Angling Net / Fishing Letter from Canada

Written by Haruo Yoshikai
「カナナスキス捕り物帖」
2/26と 3/6の2日にカナナスキスレイクに釣りに行った。
カナナスキスレイク(特にアッパーカナナスキスレイク)はカルガリーの市民にとって一番ポピュラーな釣り場である。理由は舗装道路で釣り場の近くまでいけるということ、駐車場からそれほど歩かずに釣り場までいけるためであろう。しかしこのことは違法な釣り方をする不届きもの、つまり密猟者にも人気があるということである。
2/26日にカナナスキスレイクに朝早く行った。もう先客の中国人とおぼしき2人がわれわれのお気に入りのスポットの近くに陣取っている。

隣の不幸な釣り人
カナナスキスレイクは広大なので場所の取り合いということはなくわれわれのスポットに氷の穴を掘り始める。遠くに子連れの3人のフィッシングハットが見える。

遠くの釣り人〔実はレンジャーのフィッシングハット)
そのうち近くの中国人に当たりがあり1匹釣り上げる。私はどんなルアーで釣っているのか興味があるので見に行く。見るとえさ釣り禁止なのにチーズで釣っている。「えさ釣り禁止だろう」といっても「...」である。しかし釣り仲間のY氏が「あれはブルトラウト(アルバータ州の州魚に指定されC&Rになっている)に違いない」という。そこでもう一度2人で見に行くと確かにブルトラウトである。「ブルトラウトはキープできないのは知っているだろう」というとしぶしぶ氷の穴に戻す。
しばらくするとS氏がいいサイズのニジマスを釣り上げる。そうすると忽然と中年のレンジャーがわれわれのところに来てS氏の釣った獲物と釣具を検査し始める。
まず調べるのはライセンスを持っているかどうかである(S氏は65歳以上なのでライセンスは不必要で車の免許証を見せるだけでOKである)。
次はブルトラウトを釣っていないか、ニジマスやカットスロート〔やはりマスの一種)のサイズ(30cm以下はC&R)はOKかどうかである。最後に釣具の検査である。針の返しをつぶしているかどうか、ワームに集魚剤を付けていないかどうかをしらべる。S氏のおかげでわれわれは一切調べられない。
それからレンジャーは隣の釣り人のほうに行く。しばらくすると釣っていた2人が帰り支度をする。レンジャーが2人にチケットを切っている。

チケットを切るレンジャー(中央ハットにもたれて書いている人)
やはり捕まったらしい。レンジャーは私服でこれでは分からない。若いほうのお兄ちゃんもレンジャーかと思って聞いてみるとレンジャーではなくレンジャーの友達だった。中年のレンジャーが若い友人に応援を頼んだようだ。子供まで連れてくるというのは芸が細かい。
レンジャーはハットの中で望遠鏡で覗いていたらしい。若いお兄ちゃんは「先週は8人捕まえた」といっている。つり道具を取り上げられた上、罰金は1人当たりカナダドルで$200〔日本円で約1万7千円)である。ブルトラウトをキープしていたら罰金は倍になっていただろう。われわれに感謝すべきである。
「ガソリンエンジンつきのドリルやフィッシングハットは押収しないのか」
と聞くと
「違反は餌釣りでドリルやハットは直接関係ないので押収はしない」
とのことである。
「しかし魚をリミット〔3匹)をこえてトラックまで持っていって、また釣り場に戻って魚を釣っていればトラックを押収する」
といった。休日なら必ずレンジャーの取締りがあると思うのが普通だと思うのだが。天網恢恢疎にしてもらさずといったところか。
3/6、再度カナナスキスに挑戦である。今まで当たりがあるのに逃してばかりである。釣り場に行く途中でエルク〔大型の鹿)の大軍に出会う。


エルクの大群
今日は密猟者が検挙し尽くされたせいか休日なのに釣り人が少ない。やっとニジマスを釣り上げた。

やっと1匹!
5回目の挑戦でやっと1匹というのは情けないがやっと思いを果たした。ワームで針の返しがないというのはやはり難しい。
HARUO YOSHIKAI(吉開治雄)
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