Angling Net / The Grotesque Night

Openwater Raigyo Game 2004

ちょうど一年前‥‥‥去年の同じ日だった。ここでバナナザイカスで小学生級の雷魚を釣ったことを思い出しながら、風のない静かな水面にフロートチューブを浮かべる。夜が明けきると、東の空に濃いオレンジ色の朝日が顔を出す。と、同時に、ひんやりとした空気が一変した。ああ、今日も暑くなりそうだ‥‥‥。

そいつは釣り初めてすぐに来た。あの強烈な雷魚特有の「バフッ!」という捕食音もなく、ルアーを水中に吸い込んだ。おろしたての5500CSのドラグを引きずり出した。決して大きくはないが、ボクにとっては悪くないサイズだった。

これが最初で最後の一匹だった。日没前まで延々十二時間やったが、とうとう二匹目は釣れなかった。

Muddy Waters "Picnic30" に出た中学生クラス(70cm級)

めっきり雷魚が釣れなくなっているという昨今、一匹だけだが、今年もまた雷魚を釣ることができた。なんという幸せだろう。

雷魚釣りの主流はカバーゲームだ。しかしボクは興味がない。勿論やってみたことはある‥‥‥20年前だった。埼玉県の釣り具屋に頼んで6.6ftのガチガチの竿を作ってもらった。それを持ってヘビーカバーをフロッグで釣って回った。その頃はけっこう雷魚が釣れた。しかしボクには面白い釣りではなかった。藻に絡んだ雷魚のただ重いだけのファイトが面白くなかった。それに雷魚ロッドが硬すぎて好きになれなかった。あのときの竿はいま、ヱンドレス森下のジギングロッドになっている。

ただし雷魚という魚は昔から大好きだ。春先の播州地方の野池群、まだウィードがまばらな時期の雷魚ゲームは楽しかった。ドタンバタンの強烈なファイトは面白かった。オープンウォーターフィールドでの釣りは最高だった。

そんなオープンウォーターライギョゲームを思い出させてくれたヤス掘田。そして、ボクのマニアックな釣りに付き合ってくれるジャンキー内藤。彼らは素晴らしい。実に素晴らしい。

しかしこの素晴らしいフィールドも、年々後退しているという。人の手が入り、コンクリ護岸化され、雷魚の住処が奪われているのだ。オープンウォーターライギョアングラーにとっても、勿論ライギョにとっても厳しい現実に直面しているのである。


■タックルデータ
Y.Hotta‥‥‥St.Croixグラス5.6ft-M, ABU5500C+PE60LB
J.Naito‥‥‥Fenwickグラス5.6ft-H改造, ABU5000+ナイロン30LB
Ikasas‥‥‥Daikoカアボン5.6ft-MH改造, ABU5500CS+PE100LB

2004.6.16 ikasas ikuy

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