written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.
Our days at the PARADISE 前編 (4/4)
1st day (3/3)
「でかい！」
そう叫ぶ。
ついさっき、おじさんから夢のある話を聞いていたから
ハシモトの口からは60なんて数字まで飛び出した。
何度も突っ込みを見せた後に上がってきたのは
44cmのアメマス。
やはり、ナイスプロポーション。
フックがエラの下のほうにスレ掛かりしていた。
強烈なファイトの原因はこれだった。
このアメマス、口がでかい。
大物ではなかったけれど、やけに嬉しかった。
おじさんとの会話の晴れやかな余韻がまだ残っていて
ぼくの喜びを後押ししてくれた。
ハシモトも、素直にこの魚を祝福してくれた。
その魚をリリースしてほどなく
今度はハシモトのロッドが曲がる。
ギラっと、なかなかのサイズの魚影が見える。
ぼくも興奮しつつ見守るが、痛恨のバラシ！
「あ〜っ！」
思わず声が出てしまう。
しかし、ふたたびチャンスが訪れる。
今度はハシモトも逃さなかった。
湖岸で、お祭りのように二人ではしゃぐ。
写真撮影を済まして
湖へと帰るアメマスの姿を見送ると
「礼文っていいっすね！」
そう言って、ハシモトは笑った。
前編終わり‥‥‥後編へ続く
