Angling Net / North Fields Report


written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.
僕らのイトウ釣り (4/4)
この幸運極まりないグッドコンディションに
僕は浮かれつつ、同時に少しの不安もあった。
今まで、亀の歩みのように
少しずつ、少しずつイトウのトップウォータープラッギングの経験値を高めてきて
これからもそうやって、大事に大事に
コツコツと楽しみを引き出していくつもりだった。
けれど、今回のこのバイトの多さ。
そして魚の大きさ。
あまりにたくさんのことが一度にやってきて、戸惑いを感じていた。
次にやってきて、以前のような反応の少なさでも、楽しんでやれるのだろうか?
ドバッ!
上流で音がしてそちらを見る。
ポールさんのヴァンガードにイトウが出たようだ。
フッキングはしていない。
と、その直後、再びルアーが襲われる。
しかし、これもフッキングせず。
「凄い!」
後ろで僕も興奮していると・・・・・・ドバッ!
ななななんと、ワンキャストスリーバイト!
しかものった!
「あまり大きくない!」
そうポールさんは言いながらも
ファイトにはなかなか手こずっている。
シングルハンドのグリップに
リールはフリースプールダイレクト、ABUの5000Dだ。
ソリッドグラスのロッドが、ひん曲がる。
僕もランディングを手助けするために、急いで向かう。
で、でかいじゃん!
近付いてみると、なんとも大きな魚体。
最後は岸にずり上げて、ほっと胸をなで下ろした。
そのサイズは78cm!
シャープな顔つきの、格好いい魚。
最高のプロセスだったと、心底嬉しそうなポールさん。
僕も、う、うれ・・・・・・うらやましい!

(やはり写真撮影には苦労しました)
2日目になっても、昨日の良い状況は続いていた。
僕の目標は、納得の行くプロセスでイトウを釣ること。
大きさはあまり問題ではなかった。

倒木の際が深くなっている。
うっすらと水底も見えるけれど、イトウが居られないほどではない。
まず、流れの緩い辺りを攻めるも、反応はなし。
そこで流芯の少し向こうへキャストする。
ルアーは、幸運を呼ぶプラグ、トップウォータージャンキーのミルヘッドターキーだ。
いつもなら一級とは呼べないこのポイントだけれど
今回の傾向からすると、出てもおかしくない。
油断はない。
ジャッジャッジャッジャ・・・・・・ドバン!
ロッドに伝わるイトウの感触。
デカい!
ドタンバタンと体をくねらせるだけではなく、走る。
下流に流れきったあとは、グイグイと突っ込み
ロッドを絞り上げていく。
「あそこでランディング出来るよ!」
そう言ってポールさんは上流の岸を挙げたが
僕は耐えるだけで精一杯だった。
大丈夫、ラインは20lbある。
徐々に、イトウも疲れを見せはじめて
僕の足元まで寄せることが出来た。
そのまま
いつまた暴れ出すのか怯えつつ
上流へ誘導していく。
岸に上がった。
よっしゃ〜〜〜!
そのグッドコンディションに
二人とも80cmは確実だと思ったけど・・・・・・77cm。
でも悔しさとかそんなものは全く感じなかった。
僕の愛すべきイトウだった。
「抱きかかえるようにすればいいんだ!」
写真撮影のとき
そう思いついて、見事成功したはずだったのだけど
後で見てみたら
抱きかかえる、というより抱き締めていた(笑)。


すべてが終わり、結局
ポールさん15バイト2匹。
僕、8バイト2匹。
去年の僕の総バイト数が21だから
二人合わせると、それを超えることになる。
様々な要素がピッタリとはまって
この結果を生んだんだと思う。
けれど、帰り支度を済まして
面白かったな〜、とこの釣行を振り返ったとき
僕にもう、件のような不安も戸惑いもなかった。
これからのイトウ釣りが今まで通り
10時間以上釣りあがって、1、2バイト。
そしてやっと釣れた魚が50cmくらいであっても
きっと激しく興奮して、面白いのだろうと
そんなことをポールさんと話した。
イトウのトップウォータープラッギングは面白い。
改めてそう断言する。

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