Angling Net / North Fields Report



written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.


TopWaterPluggin' at North Fields (3/4)

夕方になり、僕らは下流のポイントへと移った。
日中、太陽の光で上昇した気温が、ぐんぐん低下していくのがわかる。
風は、吹き付けるたびに
その冷たさを増していくように思えた。

このポイントは一見単調な流れだが
底に豊富な障害物が沈んでいるため、魚影が濃い。
一定の間隔で5人が並び、クロスへキャストする。

正直言って、僕はこのポイントが苦手だ。
ポイントに正確に打ち込み、イトウを誘い出すためにロッドワークを駆使する上流部の釣りと違い
あまりに単調な釣りになる。
水面下のルアーや、流れがもっと複雑であれば
まだ楽しめるんだろうけど・・・・・・。
というわけでこの時僕は、ルアーをとっかえひっかえしながら、キャストを繰り返していた。

スーパースプークを動かしていた時だった。

「ガコ、ガコ」と、動かすたびに大きなラトル音が響き渡り
ルアーは幅の広い、鋭いスケートを見せる。
ガコ、ガコ、ガコ、ガコ・・・・・・

「ゴァバ〜ン!」と、凄まじい捕食音が遠くで鳴り響いた。
視界に入らないほどの距離だったが
それは明らかに大型イトウのボイルだった。
仲間と興奮しつつ、広がるはずの波紋を探す。

「うぉ〜!今のすごかったな〜!」(ガコ、ガコ)
「めちゃでかいよな!」(ガコ、ガコ)
「対岸のほうだよね。」(ガコ、ガコ)
「うん、かなり遠くだった。」(ガコ、ガコ)

ドカン!

大きな音がしてそちらを向いた時にはもう
強烈な引きが僕のロッドに伝わってきていた。

きつくドラグを締めたはずのベイトから
「ギュイ〜〜〜〜ン!」とラインを引きずり出し
その魚は下流へと走る。
それは、去年釣った80cmをはるかに凌ぐ引きで
僕はパニックに陥りながら
メーターオーバーであることを確信した。

しかし、近くまで寄ったその魚はメーターではなかった。
胸ビレの辺りにルアーが付いている。スレだったのだ。
それでも、それは80cmクラスのイトウだった。
少し足場の高いそのポイントはランディングが難しい。
しかもその時は水位が高く
川に入って取り込むことも出来なかった。

どうしようかあたふたしている内に、大人しくしていたイトウは再び走り出しラインはあっさりと切れてしまった。
茫然自失。
キツネにつままれたようだった。

この話の教訓は何だろう。
この日最後のイベントは
僕に重大な警告を発しているようにも思える。



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