Angling Net / North Fields Report



written by kouki yoshida ........ it is inserted with the original.


ブラックバスが釣りたくて 2006初夏 (2/6)

"It's a smallworld"

まずは一匹。
バスに触れたい。バスと遊びたい。
何よりもまず釣りたくて、僕たちは野池に向かう。
そこは周りを林で囲まれ、水は深い緑色をしてる。
複雑に入り組んだ地形のおかげで
無数の岸際が待ちかまえてくれている。
トップウォーターに最適の池。
小さなバスたちが元気いっぱいだから
こっちも1/4オンスクラスのスモールプラグを軸にして
思う存分戯れようという作戦なのだ。

フローターとゴムボートを準備・・・・・・
しなきゃならないのだけど
はやる気持ちを抑えられず
タックルだけ準備して水辺へさっさ駆け出す。
「見えバス発見!!!」
ベビートピードをちりちり巻いてくると
ジュボっと水面が割れた。

僕はフローター。ぽーるさんとホソミはゴムボート。
ほかに釣り人はいない。
完全貸切状態だ。
お互い逆周りで釣りしても良かったけど
そっちのほうがきっと楽しいから一緒に池を回る。

ぼくがこの池に来るのは3回目になる。
これまではオンスクラスのトップしか持っていかなくて
こっちは全然出ないのに
横でぼこぼこ釣られてそわそわしたりした。
だから今回はもう余計なこだわりはとっぱらって
軽いルアーをピンポイントにキャストするためのスピニングタックルに、ラインは8ポンドと仕立てた。
ここ数日の冷え込みのせいだろう
バスもおとなしめでボコボコとは行かないけれど
それでも十分にアタックはある。
一匹釣ったら別のプラグ
そいつで釣ったらまた別のプラグを・・・
という風にして、色んなタイプのプラグでそれぞれの釣り味を堪能する。




小さいプラグを使って小さなバスを釣る。
そんな中にも、バス釣りの世界が垣間見える。
やっぱり正確なキャストが大切で
甘い着水音には魚の寄りもいい。
前に来たときは素早いアクションに反応が良かったけど
この日はじっくりポーズを取ることも重要だった。
垂直浮きのおじぎアクションにはついばむようなバイト。
激しい動きには派手なバイト。
ちょっとでもダイブさせるとそれでスイッチが入る。
素材の柔らかいフロッグは食い込みがいい。

ワンバイトワンバイト、それぞれからバスの表情を味わう。
「そうそう、バスってこういう魚だった!」



ぽーるさんもだいぶバスに飢えてただろう。
一匹目を釣り上げたあとはクンクンと手の匂いをかいで
釣り終えたあとには
ささくれ立った親指をいとおしそうに眺めてた。
普通の人から見たらかなり???な癖だけど
そういう体験が僕らの釣りの楽しみの原点だから。
「バスの匂いの芳香剤があったら買う!」(ぽーる談)

スモールプラグを持ってこなかったホソミが
やっとのことで釣り上げた一匹。
でかいプラグにはでかい魚。
30cmのランカーバス。
フッキングこそほとんどしなかったものの
このあとはオンスクラスだけをキャストし続けて
ガンガン(正確にはチュバとかパシャとか)バイトをもらう。
乗らないことが前提だから、ごくたまにプラグが消しこんでもなかなか反応出来ないんだな。
しかしすごい魚だよなぁバスって。

とてもとても睡眠不足だし
風が冷たくて体は冷えるし
釣り始めて数時間経つと
みんなの顔に疲労の色がうかがえた。
けど、次のキャストにもきっとバスは出てくれるから
釣りをやめることが出来ない。
ぼくは目の下がどす黒くなって
ホソミは顔が土気色になり
ぽーるさんはムラサキになったけど
それでも日が沈んでタイムアップが来るまで
嬉々としてキャストし続けた。
ほとんど真っ暗になってからの後片付けは大変だった。


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