方がフライ人口より多いと思いま すがカルガリー(そして多分カナダは)は逆です。Angling.netの方々のようにルアー に詳しい、ルアー好きの人はカルガリーであったことはありません。
私は餌釣りも、ルアーもフライもやりますがやはりフライが一番多く、その次はエサ 釣り、しかしルアーも時々やります。

私が30年前、1974年にカナダに移住してきた時、最初の仕事はニューファウンドランドと言うカナダの一番東にある島の製油所でした。夏は日が長いので仕事の後、同僚の東工大卒のビルマ人のモーン、イギリス人のティムと釣に行きました。このときティムが変な釣道具で魚を釣ったのを見たのが私がフライフィッシングを見た最初です。
その9年後、カルガリーに移って、1983年にCountry Pleasuresというフライ フィッシング専門店のオーナーの1日だけのフライフィッシングの講習会に参加した のがフライフィッシングにのめりこむきっかけです。
カルガリーは、フライフィッシングの盛んな町でフライフィッシングの人口は20,000だという話です。市内にはフライフィッシング専門の店が4軒あり、フライフィッシングの道具も扱うアウトドアの店が2軒あります。どういうわけか、私の家から半径5km以内にフライフィッシングの専門店の4軒のうち3軒があります。毎年、2月の第1週の4日間、フライフィッシングのフェアがあります。
カナダは、魚釣りの規則が大変うるさく違反すると釣り道具没収だけでなく、その上 に罰金、場合によってはボート、ボートを運んだ車まで取り上げられます。川によっ ては、ルアー禁止、フライのみと言う川もあるので結局フライが一番制約がないとい うこともフライフィッシングをする理由の一つです。
あとはフライを作る楽しみがあります。私はルアーを作ったことがありませんが、フ ライの方が作る方が簡単じゃないかと思います。
フライフィッシングの欠点は、釣れないこと(笑)、あまり遠くまで飛ばせない事、 道具に凝りだすと非常に高くつくということです。
しかしフライフィッシングは、腕の差が釣果にはっきり出ると言った人がいますがこ れは確かに名言です。

HARUO YOSHIKAI


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