Angling Net / North Fields Report



written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.


944春の陣 2004

「またおいで」
その言葉に甘えて、何度も遊びに行ってしまう己の図々しさもさることながら
そんな僕を、本当に快く迎えてくれるTOP WATER JUNKYの内藤さん、そしてそのご家族のみなさん。
いつもありがとうございます。
ただただ感謝です。

というわけで、春に徳島へと訪れるのは今回が3度目。
2年前、猿さんと行った初めての旧吉野川(944)釣行では、バイトらしきものが 一回。
去年はノーバイト。
この時期厳しいということは、身にしみて感じてる。
内藤さんの口からも、「春の944はなぁ〜・・・」と、少し弱気な言葉が出る。
それでも、機会さえあれば喜んで行こうと思う。
「今年こそは」という思いもある。
第一、釣れないからと言ってつまらないわけじゃない。

この日、僕らは強風に悩まされた。
朝早いうちは
「今日はペンシル日和だな。」なんて言って、その穏やかな水面でプラッギングを楽 しんでいたのだけれど
それはわずかな時間だけだった。
すぐに春の嵐が吹き荒れはじめた。
ルアーが風に流されてキャストが決まらない。
必要以上に出る糸ふけと波立つ水面のせいで
プラグを思い通り操ることが出来ない。
時折、風裏となった場所が巡ってくると、それだけでそこが一級ポイントのように思 えた。

もう、トータルでは5回目の944だから
実績があったり
見慣れている場所がいくつかある。
どこもかしこもグッドポイントに見えた最初のころもよかったけれど
こうやって
自分の体験と重ね合わせつつ展開する釣りも面白い。
けど、「ここぞ!」というところでミスキャストしてしまうこのメンタルは、どうに
かしたいな〜。

ボートの上で、あれやこれやと話をし
時折、思い出したようにお互い黙って真剣に釣りをする。
しばらくすると、また会話が始まる。
その繰り返し。
時間があっという間に過ぎていく。
明け方から釣りをはじめて、僕が最初に時計を見たときは
すでに5時間がたっていた。
その時は、「まだ予定の半分以上釣りが出来るぞ。」
と思ったのだけれど
終わって振り返ってみれば
その日の全てが一瞬のできごとのようだった。

結局、明け方から日暮れまで投げ続けて
内藤さんに1バイト、僕はノーバイト。
今年の春も、944でバスを釣ることは叶わなかった。


この、釣果にめぐまれない春の一日のことを
僕はそのうち、うまく思い出せなくなるだろう。
けれど、尊敬する人との釣りや、何気ない会話の中で感じたこと。
そして、釣れなかったけど、それでもなぜか面白かったという事実。
そういったことは、僕の感覚の一部となって、これからも僕を動かし続けるのだと思う。
自分がそういう釣りをしていることが嬉しいし
その機会を生み出してくれる内藤さんに
改めてお礼を言いたい。

ありがとう。そしてごめん、また行きます!