Angling Net / North Fields Report



written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.


2003年 12月 17日 水曜日 2:42 AM

ふんどしを借りて


冷たい川に立ち込みキャストを続けていると
足全体が、ピリピリと痺れてくる。
腰から下が、自分の体ではないような感覚になる。
スピードを変え、コースを変え、アクションを変え、ルアーを変え、ポイントを変え ・・・・・・。
様々なアプローチを仕掛けても
魚からは何の反応も得られない。
そのうち、体とともにやる気も冷え切って
僕はギブアップした。
産卵を終えて海へと降るアメマス、通称「降りアメ」を釣る試みは、今年も失敗に終 わった。
道具を片付けて、その日ホッケを狙って漁港を転々としていた仲間へ電話をかける。
向こうの弾む声に、嫌な予感が頭をよぎる。

「爆釣だよ、爆釣!!!」

や、やられた〜!!
最後の最後に訪れた漁港で、ホッケの大群と出くわすことに成功したらしい。
ミノーに何匹ものホッケが群がって追ってきて
それはそれは興奮したと。
クーラーボックスが一杯になったのをもって終了。

「ほんとですか〜?」と疑ったり
いちゃもん付けて電話を切る。
ああ、めちゃくちゃうらやましい!

この後の予定を考えなくてはいけない。
明日は、苫小牧から船でアブラコ(アイナメ)を釣る予定になっているけれど
話によると海は大荒れで、出船は難しそうだ。
このまま札幌に帰るか、それとも・・・・・・。
ふと思い立って、もう一度さっきの仲間に電話する。

「あの〜、爆釣した漁港はどこでしょうか・・・・・・。」

先ほどの態度とは一転し、低姿勢。
そうして詳しい場所を聞き、その漁港へと向かった。
辺りはもうすっかり暗くなっている。
まだホッケは居るのか?
そもそも夜にホッケは釣れるのか?

いざ釣りを始めるが、ホッケの反応は無い。
その代わり、ソイの反応がとてもいい。
街灯付近に群がるソイの見釣りをする。
5cmのミノーを浮かべておくと、フワ〜と浮き上がってくる。
ルアーをかなりじっくりと見定めたあと
ある者は再び沈んでいき
またある者は「ジュバ!」と喰らいつく。

しばらくそれに夢中になっていると
先輩がホッケを1匹釣り上げた。
ふ〜ん、やっぱホッケも釣れるのか。
でもこっちのほうが楽しいもんね〜。
などと思っているうちに、また先輩がホッケを釣り上げる。
ん?
・・・・・・。
また釣った。
これはもしや・・・・・・。

すぐさまそこへ駆けつける。
先輩はすでに爆釣状態だ。
夜はホッケもおとなしくしているのか
どうやらワームを底まで沈めないといけないらしい。
リトリーブ方法と合わせ方
それぞれにコツをつかむと、僕も入れ食いになる。
30〜40cmのホッケが次々にヒットする。

始めのうちは、「ヨッシャ〜!」とか「ヒャッホ〜!」などと、興奮して叫びながら 釣っていたものの
次第に二人ともマシンのようになる。
釣り方をあれこれと試すこともなく
サイズを測ることもなく
写真を撮ることもなく
フックだけはリリースしやすいようにカエシをつぶし
釣っては逃し釣っては逃し
「むさぼるように」ひたすらホッケを釣り続けた。
3時間で、二人合わせて70匹ほど釣っただろうか。
そのうち、僕らは釣り疲れてギブアップした。

他人のふんどしを借りての相撲も
ここまでとりきれば、なかなかのもんだろう。
わっはっはっはっは。
いやぁ〜、どうもありがとうございました・・・・・・